富山きのこクラブ

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5月度きのこ定点観察会

2009年05月02日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様

植物園の橋屋です。
本日、中央植物園で行われたきのこ定点観察会において「ハルシメジの仲間」が採集されました。
場所は、園内の「サクラ・ウメのエリア」にあるニホンナシとジュウガツザクラの樹下で、この仲間の性質上、このきのこはバラ科の樹木と菌根を作っているものと推察されます。
昨日はきのこ部会の黒川さんが氷見市のウメの樹下でウメノハルシメジ(仮称)を採集されましたし、今日は辻先生も自宅で発生したウメノハルシメジ(仮称)を持って来られましたので、植物園で取れた個体といっしょに、柄にグアヤクチンキをつけて反応を調べてみました。
この結果、氷見市と富山市で採れたウメノハルシメジは鮮やかな青色に変色しましたが、植物園のものはまったく変色しないか、長い時間で縁の部分が心持ち青くなりました。これは空気中の酸素によって酸化したものと思われるので、植物園で採れたきのこはグアヤクチンキの反応は陰性と言ってよいでしょう。
植物園で見つかったきのこは、菌根を作る相手がウメではなく、グアヤクチンキ反応も陰性であることから、ウメノハルシメジ(仮称)とは違った種類であると思われます。では何と言う種類なのか、今後も継続して調べてゆきたいと思います。それまでは「Entoloma sp.(ハルシメジの仲間)」ということにしたいと思います。

_/_/_/_/_/  富山県中央植物園    橋屋 誠 _/_/_/_/_/

今日の観察会には9人の参加者がありました。気温は27℃…カラカラの天気が続いており、きのこの姿はほとんど見えませんでした。

ニホンナシの樹下で…野澤さんいきなり発見。
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既に干乾び状態。
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グワヤクチンキでチェック。
Dscn1191 左から、辻さん宅で採取されたハルシメジ(下の写真参照)、黒川さん採取のハルシメジ、植物園で採取されたハルシメジ。

解散後、辻さん宅へお邪魔して梅の樹下に発生しているハルシメジを見せていただきました。
Dscn1194

今日、橋屋さんから配布された資料は、白山さんのHPに掲載されている「ハルシメジとグワヤクチンキ」です。皆さん、是非、お立ち寄りください。ちなみにハルシメジに関する研究は、その後進展していない様子です。

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