朝食をとりながら…「これはイロガワリキヒダタケ!」私が初夏眠を貪っている間に、同室の中村さんが採取してきたものだ。
北陸3県きのこ会交流合宿の2日目は良い天気。9時にきのこの森に集合した後、「きのこものしり館」の見学からスタートした。この施設は福井きのこ会の笠原会長が本郷先生に請うて監修して頂き、平成2年に完成したもので、日本では珍しいきのこの資料館である。
きのこものしり館の石橋館長から施設の概要を説明していただいた。約120種類のきのこのレプリカが林のジオラマや展示棚に所狭しと並んでいる。以前、千葉県立中央博物館でもレプリカを見たことがあるが、桁が一桁違うようだ。美味しそうなウラベニホテイシメジが林立しており、反射的に手が出る!
ものしり館見学後、きのこの森の中の「きのこロード」(全長2.6kmの散策コース…とは言うものの相当な高低差がある)で採取を行った。昨夜の疲れが残っているのか…足が重い。テングタケがかわいらしい姿を見せている。別動隊は池田先生・小寺さんが持参された顕微鏡で観察講座だ。11:00に集合し、同定会が始まった。
小寺さんが持参された「簡易ミクロトーム」を使って細切片の切り出しを実演していただいた。余りにも簡単に切り出されるには驚いた。私も試しにやってみたが…切り出したピスの細片がフワフワと羽のように宙を舞ったのだ(ホントだよ!)。コツは「刃はサンプルに対して45度の角度で、引き切る」のだそうだ。残る問題は、切り出したサンプルを如何にスライドガラス上に取り込むかとなった。
楽しい集いもお別れの時となった。橋屋さんから、今年、富山で開催される菌学会のフォーレの案内ときのこ会への協力の依頼があった。続いて(浅井さんの密命を帯びた?)小寺さんから「簡易ミクロトームのご案内」があった。50個毎に注文が溜まったら、材料の仕入れと製作を開始する由、納期も価格もはっきりしない所が菌界らしくて…良い。
最後に、今回お世話していただいた福井きのこ会からご挨拶があり、来年は7月12-13日に石川きのこ会の主催で行われるとの報告があった。笠原会長、福井きのこ会の皆様、ホントにお世話になりました。来年も皆さんにお会いすることを楽しみにしております。
最後に小寺さんからのメッセージをメモしておこう。
「簡易ミクロトームは、顕微鏡を調達したアマチュアが、細切片の切り出しがうまく行かずに留まっている状況(私のことか?)を憂慮した浅井さんが小寺氏・松村氏と共に開発した道具である。幾つかの改良を経て、完成形に近づいてきた。細切片の切り出しは、きのこを観察するための手段であって、目的ではない。切り出しに多大な時間を費やすことは、全く無駄なことなのである。簡易ミクロトームは、どんな素人でも、1時間も練習すれば細切片の切り出しが出来るようになる。是非、この道具を有効に利用してもらいたい。アマチュアのレベルアップに腐心されている浅井さんには心から敬意を表す」(そういう小寺さんも只者ではないですが…)
すでに50台の注文を受けて、製作に入っているそうで、次はいつ製作に入るのか?全く判らない状況だそうだ。試用した実感では、不器用な私でも…うまく行くような気が…する。
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