ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

藤井聡太、天才ゆえの敗戦

2019-02-06 19:12:31 | Weblog
昨日、順位戦C級1組での対局で、藤井聡太七段が近藤誠也五段に敗れ8勝1敗となりました。これでデビュー以来の順位戦での連勝記録は18でストップ。中原誠16世名人の記録を破ることはできませんでした。

それよりも何よりもB級2組への昇級に赤信号が灯りました。8勝1敗に近藤五段、船江六段、師匠である杉本七段、そして藤井七段の4人。昇級できるのは2人で、藤井君は順位が最も低いため、4番手まで後退しました。藤井君が最終局で勝ち、なお、上位3人のうち2人が負けるという状況にならない限り、来期もC1にとどまる事になります。

昨日は珍しく、終盤でミスが出たようです。近藤五段の9八歩打に対し、同香と取ると思われたのですが、藤井七段は考えた末に攻めの手順を選びました。藤井君が守りを手抜いて攻めに出たということは、ある程度、勝ちを読み切ったのかと思ったのですが、どうやらこれが悪手だったようで、相手の玉に迫りこそしたものの届かず、最後は即済みに打ち取られました。

この負け方は谷川九段によく似ています。普通なら香車の頭の歩を払っておくところですが、読みの深さ鋭さゆえに強く踏み込んだものの、わずかに誤算があり、結果的に無理攻めになってしまったというところでしょうか。天才ゆえの敗戦ともいえるのですが、珍しく藤井君はプレッシャーを感じていたようにも思います。

彼のこれまでの言葉の端々から、名人につながる順位戦が最も重要な対局と位置付けているのは理解していました。勝てば上がれるかもしれない。形勢は互角。そこに勝利の細い光が見えた気がした。普段なら藤井君は若さに似合わず冷静ですから、100パーセントの確信がなければ、まだ踏み込まなかったのではないでしょうか。まあ、藤井君もやはり16歳らしいところもあるのかなと少し安堵する気持ちもありますね。

さて順位戦ですが赤信号と記しましたが、藤井君含めて最終局は4人とも対戦相手が強豪ぞろいでまだ何が起こるかわかりません。正直昇級してほしいのですが、ここで少し挫折を味わうのも大きく飛躍するための経験かなとも思います。もし昇級がならなくても谷川さんの最年少名人の記録を破る可能性は残されているはずです。谷川さんは4月生まれ、藤井君は7月生まれという誕生月の関係上、1度躓いても、3か月上回れる可能性は残るでしょう。どちらにしても最終戦は注目ですね。


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