
焼石平の ヒオウギアヤメ
女3人、200名山東北4座 4日間の旅 …
1日目…姫神山 2日目…和賀岳 3日目…焼石岳 4日目…栗駒山
2010/07/05(月) 焼石岳(1548m) … 岩手県奥州市 つぶ沼登山口より
登山口(5:45)→金山沢(6:45)→石沼(7:40)→銀名水(8:55~9:15)→泉水沼(10:35~40)
→焼石岳(11:00~11:30)→銀名水避難小屋(13:10~50)→金山沢(14:15)→登山口(16:05)
昨夜は初のテント設営だったが、夜中に10匹ほどの蚊と奮闘!ど~も、天井の空気穴から入って来たようだ。
狭いテントの中では蚊も逃げ場がなく、私がライトを当てると、あっと言う間に誰かさんの平手打ちに合う (^^ゞ
わっ真っ赤だ!誰の血を吸ったの?…約1名は、痒い痒いと寝言を言いながらもス~ス~平和に寝ていた。
梅雨時の東北は寒いと思っていたが、これが意外と暖かくて、シュラフなしでも寝れそうなくらい。
寒かったのは朝方だけだったが、今朝も4時起きで登山口出発6時を目指す。
焼石岳には、つぶ沼登山口、中沼登山口、東成瀬3合目登山口、この3つの登山口があるが
中沼登山口は、H20年6月の岩手宮城内陸地震の被害により、現在も林道が通行止めになっている。
今回の私達は一番難易度の高い(距離が長い)つぶ沼登山口、他の皆さんは東成瀬に向かったようだった。
焼石岳山頂までの総距離 8.6km 標準タイム4時間40分に加えて、焼石神社、焼石沼をぐるっと回り、
更には、東焼石岳をピストンしてつぶ沼登山口に戻ると言う計画で、お花畑への期待度も高かったのだが
出足から泥沼の登山道で、何処をどう歩いてもヌカルミは避けられず、靴もスパッツも泥んこ (>_<)
おまけに、もう一つ災難が …
も~いい加減にして!って思う程、泥沼道が続き、足に気を取られている間にヤブ蚊の集団に襲われた!
しかも服の上から容赦なく刺してきて、足肩首背中…50ヶ所ぐらい腫れて赤くなっていた (>_<)。。。
ず~っと着いて来たのか?東北の蚊、恐るべし!
中沼との分岐まではブナ林が続き、分岐には雪渓も残っており、湿地の為 水芭蕉が見頃となっていた。
銀名水にはその名の通り美味しい湧水と、そして近くには立派な避難小屋があった!
山頂の更に奥を回る計画のようだったが、私の体力では山頂までのピストンが限界かなと思い
元気なお二人には銀名水から先に行ってもらい、下山時に避難小屋で待ち合わせをすることにした。
銀名水を少し過ぎると、例年7月いっぱいまで残ると言う大雪渓があり、アイゼン無しで慎重に歩く。
中沼分岐辺りからようやく花が見られるようになり、焼石平では濃い紫色の ヒオウギアヤメ が可憐だった。
泉水沼まで来ると、右手に大きく焼石平が広がっていて、壮大な景色をベンチに腰を下ろして眺められる。
山頂を目前にして、沼のほとりで一人のんびり、長い道のりだったので何だかホッとする場所だった。
湿原地帯が多く、それゆえに花の数も多いのだろう…登山道は岩場や小沼、沢ありで、
特に湿地の箇所は木道となっていたが、全体的に歩きにくいと言う印象が強い山だった!
山頂はガスっていて、残念ながら視界ゼロ!花も例年よりは少なめだったが、それなりに楽しめた^^;
R397 沿いに登山口。。。
つぶ沼キャンプ場から、R397を挟んで反対側に大きな駐車場 ( トイレあり100台 ) があり、
駐車場から徒歩2~3分のR397 沿いにある階段が、つぶ沼登山口 となっていた。
下の方に花はなく、2時間近く歩いてやっと見つけた ギンリョウソウ
登山道から眼下に見えていた、エメラルドグリーンの 石沼
中沼登山道との分岐 ( 右方向へ下りると中沼 )では、よじ登るのに苦労した雪渓が登山道をふさぎ、
雪解けの箇所から順に、水芭蕉と立金花 が仲良く群生して咲いていた。
中沼分岐過ぎ辺りから、花が多くなる 。。。
怪獣の足跡のような形の葉っぱ… カラマツソウ の群生
コバイケイソウ の群生
薄紫の ハクサンチドリ (左)も多く咲き、ミヤマツボスミレ(右)や シラネアオイも見頃だった。
銀名水で一息つく 。。。
銀名水 まで3時間強の歩きで一休み、左隅から流れ出ている水を、置いてあった重い柄杓で飲んだ。
銀名水だけに銀の柄杓?そんな訳ないかぁ…冷たくて美味しくてゴクゴクいけて、体に染みわたる (^^)v
銀名水から、穴だらけで崩れそうな小さな雪渓を渡り、振り返ると小高い場所に 銀名水避難小屋 が見えた。
夏場は木が生い茂り特に表示もなく、登りでは普通に歩いていたら見逃してしまいそうな位置にあるようだ。
帰路に待ち合わせをした避難小屋内部、北陸で良く見かける造りとは少し違い、外玄関で靴を脱いで上がる(帰路撮影)
上段も合わせると30人位は寝れそうで、トイレも3つあり、男女兼用、女性用、冬用と分かれていて
夏は豊富な沢水を利用した簡易水洗、冬期用は非水洗と書かれていた。
そう言えば初日に宿泊した甘露水休憩所にも、男女別に分かれてトイレが4つあった!
6月の始め大日山に行った時、大日小屋、カタクリ小屋とも、たった一つのトイレが物置状態になっていて
冬期間は使用できなくしてあったのを思い出し、水量の違いがあるせいか?比べれば随分と親切だ (^.^)
いよいよ銀名水大雪渓へ 。。。
雪渓の入口に咲いていた、黄色が愛らしい リュウキンカ
梅雨時なので融けたのだろう、特大と言う程ではなかったが 大きな雪渓 を慎重に渡る。
(左)中央にポツンと、直径1m程の岩 が気になる!直撃されたら…と思うとゾッとした。(右)後ろを振り返る。
雪渓を過ぎると、岩場や沢水が流れる登山道が続く 。。。
日本庭園の池に置かれた石を渡るような感覚で、ポンポンと歩く。
木道あり、沢道ありで平坦な道は少ない。
泉水沼のある姥石平までは花を楽しむ
イワイチョウ コバイケソウ
チングルマ コイワカガミ
ウサギギク
特に多かった ウラジロヨウラク 綿のような花??
ヒオウギアヤメ
ベンチのある 泉水池 から山頂 (中央ピーク)は目前!
左手にどっしりと大きく横たわっていた 横岳!泉水沼分岐から行く事が出来る。
泉水沼 を振り返る!若干揺れるハート …私の心と同じ?(*^_^*)
山頂に辿り着く!
山頂近くで咲いていた、 ミネウスユキソウ と 東北や北海道に多い ホゾバイワベンケイ
つぶ沼キャンプ場で会い、東成瀬3合目から登って来たパーティーの方と同着で、証拠写真だけ撮って頂く!
ガスで視界は全くなかったが、三角点にタッチ してここで昼休憩を取った。
銀名水避難小屋で再会
下りは一人黙々と銀名水まで!避難小屋で待つ間、もしかしてお昼寝ができるかな?と思っていたが甘かった ^^;
20分もしたら玄関で、「こんにちわ~」と、聞き覚えのある声がして、自宅のように2人を出迎える。
早っ!聞けば、思ったより花が少なかったので東焼石岳には行かなかったと言うのだが、それにしても早い!
そして4時間振りの再会を祝して、更に3人で大休憩!…一旦靴を脱ぐとお尻が重くなる?
帰路にはクッキリ見えていた、石沼の頭上に 焼石岳(左ピーク)と 東焼石岳
長い道のりを、またあのヌカルミと睨めっこしながら下りてきたが、靴は泥あんこの おはぎ状態 ^^;
そう言えば、須川湖の管理人さんが靴まで気にしてくれて、洗った後は発電機近くに置いてくれたんだった!
お陰で次の日は、また綺麗になって乾いた靴で登る事が出来た。m(__)m
須川湖キャンプ場へ 。。。
下山後は、明日4座目の栗駒山登山の為に 須川湖キャンプ場に向かった。
そしてここで、今回の東北山行の中で忘れられない、キャンプ場の管理人さんとの出会い
サイト料は一人 420 円(栗駒山荘の湯200円割引チケット付)3泊目にして初めての宿泊料が発生 (^^ゞ
特別に交渉して管理棟の廊下にテントを張らせて頂き、近くにある栗駒山荘の温泉で汗を流して戻った。
管理人さんは24時間一人勤務のようで、荷物は部屋の中に入れなさいと言ってもらったり
夕食は明るい管理棟の中のテーブルでおじさんと一緒に、しかもおじさんの取っておきのビール で乾杯!
グラスもお皿も、ポットのお湯までも提供して頂き、温めるのなら電子レンジを使いなさいと言って
何やら配電の切り替えに、隣の小屋まで走って、使い終わったらまた小屋まで走ってくれた。
とにかく話好きで、四季折々の写真を見せてくれたりどんどん話題は広がって行き、3日目にして疲れている私達は、
寝ますと言うタイミングが掴めなくて少々苦笑いだったが、親切なおじさんには心から感謝だ!
テントに入ってからも、誰かコーヒーを飲みたい人はいませんか?と声をかけに来てくれた ^^;
モーニングコーヒーなら飲みたかったけど、「おじさんありがとう!もう寝ます…」 やっと言えた。
登山口と下山口が、徒歩1時間位離れていて、下山後もここ須川湖キャンプ場まで20分位歩く必要がある為
明日は早朝にもかかわらず早起きして、徒歩40分位の登山口まで、おじさんが車で送ってくれると言う。
私達3人を、我が家族のように迎え入れてくれて、もちろん他のキャンパーさんにも親切だったが
次から次へと思いもかけないお世話をして頂き、人との出会い触れ合いが必至と身に沁みた!
一大キャンプ地となっている 須川湖 だが、夏休みにはまだ早い月曜と言う事もあり2組のみ!
右側の軽は、次の日登山口まで送って頂いた管理人さんの車。
2日前の夜は、この須川湖に星 が映り、湖の中で輝いたのだとおじさんは言う (@_@。
見かけに依らずロマンチストな方で、一人で毎日見守っているこの場所が大好きなんだろうなぁと感じた。
ここでもちゃっかり、雨風の当らない 管理事務所 の廊下(ベランダ)に、オレンジテントを設営!
お風呂は車で5分程の 栗駒山荘 …割引ありで400円にて立派な温泉で疲れをとる。
山荘と言ってもここは登山者ではなく、ほとんど観光客がお泊りする高級ホテルだった!
晴れていれば、秋田富士とも言われる鳥海山を露天風呂から眺める事が出来るそうだが、この日はNG
毎日の下山や車での移動は大変だが、その分毎日色々な温泉 が楽しめて
その日の疲れはその日のうちに! 何処かで聞いた宣伝文句だが、今回はそんな山行だ!
4日目…栗駒山登山へ
日常の生活では体験できない驚きと刺激…その通りですね!
苦しい登りの後の達成感が、苦しさを忘れさせてくれます (^.^)
たとえ雨や嵐の日でも、それもまた良い経験だったと思えてしまうのも不思議ですね!
4座目頑張ります!またご訪問お待ちしています♪