つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

霜枯れ前に

2012-10-20 16:12:44 | ジャズ

 「今朝の東京はいい匂いがする」と歌ったのは尾崎喜八である。十月になると何度かは、そう思う日がある。
  金木犀の香りのせいかも知れない。
  いま、当地ではリンドウの花が咲いている。心に突き刺さるような、青みがかった濃い紫の色。。

  夏目漱石が『虞美人草』の中で、女性の紫の着物の色についても書いている。
  野口武彦のリンドウ賛歌には「枯野に滴る紫の鐘状花冠のしずくは、まさしくこれ秋の唯一の色どりではないか」という一節がある。

  リンドウの色の濃さ、鋭さには、人の心を騒がせるものがある。
  秋が深まるにつれてなぜか紫の花が目だってくる。アキチョウジはやわらかな、淡い青紫色だし、ヨメナのひかえめな色もいい。

  尾崎喜八の「東京の秋」の詩は続く。
  ”黄金と青との秋/坂道のむこうに/日にかがやいた山襞のなつかしい秋/この都会にも秩父の風が来て住む秋だ/限りなく人間らしい
   もの、父らしいもの/犯しがたく、また恩愛にみちたものが/今日、私を呼んでいる、鼓舞している ”。。。


  今日聴いたジャズ・・・

  J・R・MONTEROSE&TOMMY FLANAGAN・・・「A LITTLE PLEASURE」

  本作は ”THE MESSAGE ”やブルーノート盤 「J・R・MONTEROSE」などが人気のサックス奏者、J・R・モンテローズと
  名脇役、トミー・フラナガンとのデュオアルバム。

  エヴァンス、コルトレーンなどの名曲にモンテローズのオリジナル2曲、全8曲で構成されている。
  ジャケットの美しさのように、内容の素晴らしさについても語るまでもない。


1・NEVER LET ME GO・・2・PAIN AND SUFFERING・・・AND A LITTLE PLEASURE・・3・CON ALMA・・4CENTRAL PARK WEST・・
5・VINNIE’S PAD・・6・THEME FOR ERNIE・・7・A NIGHTINGALE SANG IN BERKELEY SQUARE・・8・TWELVE TONE TUNE・・


  モンテローズが美しいソプラノサックスを吹いている、2、4、7も聴きどころ。

  ピアノとサックスのデュオ盤の中でも、本作は格別に素晴らしい内容になっている。


 J・R・MONTEROSE(ts ss)
 TOMMY FLANAGAN(p)


   1981年4月6&7日、ニューヨークにて録音・・・

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