つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

寒牡丹

2013-02-26 00:37:03 | ジャズ

 
 ひうひうと 風は空行く 冬牡丹 (鬼貫)

 凩(こがらし)が口笛を吹きながら大空を飛んでゆく。藁(わら)で編んだ薦(こも)の
 陰では、季(とき)ならぬ牡丹の花があえかな花びらを風に震わせている。

 「風は空行く」がいいなあ。鬼貫(おにつら)は芭蕉とほぼ同じ時代の人。伊丹の造酒屋上島家の
 三男坊に生まれ、学問に励み、後に西国諸藩の藩政改革に腕を振るった。

 俳諧一筋に進んだ芭蕉とは異なり、実家にも秀でていた。そうした経歴からも、またその俳句からも
 落ち着いた印象を与える人である。

 友とすれば心強く、敵とすればまた敵として付き合っていける人ではなかったか。

 その鬼貫、一世一代の名セリフを残している。「誠のほかに俳諧なし」。
 真心のこもる句に勝る句はない。空虚に言葉を飾るなかれ。
 俳句への時代を超える戒めである。

 この句にしても、互いに何の飾るところもない凩と冬牡丹があるばかり。それなのに凩はいかにも
 凩らしく冬牡丹は冬牡丹らしい。鬼貫の人柄のしのばれる句である・・・



  今日聴いたジャズ・・・


  ARCHIE SHEPP & MAL WALDRON・・・「LEFT ALONE REVISITED」


  本作は、1926年8月16日、ニューヨーク生まれ(2002年12月2日 76歳で死去)
  ジャズ・ピアニストで作曲家、ハード・バップ、ソウル・ジャズの奏者として知られる、マル・ウォルドロンと
  1937年5月24日、フロリダ州フォート・ローダーディル生まれ、フィラデルフィア育ち、サックス奏者、
  アーチー・シェップとのデュオアルバム。

  アルバムタイトル:追憶~レフト・アローン

  ビリー・ホリデイの愛唱曲を集めるという企画の作品で、ふたりのビリーへの思いが強く伝わってくる内容
  になっている。レコーディングの上ではこれが二人の初共演盤。

  マル・ウォルドロンが最良のパートナー、アーチー・シェップと巡り合い再び彼女の魂と向き合い完成された
  作品といってもいいと思う。

  アーチー・シェップのサックスは、力強く、泥臭いプレイが魅力でコルトレーンの影響下にあるアーティスト。
  個性的な音色なので、好き嫌いが分かれるかも知れない。「52番街のブルース」ではヴォーカルも披露している。


1・LEFT ALONE(朗読)・・・2・LEFT ALONE・・・3・NICE WORK IF YOU CAN GET IT・・・
4・EVERYTHING HAPPENS TO ME・・・5・EASY LIVING・・・6・WHEN YOUR LOVERS HAS GONE・・・
7・瞳は君ゆえに・・・8・52番街のブルース・・・9・I LOVE YOU、PORGY・・・10・LADY SINGS THE BLUES・・・



  MAL WALDRON(p)
  ARCHIE SHEPP(ts ss vo)


  2002年2月7、8日 パリにて録音・・・

  

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