黒部峡谷 下の廊下②-3…黒部ダム~阿曽原小屋を歩く-10/20(月)
黒部峡谷 下の廊下①…室堂~黒部ダムへ-10/19(日)
黒部峡谷 下の廊下②-1…黒部ダム~阿曽原小屋を歩く-10/20(月)
黒部峡谷 下の廊下②-2…黒部ダム~阿曽原小屋を歩く-10/20(月)
黒部峡谷 下の廊下②-3…黒部ダム~阿曽原小屋を歩く-10/20(月)
黒部峡谷 下の廊下③-1…阿曽原小屋~欅平を歩く-10/21(火)
黒部峡谷 下の廊下③-2…阿曽原小屋~欅平を歩く-10/21(火)
白竜峡を過ぎて、十字峡・半月峡・仙人谷ダム…
そしてやっと、阿曽原温泉小屋に着く

白竜峡を過ぎてから十字峡までの約1時間は、やや落ち着いた道
と言っても高さはあり気は抜けないが、一帯の見事な紅葉美を堪能できた!

食事をとった白竜峡入り口で、狭いV字谷の奥に見えていた紅葉だ!
空は青空だったが逆光で白く映る…panaのデジカメの弱点か?

十字峡手前で、今度はかなりの濡れ場を渡る…降りかかる水が冷たかった!

十字峡の吊り橋を渡り、後ろを撮った画像…橋を渡る為に7~8段の梯子を下りる。
ここから仙人谷ダムまで、4.8kmの看板あり、歩いても歩いても先は遠い。

吊り橋の上から見た十字峡
十字峡は、黒部川本流に後立山の爺ヶ岳(棒小屋沢)からの流れと、
剱岳(剱沢)からの流れが集まって、十字の形を作っているらしい…大自然の美しい景観だ!

吊り橋から下が透けて見え慎重に渡る!剱沢からの流れは勢いがあった。

十字峡を過ぎると、谷からの高度がますます高くなってきた!
この辺りは約20mらしい…ビルの6~7階相当かな?手前の大石が足元。

十字峡から40分くらい、垂直に聳える岩壁を歩く。
まるでビルの屋上の端っこを歩いているようだった。
こんな岩壁に、ど根性で根付いている木々も一人前に色づき、目を楽しませてくれていた。

更に谷からの高度は増す!
空中に丸太4本…3本と4本の違いは大きい!途中で足が揃えられるかどうかの違いだ。
ところどころ道がすっぽり崩れており、下を見たら渡れなくなってしまう。
ここは作廊谷合流点(看板あり)を少し過ぎたところ、仙人谷ダムまでは約3km…

右に大きくカーブしているので、黒部川と岩壁に水平に見える「下の廊下」の様子がよく分かる。
この流れは半月峡を上流から見た所だが、15分位行き下流から見た方がより半月峡らしい。

左の角っこに、小っちゃく人がいるの分かりますか?
更にヘツリの桟道を3回くらい渡って、ここから半月峡まで5分位でした。

半月峡…岩も水の流れも半月に見える。
近くの岩壁に半月峡の看板あり…ここから仙人谷ダムまで2.7kmとなっていた。

半月峡から30分位で、関西電力「黒四地下発電所」の送電線が見える正面に来た。
地図で見ると、この下辺りがS字峡だったと思われるが、残念ながら見逃した^^;
と言うより、草木の影になり見えなかったのだ!

更に10分で、長い長い橋の東谷吊り橋
本格的な造りの吊り橋になっているようで太いワイヤーだったが、捕まるところがない!
2人以上になるとバランスが狂い揺れが大きくなるので、一人づつそっと渡った方が良いかも知れない。

橋の真ん中辺りで身を乗り出して撮った画像…青い水と岩の紅葉の可愛さに魅かれて^^;
高度感もかなりあったが、やや慣れっこ状態!この流れの少し上流に、S字峡があると思われる。

東谷吊橋を渡ってからは、車道を通り10分余り…仙人谷ダムが見えてきた!
ダムに入ると親切な一人が、私達が迷わないように道案内をしてくれた。
黄色く見えている部分、ダムの上を渡り、対岸に進むコースになっていて
平日だった為、ダムの上で関電の工事関係者が5~6人仕事をしている横を通ったのだが、
やはりここ「下の廊下」は、関西電力さんが作られた物だったと言う事を改めて痛感!
何故かこの時、お邪魔しました m(_ _)m と言う気持ちになってしまった。
この辺りから下流の紅葉は、温度差があるようで緑が目立ちいま一つだったが
ダムの通路から、上流の方に見えた雲切谷は紅葉も盛りで、「雲切の滝」が見えていた。

先ほど「お邪魔しました」と言う思いでダムの上を通り抜けて来たのだが
今度は本格的に「お邪魔します!」と言う雰囲気だ!
ドアを開けて、仙人谷ダム管理所の建物の中に入って行くと
すぐドアの前に、阿曽原小屋へと建物内を抜ける為の案内板があった。
『仙人谷ダム付近の登山道見取り図です!赤線に沿ってお通り下さい。くれぐれも気をつけて』
と、優しい言葉も添えてあり、「通らせて頂きます!」と言う、ありがたい思いになる。

① ② ③
①狭くて長い通路、レトロな電球は付いていたが薄暗い。
②関西電力黒部鉄道を2か所横切る(2番目は熱気あり)…「電車に注意!」の看板があった!
地図を確認してみると、この鉄道は何処が出発点なのかは分からなかったが
ほとんどがトンネルで、黒部ダムや黒四地下発電所、そして阿曽原温泉を経由して、
欅平にある黒三発電所や新黒三発電所まで繋がっていた。
(これだけ多く関西電力の発電所があったこと、更に地下で繋がっていることにも驚きだ!)
③更に通路は続く…この先にあった寮に直結のようだったが、登山者の出口はここ。
仙人谷ダムからは、水平歩道を歩く。
ダムは10分ほどで通り抜けることができ、寮の前を通りしばらくは平和な歩き…
「もうここで良いよ!寮に泊めてくれないかなぁ?」…と、弱気になったりもしたが
阿曽原小屋に行けば、名物カレーライスと温泉が待っているから頑張ろう!と自分を励ます。
その後、阿曽原小屋までの2km余り(1時間)は、20分位一気に登って20分位は水平歩道、
更に20分は一気に下る!…下るのなら登らせないで!とこの時ばかりは必至で思った^^;
早朝5時に出発して11時間余り歩いた後なので、最後の上り下りは足に応えた
下りの途中から薄暗くなり始め…阿曽原小屋に到着したのは17時30分だった!
早く着きたいと言う思いから、赤い塊に見えた紅葉の木を小屋だと勘違いした情報もあったり
間近に行くまで小屋は見えて来なかったので、この辺りで暗くなった場合はやや不安。
「クマに注意!」の看板がやけに多く目についた!目撃した人もいたそうだ

最後の数分間はヘッドライトを使用して、やっと阿曽原温泉小屋に到着した!
(この画像は早朝に撮ったもの)
この辺りは雪深いため、毎年11月に入るとこの小屋は解体してしまう。
その為簡単な作りのプレハブになっており、何とも言えない居心地
それでもこの日、定員50人を軽くオーバーしており、
食堂に寝ざるを得ない人達もいて、団体さんは2人で一つの布団だと言っていた。

そしてこの日も湯呑茶碗でお疲れビールを頂き、カレーの夕食。
途中ですれ違った、宇奈月消防の頼もしい男性4人組さんたちと会話が弾み
色々情報交換しながら、楽しい夕食タイムとなった!

食後は、5~10分位下った場所にある、野性味溢れる
露天風呂へ一直線!
湯に浸かりながら上を見ると、またまた明日の天気を約束してくれるかのような満天の星
いつもは、これも高山病の一種かとも思えるほど、周りの鼾などで寝付かれない私だったが
この日は、露天風呂の温泉効果でぐっすり眠ることが出来た!
黒部渓谷 下の廊下③-1…阿曽原小屋~欅平を歩くへ続く