富山きのこクラブ

富山のきのこ情報・きのこ料理の情報が集まります。

ベニヤマタケ

2007年06月03日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様
昨年に続き人形山の山開きに行って来ました。(6月第一日曜日)
登り3時間15分(昨年2時間55分)体力落ちているのか?

頂上では”加賀白山”が見事な姿を見せてくれパノラマ展望台でのビールはまさしく極旨でした。
天気予報では、午前中晴れ、午後は雲が出て来るとの事でしたがピッタリ12時を過ぎたところでガスが出て来て周りは何も見えない状態になりました。
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標高950m付近にて橙色でぬめりが無い鮮やかなキノコが所々に有りました。
持参のハンディタイプのきのこ図鑑には見当たらず、帰って調べるにベニヤマタケであろうと思う。
_/_/_/_/_/ 四ツ木 _/_/_/_/_/

四ツ木様、富山きのこクラブの皆様へ
植物園の橋屋です。
いやあ、面白いきのこですね。
春の季節、ベニヤマタケと思われるきのこには何度か逢ってはいますが、同定に自信がなくて富山県のリストには上げていません(標本もありません)。ぜひ標本をいただければと思います。
この写真を見ながら、原色日本新菌類図鑑Ⅰに載っているアカヤマタケ科の検索表を見てみました。
節(属の下の分類群)は、外形や色からベニヤマタケ節になります。
その次にベニヤマタケ節の検索表では、傘に細かな鱗片がないことからザラツキキヤマタケ亜節ではなく、ベニヤマタケ亜節であることがわかります。
さらにベニヤマタケ亜節の検索表では、途中まで行けるものの、胞子の幅と長さがキーになるため最終的な種名まで到達しません。
  もし四ツ木様の予定が合えばですが、今度17日と24日に植物園で行われますきのこの顕微鏡講座にこのきのこを持って来ていただき、自分の目でサイズを測って種名をきめられませんか?
講座は午後1時から、植物園2階実習室で行います。
_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/


キツネタケモドキ<br />[Laccaria ohiensis (Mont.) Sing.]

2007年06月03日 | きのこ

伊藤さんへ
植物園の橋屋です。
立山寺で撮られたキツネタケ(モドキ)ですが、傘のサイズはどのくらいでしたでしょうか?
「北陸のきのこ図鑑」にはキツネタケは傘の径が1~3cm、オオキツネタケは 2.5~7cmとなっていました。
肉眼的にこの2種を比べるのは、根元付近の菌糸(柄の下部には菌糸が見られることが多い)が、白色ならキツネタケ、薄紫色ならオオキツネタケですが、この薄紫色は雨などによって簡単に消失するので注意が必要です。
最終的には落下胞子を顕微鏡で見ると、キツネタケは表面の針が一面にあるのに対し、オオキツネタケでは少しまばらに見られます。またキツネタケモドキは担子器の多くが2胞子性で角が2本しかないため、4本あるキツネタケなどと区別できます。
ぜひ観察してみてください。
_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/

Dscn1654_1070601_傘の径は10~17mm、中央やや窪み、褐色。湿時条線を現す。根元の菌糸は白。
胞子紋は白。

070603_1_oil_100070603_2_oil_100胞子は球形で殆どが大きな油滴を1個含む、直径約8μmで表面に棘状突起が均一に分布している。担子器は2胞子性…3胞子性も見受けられる。

070603_3_oil_100_n070603_4_oil_100_n070603_5_oil_100_n070603_6_oil_100_n070603_7_oil_100_n070603_8_oil_100_ph3070603_10_oil_100_n070603_11_oil_100_n070603_12 070603_9_oil_100_ph3担子器に3本の担子柄が見える、位相差像。
顕微鏡:OLYMPUS BX51 油浸×100 PH3
デジカメ:NICON COOLPIX 995