ひうひうと 風は空行く 冬牡丹 (鬼貫)
凩(こがらし)が口笛を吹きながら大空を飛んでゆく。藁(わら)で編んだ薦(こも)の
陰では、季(とき)ならぬ牡丹の花があえかな花びらを風に震わせている。
「風は空行く」がいいなあ。鬼貫(おにつら)は芭蕉とほぼ同じ時代の人。伊丹の造酒屋上島家の
三男坊に生まれ、学問に励み、後に西国諸藩の藩政改革に腕を振るった。
俳諧一筋に進んだ芭蕉とは異なり、実家にも秀でていた。そうした経歴からも、またその俳句からも
落ち着いた印象を与える人である。
友とすれば心強く、敵とすればまた敵として付き合っていける人ではなかったか。
その鬼貫、一世一代の名セリフを残している。「誠のほかに俳諧なし」。
真心のこもる句に勝る句はない。空虚に言葉を飾るなかれ。
俳句への時代を超える戒めである。
この句にしても、互いに何の飾るところもない凩と冬牡丹があるばかり。それなのに凩はいかにも
凩らしく冬牡丹は冬牡丹らしい。鬼貫の人柄のしのばれる句である・・・
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今日聴いたジャズ・・・
ARCHIE SHEPP & MAL WALDRON・・・「LEFT ALONE REVISITED」
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本作は、1926年8月16日、ニューヨーク生まれ(2002年12月2日 76歳で死去)
ジャズ・ピアニストで作曲家、ハード・バップ、ソウル・ジャズの奏者として知られる、マル・ウォルドロンと
1937年5月24日、フロリダ州フォート・ローダーディル生まれ、フィラデルフィア育ち、サックス奏者、
アーチー・シェップとのデュオアルバム。
アルバムタイトル:追憶~レフト・アローン
ビリー・ホリデイの愛唱曲を集めるという企画の作品で、ふたりのビリーへの思いが強く伝わってくる内容
になっている。レコーディングの上ではこれが二人の初共演盤。
マル・ウォルドロンが最良のパートナー、アーチー・シェップと巡り合い再び彼女の魂と向き合い完成された
作品といってもいいと思う。
アーチー・シェップのサックスは、力強く、泥臭いプレイが魅力でコルトレーンの影響下にあるアーティスト。
個性的な音色なので、好き嫌いが分かれるかも知れない。「52番街のブルース」ではヴォーカルも披露している。
1・LEFT ALONE(朗読)・・・2・LEFT ALONE・・・3・NICE WORK IF YOU CAN GET IT・・・
4・EVERYTHING HAPPENS TO ME・・・5・EASY LIVING・・・6・WHEN YOUR LOVERS HAS GONE・・・
7・瞳は君ゆえに・・・8・52番街のブルース・・・9・I LOVE YOU、PORGY・・・10・LADY SINGS THE BLUES・・・
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MAL WALDRON(p)
ARCHIE SHEPP(ts ss vo)
2002年2月7、8日 パリにて録音・・・
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