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2024年度の「賃上げ」率 最多は「5%以上6%未満」 実施率は84.2%、中小企業は「賃上げ疲れ」も 8/20(火) 11:42配信 東京商工リサーチ

2024-08-21 17:29:36 | 日記
2024年度の「賃上げ」率 最多は「5%以上6%未満」 実施率は84.2%、中小企業は「賃上げ疲れ」も
8/20(火) 11:42配信
東京商工リサーチ

2024年度「賃上げに関するアンケート」調査

賃上げ動向 年度推移

 2024年度の賃上げ(実施を含む)は、84.2%の企業が実施した。定期集計を開始した2016年度以降、最大だった2023年度の84.8%には0.6ポイント届かなかったが、2年連続でコロナ禍前の水準を超えた。物価高やコロナ禍からの企業業績の回復を背景に、高い賃上げ率で推移している。
 ただ、規模別の実施率は、大企業が94.0%と前年度から4.1ポイント上昇した一方、中小企業は82.9%と前年度を1.3ポイント下回り、規模格差は過去最大の11.1ポイントに拡大した。大企業は賃上げを継続したが、中小企業は重い人件費負担から「賃上げ疲れ」もうかがえ、持続的な賃上げ実現の課題もみえてきた。

 賃上げ内容は、「ベースアップ」が61.4%で初の6割台に乗せた。コロナ禍以降、先行きを見通せない状況で、企業は賞与の増額で一時的な賃上げに対応する傾向にあった。だが、物価高を背景に、実質賃金マイナスが26カ月連続と過去最長を更新するなかで、徐々にベースアップによる賃上げが浸透しつつある。

 企業全体では賃上げは定着してきたが、中小企業では4年ぶりに賃上げ実施率が低下するなど、一部では賃上げへの息切れも顕在化している。2024年1-7月の「人件費高騰」倒産は60件(前年同期29件)と大幅に増え、すでに過去の年間最多も更新した。人手不足が深刻さを増すなか、安定的な賃上げ原資の確保に向け、生産性の向上と同時に適正な価格転嫁の実現も急がれる。

※本調査は、2024年8月1~13日にインターネットによるアンケートを実施し、有効回答6,899社を集計・分析した。
※賃上げ実体を把握するため「定期昇給」、「ベースアップ」、「賞与(一時金)の増額」、「新卒者の初任給の増額」、「再雇用者の賃金の増額」を賃上げと定義した。
※資本金1億円以上を「大企業」、1億円未満(個人企業等を含む)を「中小企業」と定義した。


Q1.今年度、賃上げを実施しましたか?(択一回答)

Q1.今年度、賃上げを実施しましたか? ◇「実施率」84.2%、規模による差が過去最大

◇「実施率」84.2%、規模による差が過去最大

 「実施した」は84.2%(6,899社中、5,810社)だった。前年度84.8%から0.6ポイント下落したが、3年連続で8割台に乗せ、コロナ禍前の水準を上回った。定期的な集計を始めた2016年度以降、2023年度に次ぐ過去2番目の高水準。
 規模別の「実施率」は、大企業が94.0%(794社中、747社)で前年度(89.9%)から4.1ポイント上昇したが、中小企業は82.9%(6,105社中、5,063社)で、前年度(84.2%)を1.3ポイント下回った。
 前年度は大企業が中小企業を5.7ポイント上回ったが、今年度は11.1ポイントまで拡大した。2020年度の10.0ポイント差(大企業65.9%、中小企業55.9%)を上回り、格差は過去最大となった。
産業別 賃上げ実施率、製造業が89.6%で最大

 Q1の結果を産業別で集計した。賃上げ実施率が最も高かったのは、製造業の89.6%(1,646社中、1,476社)だった。以下、運輸業が88.9%(299社中、266社)、建設業が88.6%(861社中、763社)、卸売業が87.7%(1,291社中、1,133社)、農・林・漁・鉱業が85.9%(64社中、55社)、金融・保険業が82.6%(115社中、95社)、小売業が80.4%(323社中、260社)と続く。10産業中、7産業で賃上げ実施率が8割を超えた。前年度との比較で最も実施率が上昇したのは運輸業で、前年度(82.3%)を6.6ポイント上回った。
 円安や半導体需要の増加などで好調が続く製造業で賃上げ実施率が高かったほか、「2024年問題」で人手不足などが深刻な運輸業や建設業でも高い実施率を示した。
 一方、実施率が最も低かったのは、不動産業の62.9%(216社中、136社)で、唯一の6割台だった。インセンティブによる報酬形態が多いことや、業績変動の少ない小規模な不動産賃貸業者の割合が高いことも影響した可能性がある。
 以下、情報通信業の72.1%(402社中、290社)、サービス業他の79.4%(1,682社中、1,336社)と続く。


Q2. Q1で「賃上げを実施した」と回答した方にお聞きします。実施した内容は何ですか。(複数回答)

Q2. Q1で「賃上げを実施した」と回答した方にお聞きします。実施した内容は何ですか。 ◇「ベースアップ」実施企業が初の6割超

◇「ベースアップ」実施企業が初の6割超
 Q1で「実施した」と回答した企業に賃上げ項目を聞いた。5,628社から回答を得た。
 最多は、「定期昇給」の74.2%(4,181社)。次いで、「ベースアップ」が61.4%(3,459社)、「賞与(一時金)の増額」が38.5%(2,171社)、「新卒者の初任給の増額」が25.0%(1,411社)、「再雇用者の賃金の増額」が12.5%(705社)の順。
 「定期昇給」の実施率は前年度の75.3%を1.1ポイント下回り、4年連続で下落した。一方「ベースアップ」は前年度の56.4%を5.0ポイント上回り、3年連続の上昇で過去最大を更新した。
 規模別では、「新卒者の初任給の増額」が大企業の45.6%(710社中、324社)に対し、中小企業は22.1%(4,918社中、1,087社)にとどまり、23.5ポイントと最大の差がついた。
 初任給の上昇やベースアップは長期にわたる人件費の上昇につながるため、大企業に比べて体力に乏しい中小企業には実施のハードルが高い。しかし、新卒採用や人材定着に与える影響が大きく、人手不足が深刻化するなかでは、大企業だけでなく中小企業も安定した賃上げを実施できるような支援策や環境整備が重要になっている。
Q3.賃上げ率(%)はどの程度ですか?年収換算ベース(100までの数値)でご回答ください。

上:賃上げ率(前年度比) 下:2024年度の賃上げ率 産業別

◇最多レンジは「5%以上6%未満」

 Q1で「実施した」と回答した企業のうち、3,444社から回答を得た。
 1%刻みのレンジでは、最多は「5%以上6%未満」の26.8%(924社)だった。次いで、「3%以上4%未満」の25.6%(884社)、「2%以上3%未満」の13.1%(452社)の順。
 賃上げ率「5%以上」は42.6%(1,469社)だった。前年度の36.3%を6.3ポイントと大幅に上回り、物価高などを背景に賃上げが進んでいる。
 規模別では、賃上げ率「5%以上」は大企業で44.4%(362社中、161社)なのに対し、中小企業は42.4%(3,082社中、1,308社)で、大企業が2.0ポイント上回った。
 賃上げ率の中央値は、すべての規模で4%だった。
 産業別では、賃上げ率「5%以上」の割合が最も高かったのは、農・林・漁・鉱業の54.2%(35社中、19社)だった。以下、不動産業が50.6%(73社中、37社)、建設業が49.5%(468社中、232社)、情報通信業が45.4%(187社中、85社)、卸売業が44.8%(691社中、310社)と続く。製造業は賃上げ実施率が最大だった一方で、賃上げ率「5%以上」は最も低い36.7%(907社中、333社)にとどまった。

日本株を大量に売った海外投資家は短期勢、長期投資家は買い目線維持 2024年8月21日 8:14 JST

2024-08-21 17:20:15 | 日記

日本株を大量に売った海外投資家は短期勢、長期投資家は買い目線維持
佐野日出之
2024年8月21日 8:14 JST

株価指数先物の大幅売り越しは短期的なネガティブな見方を反映
対照的に長期資金が中心となる現物株は依然として年初来で買い超過


歴史的な大暴落で幕を開けた8月第1週の日本株市場で、海外投資家は先物を大量に売ったものの、現物株は4週ぶりに買い越した。長期資金の取引が中心とみられる現物株に押し目買いが入ったことは、長期投資家が引き続き日本株をポジティブに見ていることを示す。

  日経平均株価が12%安と急落した5日からの1週間に、海外投資家は現物・先物合わせて日本株を7772億円売り越した。ただ、売りの中心は昨年10月以来の規模となる1兆2725億円を売り越した先物。現物株は4カ月ぶりの規模になる4954億円の買い越しと、先物とは正反対の動きとなった。現物と先物で海外投資家の動向がこれほど違ったのは、2014年以降では昨年10月第1週の1回だけだ。
外国人投資家は先物売り継続、現物は買い



  食い違いの背景にあるのは投資家層の違いだ。

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、海外投資家には二つのタイプがあり、日本銀行の利上げや米国の景気減速を手掛かりに売買する人の多くが「先物を使って短期的な視点で売ったようだ」と推測。一方で「日本株のバリュエーションやファンダメンタルズを見ている投資家は買い優勢だったもようで、日本のインフレ転換が評価されたのではないか」と話す。

Nikkei 225 Index Heads for Closing Record High Reached in 1989

東京証券取引所
Photographer: Soichiro Koriyama/Bloomberg

  日本取引所グループ(JPX)のデータもこうした見方を裏付ける。先物の売りを細分化すると、短期投機筋の取引が多いとされる日経平均先物の売越額は8332億円(ミニ先物、マイクロ先物を除く)。シリコンバレーバンクやクレディ・スイス・グループの破綻による金融危機懸念から株価が世界的に崩れた昨年3月以来の大幅な売り越しだ。

  海外勢はTOPIX先物も売り越したが、売越額は6000億円弱(除くミニ先物)で日経平均先物より小さい。一般的に長期投資家はTOPIXをベンチマークとしており、保有する現物株のヘッジにはTOPIX先物を利用する。時価総額加重指数でない日経平均は、ファーストリテイリングや東京エレクトロン、ソフトバンクグループといった特定の銘柄のウエートが高く、長期投資には不向きとされるためだ。
直近の売りはTOPIXよりも日経平均で目立つ



  実際、5日の急落後に買った海外投資家は多かったようだ。ゴールドマン・サックス証券のチーフ日本株ストラテジスト、ブルース・カーク氏など複数のストラテジストが急落後は買い目線での問い合わせが多くあったと明かす。

  その一人である野村証券の須田吉貴クロスアセット・ストラテジストは、多くの投資家が買いに回った理由として、急落局面では年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によるリバランス買いが期待できることを挙げた。GPIFが保有する国内株式は6月末時点で約62兆9000億円。その後株価が最大で2割も下落したことで、基本ポートフォリオを維持するために数兆円の買い入れが必要と計算される。

  JPXのデータによれば、GPIFなど年金基金の資金フローを反映するとされる信託銀行の買越額は先物も含めて4000億円程度。GPIFの買いを見越して買った投資家がいたことや、相場の急激な反発により、実際の買い入れははるかに小さかった可能性が高い。

  とはいえ、現物・先物合算で海外投資家は4週連続で売り越し、年初からの売越額は1兆6632億円に膨らんだ。一見すると日本株はもはや世界の注目株と呼べない状況に映る。
外国人投資家フロー、現物と先物で乖離が拡大

2023年からの累積ネット売買額

出所: Bloomberg, JPX

  ただ、ここでも現物と先物で大きな食い違いがある。先物が年初来で5兆4268億円の売り越しであるのに対し、現物は3兆7636億円の買い越しとなっており、長期投資家は日本株を見捨てたわけではないようだ。

  先物の売りについて、一部で買い戻しも期待できそうだ。野村証の須田氏は、海外投資家による先物のショート(売り)ポジションはまだ1兆円程度残っていると推計、「ピーク時より減っているとはいえ、今後の相場にポジティブな材料だ」と語った。

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東証大引け 日経平均、反落 米株安が波及も底堅さ 国内株概況 2024年8月21日 15:19

2024-08-21 17:07:55 | 日記
東証大引け 日経平均、反落 米株安が波及も底堅さ
国内株概況
2024年8月21日 15:19

21日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、終値は前日比111円12銭(0.29%)安の3万7951円80銭だった。前日の米株式市場で半導体関連の下落が目立ったのを受け、アドテストや東エレクなどが利益確定売りに押されて相場を押し下げた。もっとも、外国為替市場での円高・ドル安の進行が一服すると、日経平均も下げ幅を縮小した。

日経平均は朝方に450円ほど下落した後は下げ渋る展開となった。外国為替市場で朝方に1ドル=144円台まで上昇した円相場が145円台に押し戻されたことで日本株への売り圧力が弱まった。株価指数先物に日経平均の底堅さに着目した海外投資家などからの買いが断続的に入り、後場は下げ幅を100円未満まで縮めて3万8000円台に乗せる場面もあった。決算発表シーズンを終え、秋にかけて自社株買いの増加が日本株の下値を支える要因になるという見方もあった。

市場では米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げに踏み切るとの観測が強まっている。米労働省が21日に公表する米雇用統計の年次改定で過去分の雇用者数が下方修正されるとの見方もあり、市場の反応を見極めようとするムードも広がりやすかった。

東証株価指数(TOPIX)は反落した。終値は前日比5.68ポイント(0.21%)安の2664.86だった。JPXプライム150指数は小幅続伸し、0.29ポイント(0.02%)高の1195.09で終えた。

東証プライムの売買代金は概算で3兆4629億円、売買高は13億9045万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1115と、全体の約7割を占めた。値上がりは480、横ばいは51だった。

ファストリ、信越化、ダイキン、レーザーテクが下落した。一方、テルモ、リクルート、セブン&アイ、ニトリHDが上昇した。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

日銀は年内にも利上げ、金利差縮小で135円の円高想定-明治安田生命 2024年8月21日 7:15 JST

2024-08-21 09:45:59 | 日記

日銀は年内にも利上げ、金利差縮小で135円の円高想定-明治安田生命
日高正裕
2024年8月21日 7:15 JST

恒常的に超長期債を買わなければならない時期は終わった-北村氏
外債のポテンシャル高い、中長期投資の選択肢に入れる必要-北村氏


明治安田生命の北村乾一郎運用企画部長は、年内にも日本銀行の追加利上げが行われる可能性があり、内外金利差の縮小により円の対ドル相場は1ドル=135円に向かうとみている。

Meiji Yasuda Life Insurance Co. News Conference On $5 Billion Acquisition Of StanCorp Financial Group Inc.
明治安田生命本社前を自転車で通行する人
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  北村氏は20日のインタビューで、利上げは2024年度内にあと1回、「12月にもあるような気がする」と述べた。また、7月末の利上げ後に急速な円高が進み、「中央銀行が動き出すときに内外金利差による影響があることを改めて認識した」と言う。米国の金利が下がる一方、日銀は緩やかながら利上げの方向にあり、内外金利差の一段の縮小から「円高の見通しに変わりはない」とも語った。

  日本国債に対する投資姿勢は、25年度適用の規制対応で金利リスクを削減するため、「超長期債に前のめりだったことは事実だが、恒常的に買い入れなければならない時期は終わった」と説明。今は「世界の債券投資先の一つ」でしかなく、外債との比較で「是々非々で投資していく」との考えだ。

  日銀が7月末の金融政策決定会合で国債買い入れの減額計画を公表したことにより、日銀の買い入れは今後徐々に減っていく方向にある。日銀に代わる国債の買い手として生命保険会社に対する期待も強いが、生保は外債などとの比較考量を重視する姿勢に転じており、債券相場を押し上げるには力不足の可能性がある。
30年債利回りの推移



  自民党総裁選挙について北村氏は、誰が新しい首相になっても「基本的に日銀の独立性が担保される」と予想。市場への影響力という点では米国の大統領選の方が大きいとし、特にトランプ前大統領が返り咲いた場合、積極財政と強硬な移民政策により景気減速とインフレが共存するスタグフレーションに陥り、ドル安・円高が加速するリスクがあると読む。

  米国の長期と超長期の金利が低下する中で為替の変動もあるため、デリバティブ(金融派生商品)を合わせながら考えれば、「オープン外債を含めた外債のポテンシャルは高い」と指摘。外債投資のヘッジコストはなお高水準だが、トータルなリスクリターンを追求する観点から「中長期投資として選択肢に入れなければならない」と話した。

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日本のFX投資家、円キャリー再開へ慎重始動-メキシコペソ買い増加 2024年8月21日 10:10 JST

2024-08-21 09:45:59 | 日記

日本のFX投資家、円キャリー再開へ慎重始動-メキシコペソ買い増加
酒井大輔
2024年8月21日 10:10 JST

対ペソの円ネットショートは急減前の水準の6割超に回復
レバレッジは低め、リスクをコントロールしながらとトレイダーズ証


日本の外国為替証拠金取引(FX)投資家がメキシコペソやトルコリラの買いに動き出した。急激な円高進行が一服し、金融市場が落ち着きを取り戻しつつある中、円売り・高金利通貨買いの円キャリーポジションの復元を慎重に進め始めた。

MXN Drops as CPI Strengthens View Cycle Is Over
メキシコペソの紙幣
Photographer: Mauricio Palos/Bloomberg

  東京金融取引所のくりっく365のデータによると、メキシコペソに対する円のネットショート(売り越し)ポジションは円が急騰した5日に半減した後、19日には急減前の水準の6割超に回復した。対トルコリラの同ポジションも2割近く減少した後、増加に転じている。

  メキシコペソは5日までの2営業日で円に対して一時10%超下落。トルコリラは最大で6%近く値下がりした。日本銀行の追加利上げや米雇用統計の悪化を受けて市場のボラティリティーが高まり、円キャリー取引を巻き戻す動きが加速した。

  円の急騰が一服する中、FX投資家の円売り・高金利通貨買いの動きは円安の再開を後押しする可能性がある。一方、利上げにかじを切った日本と利下げに向かう米国との金融政策の違いを背景に円の先高観が強まり、ヘッジファンドの円ポジションは2021年以降で初めて強気に転換。シティグループによると、ヘッジファンドは新たなキャリー取引で円でなくドルでの借り入れにシフトしており、円キャリー取引が本格的に復活するかどうかは不透明だ。
ネット円ショートの推移

Source: 東京金融取引所、ブルームバーグ

  メキシコペソは10.75%と高い政策金利に加えて、堅調な米国経済の恩恵を受けやすいファンダメンタルズから金利差収益を狙うFX投資家の人気が高い。石油輸出国機構(OPEC)プラスに名を連ねる資源国でもあり、好景気時に通貨高圧力が強まりやすい資源国通貨の特性も選好される理由だ。

  トルコの政策金利は50%とさらに高く、インフレ抑制のための大幅利上げなど海外投資家の信頼回復に向けた政策対応や、格付け機関によるソブリン格付け引き上げもリラ人気を高めている。東京金融取引所のデータをブルームバーグが集計したところ、ドル・円とメキシコペソ・円、トルコリラ・円が1月から7月までの累計取引量のトップ3を占めた。

  トレイダーズ証券の井口喜雄市場部長は、円急騰によるメキシコペソやトルコリラの急落で個人投資家は戦意喪失したが、「時間の経過とともに傷が癒えてきた」と指摘。もっとも、損切りなど痛手を負った分、円キャリー取引の回復は緩やかで「レバレッジを低めに、リスクをコントロールしながら慎重に戻ってきているという印象だ」と語った。

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