HAKATA PARIS NEWYORK

いまのファッションを斬りまくる辛口コラム

コンペ募集はアリバイづくりに思えてならない。

2013-06-19 19:25:00 | Weblog
 前回のコラムで、7月1日に開催される「福岡アジアファッションフォーラム」について言及した。おざなりのプログラムで、しかもYA・RA・SEとも思える集客方法も変わっていない。どれをみても、公金からおりた予算を使うためだけのイベントに思えてしまったからだ。

 そこでも書いたが、この春に開催された「福岡ファッションウィーク」の共同販促のキャンペーンとしての「実効性」である。驚いたことに、その検証も報告もなされていない時点で、来春の同キャンペーンについて、今度は「企画コンペ」形式で募集するというのである。
 この春のキャンペーンはコンペなど一切なく、業者に丸投げされ、そのままスタートしたにも関わらずにだ。全く、不可解というしかない。

 しかも、キャンペーンは今年と同じ来春に実施されるのだが、この7月にオリエンテーション、応募申し込み、一次書類審査が行われ、8月上旬にプレゼンテーション、下旬に業者決定というタイトなスケジュールになっている。
 理由はあくまで想像の域を出ないが、この秋から時間をかけてじっくり準備するなら、早めに業者を選定し、前倒しで作業のかかった方が良い。しかし、募集する企画項目はこの春と一緒である。あれだけ、物議を醸し、市顧問後山氏の不正疑惑に白黒がはっきりしていない「カワイイ区」も、企画に加えることになっている。
 
 イベントの仕込みやガイドブック、サイト、ポスターなどの制作には、それほど時間はかからないだろう。重要なことは地場ファッション業界、末端の小売専門店までどれほど賛同させる企画レベルまで持っていけるかである。
 推進会議側は、一般客を集客することばかりに頭がいっているが、商品が売れなければこんなキャンペーンをやっても、税金の無駄遣いである。
 そのためには大小さまざまな店舗に足を運んで呼びかけ、キャンペーンの狙いの浸透させることが重要になる。販促ツールのクリエイティブレベル、 ツールからは決して見えない地道な活動が求められる。それが真のプロモーションキャンペーンの準備作業なのである。
 それを地元ファッション業界を熟知せずして、できるかというと、答えはNoだ。

 この春のキャンペーンがほとんど実効性を欠いているのではとの話は、地元業界、ファッション専門店の多くから聞いた。中でも、とある専門店の代表は「代理店にいいようされている。何の効果も無い」と、吐き捨てた。
 ならば、福岡アジアファッション拠点推進会議の内部で、このキャンペーンを企画に携わった人間がまず、結果と実効性をきちんと検証し、それを情報公開してから、反省するのが先ではないだろうか。

 ガイドブックには地元流通大手はもとより、専門店各社も有料の広告枠を購入している。さらに、期間中に展開された各種イベントには、福岡県や福岡市からは多額の助成金がおりている。つまり、企業の経費や税金を使っていながら、投資対効果がはっきり報告されないでは、許されない。
 地元専門店各社が言うように「効果がなかった」と認めるなら、まず担当者が詰め腹を切るべきである。それが公職ある人間の責任のとり方というものだ。

 ところが、それを行わずして次回のキャンペーン企画を募集するというのは、全く持って本末転倒である。しかも、企画項目や活動内容が同じであることを考えると、今回のコンペは出来レースのアリバイ作りかとも思えてならない。

 もしそうだとすれば、行政と推進会議が発注、選考に携わって来た「FACoと関連の事業」、2793万円もの公金を投下しながら全く機能してない「福岡ファッションビジネス情報発信システム」構築事業、その他諸々の関連事業と同じように、今度はR社とその子会社に事業が流れることが決まっているかもしれない。

 今回も福岡県や福岡市からの巨額な税金が使われることになるのだから、くれぐれも疑われないような公正な選考、発注を望むばかりだ。また、実効性のある事業を実施していただきたいものである。
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