This photo of Evergreen Hotel is courtesy of TripAdvisor
私の勤務先は、家具・サービス付きアパートメントで、「サービス」とは部屋の掃除、タオルやベッドリネンの交換、ゴミ回収など、そして簡単な朝食もついています。
ちょっとホテルのようでもありますが、1ヶ月単位の賃貸マンションなのです。しかし、そんな物件は一般的ではないので入居する人は「長期滞在ホテル」くらいの感じで捉えていることが多いと思います。
外国人が8割くらいなので、例えばイギリスなんかだとフラットは家具付きがメインだし週単位の家賃計算も多いので、月単位のフラット、と考えてもらえなくもないですが、部屋の掃除などが入るとやはりホテルっぽいかも。
そしてヨーロッパの安めのホテルっぽい雰囲気をさらに高めるのが無料の朝食です。
欧州はどうか知りませんが、日本では調理された食事を提供するにはライセンスが必要で、それはうちにはありません。よってパン、バター、ジャム、チーズ、シリアル、コーヒー、紅茶、ジュース類、ミルクといった品揃えになります。
それを、私を含むフロント係がやってるんです。発注、提供、保存、食器洗浄などけっこうやることは多く、パンとミルクはスーパーで購入しているんです。
パンはふつうの白い食パンと全粒粉の食パンの2種で、おしゃれなクロワッサンとかはないし(私がミラノで泊まった安ホテルのクロワッサンは長期保存のでクソまずかったけど!)、シリアルも今時のフルグラじゃなくてコーンフレークとそれにチョコや砂糖がかけてある1番ベーシックなやつです。取り柄は本物のバター。
とはいえ、はっきり言って大したことないじゃないですか。
なのにこれが、ここ2、3ヶ月朝食の量が増えているんです?!うちはワンルームか1ベッドルームの単身者〜カップル向けの物件なのに、今はなぜか小さい子連れの家族が何組かいて、子供ふたりだとすると1人パンを2枚食べたら一家でパン1斤の消費。
特筆すべきは5人の子連れのアメリカ人夫婦で、はっきり言ってこれはもう規約違反ですが、常連客のため営業が入れてしまって、来日のたびに子供が1人ずつ増えてる印象www
もう1組、インド人の親子3人に旦那さんのお母さんが加わって4人となり、この人達はやたらと食器を使うのです。インド料理って小さい鉢がズラ〜〜〜っと並ぶ図がありますよね?あんな感じで朝食テーブルの上でピクニックをしている印象なんです。
そうするとスーパーへの買出しも大量になるし業者への発注量も増える。そして朝のシフトは8〜9時がひとりになるのに、コーヒー作って出したり牛乳の補充、使った食器を下げて洗ったりと仕事はたくさん!
しかもこれから出勤の人がクリーニングをフロントに持ってきたり、そこにチェックアウトのゲストが来てお支払いがあったりしたらもう猫の手何本あっても無理です。
私からして見れば家賃の高いアパートメントに住んでるんだから、朝食も高級パン屋さんのクロワッサンや、健康的なミューズリーやスムージーを食べればいいのに。こんな食パンとコーンフレークの朝食に毎日来なくてもいいのに。入居してすぐにお客様フィードバックシステムを通して「朝食がお粗末すぎる。ハムも置け。」と意見してきたドイツ人もいたのですが、それなら自分で食材を購入して自室で食べればいいと思うんですが、彼はちゃんと毎朝食べに来て大量にチーズを消費して行きました。
パリの安いホテル(2つ星)でも朝食はバゲットかクロワッサンとコーヒーか紅茶でしたけど、あれは美味しかったなあ。そんな思い出があるので実はとってもベーシックな朝食しかないうちの物件だけれど、私はキライじゃないのです。
そして、日本の大企業の接客トレーニングに比べてかなりユルいトレーニングしかないので、画一的なサービスじゃないところもヨーロッパの安ホテルっぽくて実は気に入ってます。