こんな本を読んでおりました。
よく海外小説を読むと想像力・・・というかその基本となる知識がなさすぎて文字に書かれたシーンが想像できないという事態に陥ってしまいます。
しかしイギリスものならば、通算7年ほどロンドンに住んでたならば多少その他の国よりはリアルにその場の空気を感じることも・・・たまにはありますが、それでも私の想像力のなさゆえ「ヴィクトリア時代のホームズの家も外も暗かった」としほとんど闇しか頭に描けなかった私に朗報だったのが本書。
各建築物が登場したコナン・ドイルの原書の要約(結末はネタバレなしがほとんど)と、ジェレミー・スコットのドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」と21世紀のドラマ「シャーロック」のシーンも盛り込んで「こんな建物だったはず」という外観と間取り図を解説してあるので、想像できなかった場面を手取り足取り教えていただけるような本です。
建築物を図に起こすという作業は、本に書いてあることをパズルのピースのように脳内三次元空間にはめていくようなもので、しかもピースは全部はないので本に書いてない部分は建築の知識や登場人物の個性、時代背景などを考証しDIYで仕上げるという、楽しそうながらたいへんなお仕事。
そして聖典ピースに時折矛盾が出現するのですが、それは、書いたということになっているワトソン君の間違ったということになっています!
ところで実は、この本を読みたいと思ったのは、過去に著者の北原尚彦さんにお会いできてサインもいただいた思い出でがあったので、出版ニュースをご自身のツイで拝見し一方的な義理を感じたからでもあります。
その北原さんがこの本を出したきっかけというのが巻末に出ていて、それが『ミッフィーの早引き人体解剖用語ハンドブック』をめぐる騒動だったという話もまたとてもおもしろかったです。
ファン心理がきっかけで手に取った、この本もまた別の本のきっかけとなっているんですが、そちらはまた別の機会に・・・