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ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

蹴球の通り雨

2022-11-24 10:39:58 | 

ワールドカップが開幕し、昨日、日本はドイツとの初戦を迎えた。

にわかと言われれば、返す言葉もない

4年に1度の通り雨

僕は僅かばかりの昂揚を覚えた。

 

 

試合前、チームを率いる森保は君が代を歌いながら泣いていた。

1点を先制させた日本は、前半終了間際、追加点を許した。大国ドイツを相手に致命的だった。

僕はテレビを消して、コンタクトを外し、風呂に入るという普段のルーティンに戻した。

 

再びテレビをつけると、すでに後半が始まっていた。

得点は1対0となっている

ビデオ判定により、ドイツの2点目は無効になったようだ。

これならまだ可能性がある。

僕はコンタクトを外したことを後悔した。

 

 

後半は森保の采配が冴え渡り、それに呼応するように、戦士たちが躍動した。

ラインを押し上げ、投入した選手が次々にゴールを決め、逆転したのだ。

ドイツの猛攻を体を張って凌ぎきり、勝利を手に入れた。

 

ぼやけた目で選手たちのインタビューを見聞きしながら、僕は少し人生を想った。

つまり後半での逆転である。

しかし、人生の後半には体力、知力の低下

それに数多くの病気が待ち構えている。

逆転はおろか、ゴールネットを揺らすことも至難だ。

それでも前掛かりに、いや、前のめりに

何度もつんのめって倒れながら立ち上がり

その繰り返しの中で、終了のホイッスルを聞けたなら、それは美しい響きに違いない。