昨日まで行われていた王位戦第4局は佐々木大地七段が藤井聡太王位を下し、1勝3敗としました。
佐々木七段は会心の指し回しで一矢報いました。対して藤井王位ですが、精彩を欠きました。特に最終盤でこれほどあっさり敗れる藤井さんは記憶にありません。これまでの藤井玉は生命力が非常に強く、討ち取るのは容易ではありませんでした。しかし昨日のそれは免疫力が全くなかったです。
やはり名人を獲得したあたりから、内容的には藤井さんらしからぬ将棋が多くなったように思います。藤井さんにとっては八冠よりも名人を目指してきましたから、少し安堵しても仕方のないことかもしれません。
普通は30才を過ぎた頃にスランプに陥る棋士が多いですが、藤井さんの内容を見ると、21才にして早くもその時期を迎えた可能性があります。それは今後の王位戦、王座戦、竜王戦ではっきりすると思われます。何とか早い段階で藤井さん本来の将棋を取り戻してほしいです。
その藤井名人に初めてライバルと言える存在が現れたかもしれません。伊藤匠七段です。竜王戦の予選、本戦負けなしの驚異的な強さで、挑戦者に名乗りを上げました。
伊藤さんは藤井さんと同い年で21才同士のフレッシュな番勝負になります。子供の頃、藤井さんが伊藤さんに負けて、涙が止まらなかったのは語り草になっています。
伊藤さんは遥か前を颯爽と走る藤井さんを懸命に追いかけ、ついに竜王戦の大舞台で勝負する場所まで来ました。予想は難しいですね。最近の将棋に限れば、伊藤さん有利とも言えますが、本来の力を取り戻せば、まだ少し藤井さん有利という気がします。しかし、互いに高め合うライバルが存在することは藤井さんにとっても好ましいことです。
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