「今朝の東京はいい匂いがする」と歌ったのは尾崎喜八である。十月になると何度かは、そう思う日がある。
金木犀の香りのせいかも知れない。
いま、当地ではリンドウの花が咲いている。心に突き刺さるような、青みがかった濃い紫の色。。
夏目漱石が『虞美人草』の中で、女性の紫の着物の色についても書いている。
野口武彦のリンドウ賛歌には「枯野に滴る紫の鐘状花冠のしずくは、まさしくこれ秋の唯一の色どりではないか」という一節がある。
リンドウの色の濃さ、鋭さには、人の心を騒がせるものがある。
秋が深まるにつれてなぜか紫の花が目だってくる。アキチョウジはやわらかな、淡い青紫色だし、ヨメナのひかえめな色もいい。
尾崎喜八の「東京の秋」の詩は続く。
”黄金と青との秋/坂道のむこうに/日にかがやいた山襞のなつかしい秋/この都会にも秩父の風が来て住む秋だ/限りなく人間らしい
もの、父らしいもの/犯しがたく、また恩愛にみちたものが/今日、私を呼んでいる、鼓舞している ”。。。
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今日聴いたジャズ・・・
J・R・MONTEROSE&TOMMY FLANAGAN・・・「A LITTLE PLEASURE」
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本作は ”THE MESSAGE ”やブルーノート盤 「J・R・MONTEROSE」などが人気のサックス奏者、J・R・モンテローズと
名脇役、トミー・フラナガンとのデュオアルバム。
エヴァンス、コルトレーンなどの名曲にモンテローズのオリジナル2曲、全8曲で構成されている。
ジャケットの美しさのように、内容の素晴らしさについても語るまでもない。
1・NEVER LET ME GO・・2・PAIN AND SUFFERING・・・AND A LITTLE PLEASURE・・3・CON ALMA・・4CENTRAL PARK WEST・・
5・VINNIE’S PAD・・6・THEME FOR ERNIE・・7・A NIGHTINGALE SANG IN BERKELEY SQUARE・・8・TWELVE TONE TUNE・・
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モンテローズが美しいソプラノサックスを吹いている、2、4、7も聴きどころ。
ピアノとサックスのデュオ盤の中でも、本作は格別に素晴らしい内容になっている。
J・R・MONTEROSE(ts ss)
TOMMY FLANAGAN(p)
1981年4月6&7日、ニューヨークにて録音・・・
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