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ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

藤井聡太の喧嘩将棋

2019-07-20 07:51:40 | 将棋
7月18日、王将戦二次予選で佐藤康光九段対藤井聡太の対局が行われ、藤井七段が佐藤九段を141手で破りました。

それにしても凄い将棋でした。立ち上がりは角換わり模様で、藤井七段はそれに備えました。しかしそこは力戦系の佐藤九段、簡単には角の交換はしてくれず角道をふさぎました。藤井七段は飛車先の歩を交換し、その後横歩も取りました。飛車が2筋からそれたため、佐藤九段は藤井陣の桂頭に歩を打ちました。飛車を2筋に戻した藤井七段は2四歩と角頭近くに歩を打ち、佐藤九段は藤井七段から奪った桂を打ち、弱い角頭を守ります。ここからは大乱戦になりました。一手指すごとに形勢が入れ替わった決闘は最後の最後に藤井七段に傾き、熱戦に幕を下ろしました。

野球でいえば8対7のルーズブェルトゲーム。逆転、また逆転の最も面白いとされる大熱戦でした。やはり藤井君は売られた喧嘩は買うんですね。藤井七段といえば、温厚な性格で、インタビューもそつのない受け答え、こんなによくできた16歳がいるのかなというイメージが強いですが、個人的に彼には想像を超えた、熱い血がたぎっているのが見え隠れしていました。それがもろに露出した一局だったと思います。こういう藤井君も僕は大好きです。もちろん相手が力戦の勇者の佐藤九段だったことも、このような殴り合いの将棋が見られた大きな理由なのですが。佐藤九段戦のような将棋ばかり指していては勝率は上がりませんが、時にはこんな若さ溢れる藤井将棋も見せてほしいものです。勇敢な一流棋士といえば、谷川浩司九段、そしてこの日の対局相手の佐藤九段が思い浮かびますが、藤井七段というのはいわば喧嘩将棋の後継者でもありますね。

谷川、佐藤、藤井。谷川さんが前会長で今の会長が佐藤さん。そして藤井君。人望や人徳がなければ会長にはなれません。よほど実績がずぬけている場合は別かもしれませんが。谷川さんも佐藤さんも盤を離れると紳士で穏やかな印象なのですが、将棋の内容は打って変わって激しい流血戦を好みます。藤井君もやはり盤を離れると穏やかで頭の良い少年です。将棋をしなくても、谷川さんは研究者・学者系、佐藤康光さんは一流企業の部長という印象です。藤井君のクレバーさは言うに及ばずというところです。穏やかでクレバーなこの3人が童心に帰ったような激しい将棋を指すというところは面白いですね。

藤井七段はいよいよ竜王戦で豊島名人と激突です。今日のような将棋にはならないでしょう(笑)角換わりの定跡系の可能性が高いです。名人に思いきりぶつかり、厳しい戦いになると思いますが、勝利を期待しています。昨日でしたかね。藤井君、17歳の誕生日おめでとうございます。