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Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

初「ハムレット」感想

2014-10-06 17:16:00 | その他の映画・ドラマ・舞台

Photograph: Rick Pushinsky/Photoshot/Getty Images

NTliveの「ハムレット」を見ました。シェイクスピアの原作本を読んでる途中なので、後半~結末を知らずに見たので、この舞台というよりも、ストーリーそのものに反応してしまいました。

まず、話の発端、ハムレットの父である前王が死に、母である王妃が父の弟であるハムレットの叔父と喪も明けない1か月後に結婚したこと。うん、やっぱりこれにはハムレットじゃなくても、国民だって不愉快でしょうね。亡き夫の弟と結婚というのはまだしも時期が。なぜ世間に詳しく画策が得意の宰相ポローニアスが「せめて1年後に」とか助言しなかったのか不思議です。

そして、これは国の法律によるのでしょうが、普通は王が死んだら、息子であるハムレットが第1位の王位継承権を持っているのじゃないのかな。なぜ弟が元王妃と結婚しかたらと言って王位を継いだのかしらん。全王の弟と、元王妃の配偶者という二重の意味で前王に近いと継承権が上がるのかしらん。

ハムレットは父の亡霊から話を聞き、叔父が父を殺害して王になり王妃を寝取ったことを知る。そしたら、憎しみはまず、叔父に向けられるはずじゃないでしょうか。母がすぐ再婚したことは確かに父への愛はどうしたんだと責めたくもなりますけれども、夫を亡くして寂しさのあまりDNAが同じ弟にすがったと考えられなくもない。つまり、1番悪いのは父を殺した叔父のはずです。

でもハムレットの怒りはまず母に向けられたように見えました。力も弱く、息子である自分を愛してるとわかっている人を散々責めた。叔父と一緒に寝るなとまで言って、大人の女性である母の立場ないじゃないですか。弱き者をせっせと駄々こねるように責める間に、さっさと国王殺人者の叔父を告発するとか何とかすればいいのに!そして王位を奪って投獄すれば母もそれに見合った苦しみを負わされるのに。

それで自分が母親不信になったからって、女性を一般化して、今まで愛の言葉を送り続けて来た恋人オフィーリアに急に冷たい仕打ちをするなんてひどい男です。このハムレットとオフィーリアの関係の変化は、オフィーリアの父ポローニアスによる助言のせいでオフィーリアがハムレットを無視したせいもありますが、ポローニアスは権力志向で小猾いお調子者なのに、なぜ娘をハムレットと結婚させようとは思わないで、遠ざけたのか。

いい迷惑なのは初心な若い娘のオフィーリア、ハムレットひどい!なぜオフィーリアと直接話さなかったのか。なぜ女はみな母みたいなもんだと決めつけたのかわかりません。母と父と叔父の三角関係のショックのせいだとしたら、オフィーリアこそ被害者です。ハムレット、自分勝手にもほどがある。


dokuro


ハムレットは悩めるヒーローなので、この話のテーマそのものなのでしょうが、私は実を言うと主人公にちっとも感情移入できず、母王妃とオフィーリアが可哀想だという印象が残りました。

たぶん、ハムレットを見るにあたっての「お決まり」を私がちっとも知らないので、評価の高いこの舞台のよさがわからないのでしょうね。好評なので、本当はこんな水を注す感想は書くつもりがなかったのですが、「ひとつのお芝居を知識なしに見るとこう思う人もいる」くらいのサンプルとして文を残しておくのもおもしろいかも、と思い直して書きました。

それとですね、「ハムレット」と言えば来年夏のバービカン。ベネディクトがどんなハムレットになるのか、そして、製作Sonia Friedman Productionは、賞をたくさんとっているだけでなく去年Mojo(ルパート・グリント、ベン・ウィショー)のようなエッジーな舞台も手掛けているし、監督のLyndsey Turner は今年話題の映画The Riot Clubのもとになった舞台「POSH」の監督もしているので、私はMojoもPOSHも見てないけど写真が好みなのでとっても期待しているのです。

「女性の扱われ方が不当」と思った初ハムレットへの私の不満を女性クリエイター達がベネディクトを使ってどんな作り方をしてくれるのかが、とっても楽しみにしているので、この初心を忘れずに書きました。





ちょっとしたこと

オフィーリア役が、クリミナル・ジャスティスでメラニー(ウィショー君と1夜の関係を持つ女の子、きゃ♡)を演じたRuth Neggaだったこと、あの役よりもオフィーリアの方が可愛かったことで私はオフィーリアにやけに味方しちゃうのかな~

ローゼンクランツとギルデンスターンは宰相ポローニアスの犬になってしまうチャラい友人達だったけど、眼鏡かけてた方の人、ちょっとかっこよかったんですが♡

衣装に不満が残る。冒頭のハムレットの喪服とローゼンクランツとギルデンスターンの細身のスーツはかっこ良かったし、ニコちゃんヴィランTシャツもシャーロックみたいだけど良かった。でもあとはなあ~。「リア王」は男達の軍服も女達のドレスも現代的でシンプルだけどステキだったのに今回はな~。きっと私の好みでないだけですね。ええ、私の好みである必要はどこにもないんです。



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5 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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しましまさん (hedgehog)
2014-10-06 21:46:51
ローリー・キニアの「ハムレット」、あんまりお好みじゃなかったみたいで残念でした。私はとても気に入りましたけど、でも、戯曲「ハムレット」自体はしましまさんのご指摘の通り、穴だらけというか矛盾だらけだと思います。それだけに、歴代の演出家や俳優がいかにこの役柄を解釈し表現するかが「ハムレット」を観るおもしろさでもあるのですが――ちなみに、デイヴィッド・テナントのハムレットは、ローリー・キニアのとは大違いですよ。お楽しみに!
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hedgehogさん (sofiaandfreya)
2014-10-06 22:29:29
本当にわざわざこんな感想を書いてすみませんです。
私も本を最後まで読んでテナントさんの見たら、また見方も変わるんじゃないかと思うのですけど、それじゃ最初の感想を忘れてしまうので
自分の恥ずかしい無知な記録としておもしろいから残しておこうって。。。

そうそう、「え~~?!」と思ったせいで解釈に俄然興味がわきました!
なにしろ戯曲はシンプルな大筋しか書かれてないので、
叔父と母の関係はいつから、とか
オフィーリアへの心変わりの真相とか、
本当の事情を色々教えてくれる人がいるとありがたいと期待してます。
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紅薔薇さん (sofiaandfreya)
2014-10-07 20:25:22
子供の頃からですか!
それなら大人の事情よりも若いハムレットに感情移入するのが当然ですよね。
子供にとっては両親が愛し合ってるのは絶対でした。
今は自分が大人なので、男女の愛も覚める時もあれば裏切りもあるとわかるけど
自分の親は、子供にとっては特別な存在なので、
子供の時のベニさんにはハムレットの気持ちがよくわかったのでしょうね。

なるほど、叔父よりも父母を信じていたいから怒りをぶつけた。
父は殺されてるからぶつけようがなく、母にぶつけた・・・・

大人の私には、子供のわがままだろう!と、親には何をしてもいいのか?!
と、思ってしまうのですよね~
私自身も自分の親には「なんでそんなこと言えるのか」と怒ることもあるけど。

でも原作ストーリーはとても表面だけで筋が運ぶので、
それをどう料理するのか、演出や演技でいかようにもできるのが
ハムレットの魅力らしいですので、いろいろ見たいな~と思います。

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しましまさん、こんにちは。 (riek)
2014-10-09 21:55:11
私は4時間と聞いて今回初めてNT Liveを落としたので、ハムレットについては何も語れませんが。水をさすとか無知の記録などと思わずに、ご自分の感性を信じて思ったことを書くのがよろしいのではないでしょうか。

確かに盛り上がりに入り込めないと「自分の感じ方は何かおかしいんだろうか」と思ってしまう気持ちはわかります(私はシャーロックのS3がそうでした)。ただ、いかに歴史に名を残す作品であろうとも、100%の支持を得られるということは絶対にないし、優れたクリエイターはそのことを十分承知しています。「自分の作品が理解できない人間がいるなんておかしい」と思っている人がいたら、それはただの自意識過剰です。普段語り合っている人たちと意見が違うことは時に切ないですが、それは素晴らしいことでもあるのだ、と私は思っています。

しましまさんが今後も気負わず思ったことを書けますように。自分にしっくりくるハムレットに出会えますように。
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riekさん (sofiaandfreya)
2014-10-10 21:36:57
人と違う意見も書いてよい、と改めて言っていただけるととても嬉しいです。
勇気100%です。ありがとうございます♪

はい、今回のハムレットは確かに長丁場でした(笑)
それでも見たこと自体はよかったと思っているんです。
大きいスクリーンでわかりやすい(という噂の)バージョンで。

色々な受け止め方があるのは、知識や感受性が違うのだから当たり前と
いうこともわかっているのですが、
好みが似てると思ってた数名の人達がこぞって絶賛しているのに、
私はそこまで盛り上がれないのはちょっと残念です。

それと最近、ツイッターでシェイクスピアのことで
「おまえは何を言うか?!」的なリプをされたことがあり、
英国ドラマだと身内のような仲間しかいない世界が、
シェイクスピアという文学だと裾野が広いんだなーと気づき、
ネットだと出入り自由なので、狭い私のブログでも検索で見に来られる方の
目にとまった場合を考えて、ネガティヴな感想を書くのを躊躇しました。
それで、「私は何もわかってませんので」という防御までして。(笑)




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