米国株、ダウ反発し27ドル高 ワクチン期待で 金利上昇で景気敏感株に買い
米国・欧州株概況2021年2月13日 6:30 (2021年2月13日 6:49更新)
【NQNニューヨーク=古江敦子】12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小反発し、前日比27ドル70セント(0.1%)高の3万1458ドル40セントと過去最高値を更新して終えた。新型コロナウイルスのワクチン普及や米政府による追加経済対策の成立で、景気回復が早まるとの期待から買いが優勢だった。米長期金利の上昇を受け、金融や素材など景気敏感株が上昇した。
バイデン米大統領は11日、製薬のファイザーおよびバイオ製薬のモデルナとワクチンの追加供給の契約を結んだ。既存の発注分も含め、7月末までに約3億人の米国民に2回の接種ができる在庫を確保する見込みといい、経済活動の正常化への期待が高まった。
経済規模の大きいニューヨーク州では12日から人数を定員の25%までに絞った上で店内飲食が再開された。23日からはスポーツや音楽イベントなども収容人数を制限して再開となる見込みだ。行動規制の緩和が、景気回復を促すとの観測が強まった。
景気回復への期待から米長期金利の指標である10年債利回りが上昇。利ざや拡大の期待からJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が買われた。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスや、化学のダウ、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など景気敏感株の上昇が目立った。
ダウ平均はマイナス圏で推移する時間帯も長かった。新型コロナの感染者数の減少傾向や追加経済対策の成立期待から、ダウ平均は過去最高値圏にある。
「決算シーズンが終盤となったこともあり、新たな材料待ちでいったん利益を確定する売りが出た」(ナショナル・ホールディングスのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比69.700ポイント(0.5%)高の1万4095.474と連日で過去最高値を更新した。インテルやクアルコムなど半導体銘柄の一角が上昇した。