運良く公開日の昨日と今日がお休みなので、あっという間にエピ5まで見れました。
マーガレット・サッチャー役のジリアン・アンダーソンをとても楽しみにしてましたが、伝記映画でも良く掴めなかった彼女のキャラを想像以上に見せてくれています。サッチャーのキャラが知りたかったわけではありませんが、努力と精神力によって生産性と国への貢献度を求める彼女の姿勢が、特権階級に割り込んで入った教育のある労働者階級として説得力がありました。
社会保障を切って生産性を求めるとはまさに現代の日本にもイギリスにもかぶるので、ドラマを見てる人も、もはやおとぎ話ではなくリアルな現代ドラマになってきたなーと思わせる作戦大成功です。
おとぎ話といえばこのシリーズ4から登場したダイアナが、今までになくプリンセス願望と野心が強いことが新鮮です!今までのドキュメンタリーは、考えてみたら彼女の手記がベースになってたりして客観性がなかったかな、と思い当たりました。
野心家なのに傷つきやすい姿の描き方が、ドラマなんで本当におとぎ話に可愛くしてるなあ、というのが彼女のコスプレやバレエのレオタード姿を見た印象です。ちょっとその辺は本物のダイアナの写真よりも甘く振ってない?と思うのですけど、まだ若い時代ですので純真無垢さを強調してますか?次のシリーズ5ではエリザベス・デヴィッキ姐さんになるんですものね。
そして私が唸ったのは、自分でも意外でしたが、エピ5の、クイーンの寝室に侵入したファーガソンのエピです!!
「シャーロック」で知ったトム・ブルックがまたいい仕事してました。エピ01~04までチャールズとダイアナとサッチャーがメインで、スコットランドのバルモラル城とロンドン近くのウィンザー城、それと新婚チャールズ皇太子のオーガニックワールド=ハイグロウヴ(今では東京のデパートでの英国展でもおなじみ!)が舞台で、狩りや乗馬が日常な世界を見続けた後に、
パンク台頭のロンドン、失業して奥さんと子供に逃げられ、イギリス版ハローワークに通う男のパブ、市民相談所、ダブルデッカーの2階の窓から見えるバッキンガム宮殿・・・と
あの「バッキンガム宮殿侵入事件」は記憶にありますが、犯人像を知ったのは初めてです。ピーター・モーガン、すごいなあ!!!クイーンにサッチャーに侵入者。フォークランド戦争の時代を王室から失業者まで串刺しにして見せられた感です。
それでも、どん底として描かれていた失業者フェイガン、奧さんに逃げられてもまだ日本で言ったらそこそこのマンションに住めて、子供達に会いに行った公園では奥さんとボーイフレンドが子供達と遊んでいて、
日本ではDVから逃げてシングルマザーとなったワーキングプアの母親の子供は一人で過ごしているというのが当たり前らしいとニュース記事で読み、
どん底の70年代イギリスの方がそれでも人間らしい生活できてない?と思ってしまうのです。
ハイグロウヴの皇太子一家
チャールズのオーガニックにかける熱意の出所を知り複雑な気分。ドラマ上の創作かもしれませんけど。