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ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

羽のような、幻想のような

2017-09-08 22:30:54 | 
豪雨がおさまり、小降りになった

世渡りの傘は持ち合わせていないが

今この軒下を飛び出し、走って目的地に向かおうかと迷う

迷っているうちに、雨は再び激しさを増した


いつになったら踏み出せるのだろうと不安になる

不安の正体は雨ではない

自分の弱さであり

前に向けない気持ちであり

時間である


雨は止んだ

しかし、空全体は分厚い黒雲に覆われている

夕方になり、西に目を向ける

夕焼けがない事を確認し、俯く

そもそも、僕の残りの人生に太陽は存在するのだろうか?


けれども未来の天気は知りたくない

そこに太陽がなければ死にたくなる

羽のような、幻想のような希望

それを携えていたからこそ、これまで生きてこられた

この先の人生、どこかに太陽は存在するという希望


膨大な苦しみ、諦めの影で

少年のような、今日にすべてを捧げる情熱を

思いもよらぬところで抱きしめながら