ワールドカップが開幕し、昨日、日本はドイツとの初戦を迎えた。
にわかと言われれば、返す言葉もない
4年に1度の通り雨
僕は僅かばかりの昂揚を覚えた。
試合前、チームを率いる森保は君が代を歌いながら泣いていた。
1点を先制させた日本は、前半終了間際、追加点を許した。大国ドイツを相手に致命的だった。
僕はテレビを消して、コンタクトを外し、風呂に入るという普段のルーティンに戻した。
再びテレビをつけると、すでに後半が始まっていた。
得点は1対0となっている
ビデオ判定により、ドイツの2点目は無効になったようだ。
これならまだ可能性がある。
僕はコンタクトを外したことを後悔した。
後半は森保の采配が冴え渡り、それに呼応するように、戦士たちが躍動した。
ラインを押し上げ、投入した選手が次々にゴールを決め、逆転したのだ。
ドイツの猛攻を体を張って凌ぎきり、勝利を手に入れた。
ぼやけた目で選手たちのインタビューを見聞きしながら、僕は少し人生を想った。
つまり後半での逆転である。
しかし、人生の後半には体力、知力の低下
それに数多くの病気が待ち構えている。
逆転はおろか、ゴールネットを揺らすことも至難だ。
それでも前掛かりに、いや、前のめりに
何度もつんのめって倒れながら立ち上がり
その繰り返しの中で、終了のホイッスルを聞けたなら、それは美しい響きに違いない。