森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

生物としての意味

2007年11月24日 18時43分58秒 | 過去ログ
またすっかり回想録になってしまった。
水曜日は、学部生の卒論の予行を6名分、3時間行う。
あと、6名だ。
姿勢制御系、痛み系、情動系、
そして、心的回転&ミラーニューロン系、
さらには、運動記憶のメカニズム系、などであった。

いくつかの研究は、そのまま公表してもよい。
道具を使用する場合の心的シミュレーションと、
そうでない場合の機能系システムの違いがある程度わかってきた。

その後、大学院のM1の研究計画発表を3名聞く。
自分で鞭打ち、期限を決めて、自ら行動を起こし・・・
問題とは何かを意識して、仮説をつくってください。

院生の研究計画を22時まで聞き
その後、奈良リハのOT、平澤、熊谷のOT学会の登録原稿を読む。
何度も何度も何度も、読み、多角的に自分の原稿を読み、
相手に伝わるかどうかを考えてください。

23時すぎに家に帰り、仮眠をとり、
5時におき、荷物をして、列車にのり、東京へ。

13時に東洋大学につき、会議。
建設的な意見とは何かを考えた。

その後、懇親会。
飯田橋の京都祇園に似た風情な店にうかがう。

遅くホテルに帰り、そして翌日から研究会へ。

みなさんの講義を聞き、
dual taskで仕事をして、triple taskで雑談をする。
相変わらず、adult ADHDだ。
何を話すかすぐ読めてしまうのである。
だから、注意がそがれる。

協同医書の中村さんと話し、
でかい脳の模型をもらうことにした。
新しいプロジェクトを創造しないといけない。

夜、東京ドームホテルの最上階のレストランへ。
東洋大学の山口一郎先生、河本英夫先生、稲垣先生たちと、
科学哲学、脳の機能についた語り、
ホムンクルス問題、
そして、昆虫におけるmidlineと哺乳類におけるmidlineについて考えた。

また、山口先生や安藤先生とMidlineとは本当に皮質機能なのか、
それについて、疑問を考え、そもそもの右と左の意味について考えた。
なぜ、進化の過程で延髄交差したのか、
そして、していない部分、小脳などは・・
脳幹もうよう体の解明がさらなる発展を願う。

最後に角川書店の小島さんと話をして、
これまたいろんなことを考え、
思考を整えないといけないと思った。
近々、表現したい。

ホテルに帰り、仮眠し、東洋大学へ。
ロンドン大学の名誉教授のガベラ博士を向かえ、
彼の講義を確認し、
講演の司会を行う。
久しぶりの英語に、同僚からは、「So,」が多いと指摘を受け、
今度から修正しようと思ったが、
soはwellよりもいいと思い、どうしても出てしまうのだ。

え~~~と、って思っておいてほしい。
意味は違うが。

違う大脳皮質の活性化に伴い、
少し疲れ、今はFrancaの痛みの講義を聴きながら、
dualで打っている。

痛みには3つの様相があるが、
ひとつはその仮説で説明できるが、
あとの2つはまだまだ厳しいとも感じたが、
修正されるのだろう。

感覚系は0.1secでS1に入ってしまう。
これは、共感する痛みとはいえない。
あくまでも自己身体によるが、
どうしてもconsciousnessを巻き込むとこの問題はわからなくなる。

連合線維(皮質間結合)、
投射線維(皮質-皮質下結合)、
右脳、左脳、さらにこの問題が難しさをプラスさせる。

今は、Koyamaさんのデータが紹介されている。
たしか日本語ではレビューで、臨床脳波に出ていたかな。
熱刺激だけど、津野がやった痛みの心的実験に似ているよ。

今は、Jacksonの研究が出てきた。
ACCの問題にいくと思うが、
この後、Singerに行くだろう。
ACCは痛みの共感ニューロンが存在し、
女性が男性より働きが強いといわれるが、
この痛みの共感ニューロンと、
痛みのS1に由来する感覚システムは違う。

やはりSinger Tが出てきた。
彼女はロンドン大学のUCLだったな。
これは旦那の研究かな、それとも彼女なのかな。
フリス夫妻といい、ジンガー夫妻といい、夫婦で研究とは、
うらやましい反面、厳しいな。

今日のガベラ先生の奥さんも小児科医であった。

さてさて、痛みの記憶システムについて、
このあたりは、学部生が身体反応と脳活動の両方で捕らえようとしたが、
なかなか難しかった。
やはり、視覚的イメージよりも、
体性感覚記憶が強く、
それを修飾してしまうのである。
自己と他者の問題になるが、
autismの問題と同じように、
他者と自己はそもそも相容れない問題であるのなら、
この共感システムの治療導入も難しくなる。
情動(そもそも痛いということば)とは、
他者によって作られたが、
それは、脳の神経伝達物質の改変により、
自己中心的なものに変えられてしまう。
Kakigi先生によるAδとC線維の違うも入ってくるし、
我々の痛みは、運動を伴うのでさらに難しい問題になる。

予期であるというのなら、
小児におけるシングルタッチとダブルタッチに意味性があると思うし、
それで説明できる不快システムと、そうでない不快システムがあるだろう。
Kakigi先生たちも、痛みの認知への注意機能による違いを研究している。

僕たちの仮説は、時期になれば提供できるとおもう。
これには学部生の研究成果、
そして、我々の介入手続き、
そして、福井くんたちの成果も含め検討していかないといけない。


しかし、痛みは意識の問題を含むため、難しい。

院生の高浜君、Singerらのテーマを
そのまま実験をしないでね。
問題(批判を加え)を抽出し、
解明できるものを考えてください。
まずは、解明できるものです。
科学的な手続きを学習してください。
これは、他の院生もです。
ほんとに一人称イメージしたかの実証をどうとるのかを考えてください。
マスターベーションにならないように(願)。

まだまだ、痛みの問題は解明されていないし、
説明できないものが多すぎる。

さてさて、dual taskはここまでにするか。

このあと、レセプションです。

ただいま18時6分。