雨にも負けず山歩き♪

青空を見上げながらも、しっかり足もとを見つめて歩く自然観察情報!

加賀禅定道から白山の巨瀑「百四丈の滝」を見に行く

2014年07月04日 | 石川県の山

静かな山間に滝の豪音だけが響く…百四丈の滝


2014/6/25(水)~26(木)  加賀禅定道から「百四丈の滝」を見に行く。。。
                                         <一里野温泉加賀新道 登山口>

<1日目>加賀禅定道から白山の巨瀑 「百四丈の滝」を見に
2日目白山スーパー林道から姥ヶ滝(日本の滝100選)と噴泉塔


登山口(5:50)→しかり場(7:30)→奥長倉避難小屋(9:40~10:00)→美女坂の頭(11:00)→
百四丈の滝展望台(11:20~12:40)→奥長倉山(13:50)→口長倉山(14:40)→しかり場(15:25)→登山口(17:00)


晴れから目まぐるしく変わった梅雨時の天気!


6月25日、笠ヶ岳の小屋開きに合わせて一泊二日で登る計画だったが、残雪が心配で直前に小屋へ問合せをしたら
杓子平の残雪が例年より多く、雪渓の急登もありアイゼン・ピッケルを持参した方が良く、もしも杓子平でガスになった時には
 例年、道迷いする登山者が多いそうだ。 (山荘からスタッフが案内棒を立てる予定だが、間に合わない場合あり)
笠新道を登るのが始めてなら、やはり夏道が出てから来られた方が安全だとのアドバイスを頂いたのである(^^ゞ

天気も不安定な梅雨時でもあり、笠から槍・穂高連峰の眺望がなかったら、余り意味のない登山となってしまうかも?
そんな訳で急きょ行先変更!近場で兼ねてから行きたかった「百四丈の滝」を見に、加賀禅定道を登る事になった。

急登の定番である笠新道も 「しんどー」 そうであったが、加賀禅定道から百四丈の滝展望台(2047m)までも
距離が長く、標準タイムから考えてなかなか手強そうであり、早めの出発が理想であるが、今回やや出遅れた(^^ゞ

加賀新道の登山口はゴンドラ山頂駅(1045m)となっているが、実際には林道がもう少し上まであり
登山口の若干手前に車5台ほどの駐車スペースがあり、標高は(1120m)位、室堂まで15.5kmのようであった。

登山口から20分程の登りでブナの原生林がしばらく続き、落葉のじゅうたんとなった広くてフカフカで気持ちの良い登山道、
樹齢にしたら何百年?のブナも多くあり、白山にもこんな素敵な登山道があったのかと思いながら、しかり場分岐に着く。
しかり場は、ハライ谷から登る「桧神宮参道」と「加賀新道」の分岐になっていて、朽ちた古い看板が建てかけてあった。

しかり場の先は、見事に咲いていたコケモモロード、マイズルソウロード、間に顔を出すピンクのコイワカガミも見頃で
アップダウンが多くて、また下りー(>_<)と何度も口走ったが、登山道両脇の可憐な花に癒されながら登る事ができた。

やっと到着した奥長倉避難小屋で、凍らせて持ってきたので冷たくて食べ頃のゼリーで、ご褒美の大休憩!
避難小屋からは7分程で奥長倉山の山頂を踏んで、一旦下ってからは、いよいよ本日一番の急登である美女坂へ
覚悟はしていたがなかなかの急登!ここまで4時間以上歩いているので、疲れた足には余計に堪える(@_@。

頑張って辿りついた美女坂の頭からは、180度変わって楽々、クマザサに囲まれたほぼ水平道を行くと
百四丈の滝展望台(←左30m)の案内があり、指示に従って進むと、思わず「わーっ」と叫んだ ビューポイントだった!

雲も多くなり、美女坂を登っている途中からガスが出て来たので、もしや滝は見れないかも?と、少々落胆もしたが
到着と同時にガスが晴れ、雲間から太陽も顔をだして「何と言うことでしょう!」…と言える程の急激な変わりようで
まだ若干雪が残る清浄ヶ原と四塚山、聞こえてくる百四丈の滝の音も近く、水量の勢いも力強くなかなかの迫力である。
6月後半は初夏なので、この時期になると流石に氷の壺はすっかりなくなっていたが、それは仕方ない。
カメラのズームは4倍しかないのだが、4倍にしなくても十分な距離に滝があり、滝壺も見えて見応えも十分だった。

写真も撮って十二分に飽きる程滝を見つめた後は、登山道に戻って少々開けた草原でゆっくり昼休憩を取った。

楽々な道をもうちょっと先に行けば天池だったが、予定より出遅れたのと天気が怪しくなってきたので、諦めて下山開始!
避難小屋を過ぎてから、何度か弱い通り雨となり傘の出番(差したり閉じたり数回)もあり、遠くに雷音も聞こえて
やはり梅雨時のお天気だなーと思いつつ、大降りにならないか心配したが、しかり場過ぎからは天気がすっかり回復した。

登りでは足元の花を愛でながら、上を目指して登るのみ!目標のポイント(山頂)を一つづつクリアしながら
ひたすら登っていたが、下りでは不思議と、気持ちも余裕のせいかまた違った物が目につき、見えてくるのである。

美女坂の頭では、ここが美女坂と名付けられた伝説 「神聖な山を汚して、岩にされてしまった美女の岩」 を発見!
小雨が止んでホッとしながら歩いていたブナの森では、立ち止まってブナの感触を確かめ、大きく深呼吸しながら歩き
その少し先の檜倉では、岩を割って生えて来た「石割檜」や、大きな「根上がり檜」など、じっくり観察する事ができた。
(名前が付いている訳ではないが、何となくそのような雰囲気の檜が数本あったので、自分で名付けた(^^ゞ )

白山の剣ヶ峰を見る事はできなかったが、昔の人も歩いた信仰修行道の一部、白山奥宮に繋がる登山道であり
この日の行動時間は約11時間、距離も標高差もあり足は限界となったが、百四丈の滝が見られて大満足の山行となった。
ちなみに梅雨時である為か、この日の登山者は他におらず、我々グループの貸切りで静かな山歩きであった(^^♪

そして、登山口に戻った頃には青空が広がり、この日、一里野温泉での夜は満天の星空となったのである。
温泉の近くを流れる尾添川では、源氏ボタルの観察ができて、天の川と星と蛍の、光のコラボも楽しめた♪

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余談であるが、口長倉山から奥長倉山までの登山道に、やや緑色がかった熊のウンチ(多分)が
集中的に数ヶ所見られて、カモシカかなーとも思ったが、後に自然観察園でレプリカ見本を見て、カモシカのウンチは、
小さめで丸くてコロコロしていると分かり、登山道にあったのは人間に近い大きさだったので、間違いなく熊だと確信した。
そう言えば誰かが、この辺りは獣の匂いがするって言っていたのを思い出した。登山道は獣にとっても歩き易いのだろう。
「あっまたまたウンチ発見!踏まないようにねー」と、何度もさり気に言っていたのだが、後で考えたら怖くなった(>_<)

今回ちょっと頼りない音の熊鈴しか持参していなかったが、この付近の登山道は特に、熊注意かも(@_@。
この日、同じ区間内で、手を伸ばした程の高さまで丸ごと皮を剥がした木も(まだ真新しい感じで)目撃している。
シカは届かないので熊の仕業?熊の習性は良く分からないが、木の皮を剥がして何かを食べるのか?蟻かなー?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


加賀新道登山口より禅定道へ


 
登山口までの林道には落石も多く、注意が必要! 林道左手の駐車場から20m程で、右手が登山口(右画像)


朽ち果てて倒れているものが多いが、要所に案内板があった。


  
 直ぐに檜倉(室堂まで15.3km)  木実谷頭(室堂まで14.2km)  縁の谷頭(室堂まで13.2km)



しかり場…桧神宮参道(ハライ谷ルート)との分岐



しかり場を過ぎると、登山道両脇に見頃のコケモモが群生しており、しばらく続いた。


 
何の木?…根もとは太く一本だが、上は分かれて 「千手観音」 の様であった。


 
やや視界が開けて白山方面(四塚山・七倉山)と、大笠山、笈ヶ岳方面


 
(左画像)口長倉山の20分程手前にも三角点らしきものがあったのだが、地形図には載っていないので違うのか?
青空にショッキングピンクが映える、太陽光を浴びて、ひと際輝いていた「ムラサキヤシオ」…(右画像)


 
濃いピンクのコイワカガミが数多く、綺麗に咲いていた。



白山方面の眺望…目的地はまだまだ先だ(^^ゞ


 
  遅咲きのカタクリ                マイズルソウも群生


 
口長倉山…右手に三角点と、「長倉山本峰1660.57m」の表示あり、左手の木に「口長倉山1660.6m」の表示あり!
地形図には口長倉山と書かれているが、(長倉山に三角点はないので)こちらが本峰なのか??

 
 
口長倉山付近には、ツマトリソウとゴゼンタチバナも群生していた。


 
口長倉山から30分強で、表側と裏側が無残に剥がされた一本の木、熊の仕業か?(手を伸ばした高さくらいまで)



真っ白なハクサンシャクナゲの大木が一本…これから咲きそうな蕾が多かった。 



清楚な白のハクサンシャクナゲ


避難小屋でしばし休憩の後、出発!



避難小屋を振り返る!…左手奥に、白山中宮温泉スキー場と麓の町が見えていた。



奥長倉山 (1771m 室堂まで9.9km)に到着!



奥長倉山からは目の前に美女坂


美女坂を登って、やっと目的地に到着!



百四丈の滝展望台(2047m)…美女坂の頭を過ぎて、穏やかな登山道を20分程で(左30m)の案内


到着と同時にガスが消え、太陽が顔を出す!



百四丈の滝



百四丈の滝(滝壺)…マイカメラ、4倍ズームで目いっぱいの画像



百四丈の滝と清浄ヶ原


回りを楽しみながら下る。。。



遅咲きのショウジョウバカマ



イワイチョウは半分蕾、今が見頃で群生していた。



コイワカガミの群生


ガスが濃くなる中で、噂の美女?が現れる!



神聖な山を汚して、岩にされてしまった美女の岩…物悲しく助けてーと叫んでいるように見える(@_@。。。



美女坂を下ったら、ガスの中に突入!…で、ここから時々小雨となった(>_<)



今が満開の可愛くて小さな花、コケモモ(アカモノ)には何度も癒された。



ギンリョウソウも今が見頃で、数ヶ所咲いていた。


しかり場過ぎからはお天気が回復!



下り方向のしかり場分岐…左方向の登りが加賀新道、右方向の下りが桧神宮参道へ



下りの方が絵になる、ブナ原生林の登山道…登山口も近いので気持ち余裕で楽しむ♪



お天気も回復してルンルンの登山道



登りではサッサと通り過ぎた、ブナ(原生林)の森をゆっくり抜けて…


檜倉でしばし遊ぶ。。。


 
根上がり檜                    岩割檜

根っこがグッと盛り上がった様子や、岩をスパッと割って生えて来た檜の迫力は、実際に見ないと伝わらない!
他にもこの辺り、檜倉の名前に相応しく、全てに名前を付けたい程、変形檜の宝庫だった。(^^♪


通り雨のお陰で、空中は透明に。。。



マイカメラではこれが限度かな(^^ゞ…七夕も近いので天の川が肉眼でもクッキリ見えていたが
やはり画像では上手く撮れず、この日の星空の素晴らしさ(美しい輝き)は伝えられない。



こちらはボケボケだが、草むらで光っている蛍光色はホタルの光!(正に蛍光色だ)

星空やホタルの乱舞を撮るには、やはりしっかりした一眼レフとガッチリした三脚と経験が必須だと思った。
今のカメラ(初撮り)ではこれが限界だが、道具を揃えて、もしもプロ並みに撮れたら、ハマりそう(^^♪



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4 コメント

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百四丈の滝 (こしのしらやま)
2014-07-05 04:40:06
ぽっかり穴いた巨大な穴に流れ落ちる滝!
また会いたい!
前回、一人で眺めていたら、背後から何かの気配!熊?心臓飛び出すほどの恐怖!
今日初めて会った人でした。
熊と美女坂が怖い。
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こしのしらやまさんへ (snoopy)
2014-07-05 12:37:29
こしのしらやまさんの紅葉の百四丈の滝を見てから、ずっと行きたいと思っていました。
今思えば、もっとお天気の安定した時期に行くべきでしたが、
待っていてくれたかのようにガスがスーッと晴れたので、滝とお天気、同時に感動でした。
色々な状況から、熊さんは確実に登山道を我が道にしていますね(@_@;)
熊と美女坂…同感!
返信する
ピンボケしていても・・・ (raika)
2014-09-04 08:40:57
百四丈の滝に行っておいでたのですね!素敵な花や星空の写真いっぱいですね。
加賀禅定道なかなか素晴らしい登山道だと思いますよね。本当の意味で白山の自然を身近に感じることのできる道の一つです。今度時間を合わせ秋の草紅葉を見にご一緒しませんか?(花や星の写真の撮り方を一度ゆっくりご指導くださいませんか?) 
返信する
raikaさんへ (snoopy)
2014-09-07 14:22:46
コメントを頂きありがとうございます。
加賀禅定道はピーク超えがいくつかあり、アップダウンの多い登山道でしたが
登山道らしい登山道を歩けた気がします。
白山の砂防新道や観光新道は、余りにも整備され過ぎて
階段を登る山になってしまったような気がするのですが、そう感じるのは私だけかな?

白山の周辺は秋の草紅葉も良いですね!
まだ未踏の登山道が多いので、他のルートから白山を目指してみたいです。
撮り方のご指導なんで出来ないですが、機会があったら是非ご一緒にお願いします。
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