富山きのこクラブ

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フユヤマタケ

2010年12月17日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様

今回はシロフクロタケに続きフユヤマタケ?です。
NO1,フユヤマタケの大型のもの。(シモフリヌメリガサの小型)0001

No2,普通の大きさ(左)と大きいタイプ(右側)0002

No3,普通のもの(No2に登場)と、右側4個は色が赤みがかったものです。0003
いずれも黒松の下に発生、(場所は異なります)。ヌメリ、ヒダの特徴は同じです。
NO3の赤みがかったものは、柄の長さがやや短い点を除くと、北陸のきのこ図鑑 P6 シモフリヌメリガサの老成した物の特徴に似ています。

いかがでしょうか。

_/_/_/_/_/ 野澤 _/_/_/_/_/

野澤様
富山きのこクラブの皆様へ

植物園の橋屋です。
シモフリヌメリガサとフユヤマタケのことについて書かせていただきます。

最初はこの2つを表す学名の話です。
フユヤマタケは、初め本郷先生によって1954年に新種記載された種で、その後本郷先生は1958年にこのきのこをシモフリヌメリガサの品種とす るのが良いと組換え論文を書かれています。
このため、「種」というレベルではシモフリヌメリガサがあり、この中にあって傘の径が3cm未満のグループをフユヤマタケと呼ぶ訳です。ですから、3cm以上のグループがある場合、狭義のシメフリヌメリガサとして、Hygrophorus hypothejus (Fr.) Fr. f. hypothejusのように品種をあらわす「f.」の後に種形容語を重ねて表します(これを自動名と言います)。
もしHygrophorus hypothejus (Fr.) Fr.しか書かなければ、傘のサイズは大きかろうと小さかろうと全てを含むシモフリヌメリガサを表します。

次に実際の屋外でこの2つの分類群がどう分布しているかです。
皆さんはこれらのきのこを採られた時にどんな感じがしますでしょうか?もしもだいたい3cmを基準にして、小さいものや大きなものが別々に見られるでしょうか?それとも大きなきのこも小さなきのこも混ざって発生して いると思われるでしょうか?

私の感想は、まだよくわからないというのが本当のところです。
もしこれらのきのこがたくさん見られた場合、全てのきのこを採集し、1本づつ、傘の径や柄の長さ、太さを計測してデータを集め、他の場所に見られ るものと比較する必要があります。また同じ場所で何度も採集して、その計測データにまとまりがあるか、ということも調べる必要があります。雨の多い時に採れた個体と、雨の少ない時に採れた個体では、当然サイズに違いがあるだろうと思えるからです。
このように分類には、気が遠くなる程のデータを重ねる必要があります。

_/_/_/_/_/_/  富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/