Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

シェイクスピアの庭 All is True

2022-03-06 07:15:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


ちょっと久しぶりにNetflixをのぞいたら、前の記事の「ビルド・ア・ガール」の隣にこの「シェイクスピアの庭」もお勧めされていて、せっかくなのでこちらも見ました。

「ナイル殺人事件」に次ぐケネス・ブラナー監督・主演作、春のケンちゃん祭りは始まっている。

「ヘンリー8世」上演中にグローブ座が全焼し、仕事を辞めてほぼ縁も切れていた(単身赴任だったのね・・・)故郷に帰ってきたシェイクスピアの話です。

映画では「なぜ筆を折ったのか」ときかれたシェイクスピアがそれに回答したかわからなかったのですが、別の会話で非難された時に、劇団トップの仕事量の多さ、責任の重さをシャウトしてましたのでそれが理由なのかなと推察しました。Wikiには、グローブ座の火事の原因は「特殊効果の大砲で屋根に火が点いた」とありますので演出を巡る責任を問われたのかもしれません。

さて、シェイクスピアには子供の時に亡くなった息子がいました。名前はハムネット。ハムレットとどっちが先なのでしょう??冒頭で息子の魂…ゴーストが「僕のストーリーを終わらせて」とパパに語り掛けます。

日本でも2年前に劇場公開されているので、ネタバレで書きますが、

ケネス・ブラナーが意図したかどうかは不明ですが、とっても「ビルド・ア・ガール」に次ぎフェミニズムな謎解きでした。

当時、英国でも女の子は学校に行けず家事手伝い、期待される仕事は嫁に行って子孫を繁栄させること。それに従いシェイクスピアも詩を書ける息子を愛し、しかも亡くなったものだからその愛も特別に。

息子の死の原因は疫病とされていたのですが、真相は、詩を作ったのは生き残った双子の娘の方で、その事実を娘がパパに告げようとしたところ、詩を作れるから愛されていると勘違いした息子は自死していた。

これは痛い!愛する息子を死に至らしめた原因が息子の才能への愛とは。性別による役割への期待が女も男も不幸にした例がここに・・・


それとは別に、貴族サウサンプトン伯爵(イアン・マッケラン)との当時の禁断の愛のような台詞もあり、誰か?と思ったらシェイクスピアのパトロンで、彼の肖像画を見たらたいへんな美男子だったみたいなんですよ。共に晩年ということで想像し難かったけど、そうか~シェイクスピアは王様女王様に雇われてたとなぜか思ってましたが、そうですよね、芸術家にはパトロンがいないとその才能も生かされないですよね。美しい芸術を愛する伯爵の話も誰か映画かドラマにしてくれないものでしょうか。