米国株、ダウ続伸し64ドル高 追加経済対策への期待で、ナスダック指数は反落
米国・欧州株概況2021年2月17日 6:30 (2021年2月17日 6:36更新)
【NQNニューヨーク=川内資子】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比64ドル35セント(0.2%)高の3万1522ドル75セントと連日で過去最高値を更新した。追加経済対策の早期成立や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から買いが優勢となった。ただ、長期金利の上昇を受けて高PER(株価収益率)銘柄である主力ハイテク株の一角は売られ、相場の上値は重かった。
トランプ前大統領の弾劾問題が早期に決着し、追加経済対策を巡る調整が進みやすくなるとの期待が広がった。バイオ製薬のノババックスが開発中のコロナワクチンの臨床試験を近く終える見通しと伝わったうえ、米政権が16日に各州に供給するワクチンを増やす方針を示したのも普及加速の期待を誘った。
米債券市場で長期金利の指標となる10年物国債利回りが一時1.30%と昨年2月以来の水準に上昇し、利ざや拡大の見方から金融株が買われた。JPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスはともに2%上げた。ニューヨーク原油先物相場は一時1バレル60ドル台と昨年1月以来の高値を付け、シェブロンなど石油株への買いを誘った。
25日発表の四半期決算への期待から顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが3%超上昇。航空機のボーイングや建機のキャタピラーなど、金融株以外の景気敏感株も買われた。クルーズ船のカーニバルやデルタ航空など旅行関連株が総じて高い。
暗号資産(仮想通貨)ビットコインが16日に初めて5万ドル台に上昇した。決済サービスのペイパル・ホールディングスなど、ビットコイン関連事業を拡大する銘柄も上げた。
一方、長期金利の上昇を受け、割高感からハイテク株の一角が利益確定売りに押された。スマートフォンのアップルは1.6%下落。ソフトウエアのマイクロソフトも安い。長期金利上昇が逆風になりやすい不動産投資信託(REIT)や住宅建設株、電力など公益事業株も総じて売られた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前週末比47.975ポイント(0.3%)安の1万4047.499で終えた。電気自動車のテスラは2%超下げた。