潜水艦事故 商船確認もよけきれず衝突 安全確認の方法など調査
2021年2月9日 5時44分 自衛隊
8日、高知県の沖合で海上自衛隊の潜水艦と民間の商船が衝突した事故で、潜水艦は、衝突直前に商船を確認したもののよけきれずにぶつかったということで、海上自衛隊は、安全確認をどのように行っていたかなど、当時の状況を詳しく調べています。
8日午前11時ごろ、高知県の足摺岬の南東、およそ50キロの沖合で、海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」と民間の商船が衝突しました。
商船の乗組員にけが人はいないとみられる一方、潜水艦の乗組員3人が軽いけがをしました。
潜水艦は、一部が損傷しましたが自力で航行できる状態で、8日午後11時20分ごろ、高知港に入港しました。
防衛省関係者によりますと、潜水艦は当時、浮上に向けた作業中で、潜望鏡を海面の上に出していて、衝突直前に商船が近くにいることを確認したものの、よけきれずにぶつかったということです。
海上自衛隊は8日、事故調査委員会を設置し、安全確認をどのように行っていたかなど、当時の状況を詳しく調べています。
一方、海上保安庁も潜水艦と商船、それぞれの損傷の程度や当時の状況について、調査することにしています。
海上保安庁 潜水艦の画像 公開
第5管区海上保安本部は、民間の商船と衝突した海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」を上空から撮影した画像を公開しました。
画像は、8日午後5時前に海上保安本部の航空機が、高知県の足摺岬から南東におよそ15キロの沖合で撮影したものです。画像からは、「そうりゅう」の船体の一部が損傷しているのが分かるほか、左右に伸びた部分が折れ曲がっている様子も分かります。
海上保安本部は、9日、高知港の沖合で船体の調査や乗組員への聞き取りなどを行うことにしています。
巡視船出港 調査へ
高知市の高知港では、9日午前5時ごろ、民間の商船と衝突した海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」の損傷の状態などを調べるため高知海上保安部の巡視船「とさ」が出港しました。
「とさ」は、高知港の沖合に停泊している「そうりゅう」に近付き、損傷した船体の状況を調べることにしています。