何十億円積んで補強をしても、埋められることの出来ない穴、だ。
大好きな選手が引退を決めた。
赤星憲広外野手。
首のケガがそうとう悪いらしい。
リハビリをして復帰出来そうだったらしいんだけど、次に同じことをしたら不随の可能性、命を落とす可能性さえあったそう。
それは続けられるはずがない。
引退となってしまった。
2000年のオフというのは、阪神ファンにとっては夢も希望も何もない状況だった。
唯一とも言えるスター選手が新庄だったけど、その新庄がメジャーリーグ挑戦を決めたシーズンオフだった。
プロ3年目だった坪井は、3年目でスランプに陥って、来季もどうなるかわからない雰囲気だった。
今岡も不調だったし、桧山は2000年は4本塁打とかで終わった、ヒドいシーズンだった。
新庄が抜けた来季の四番は、広沢か大豊かっていうそういう終末的な雰囲気が、インターネット上でも漂っていた。
その頃、「赤星というのがそうとう良いらしい、即戦力でどこまでやれるか」
「上坂と赤星で1・2番に定着したら、かなり面白そうだ」
みたいなことが、ほとんど唯一の阪神ファンの楽しみだった。
赤星は事実、2001年からレギュラーに定着し、すべての阪神ファンの想像をはるかに超える働きをした。
新人で盗塁王と新人王。以降、5年連続盗塁王。5度の打率3割。プロ入りからわずか9年間で。
赤星が活躍し始めたのとちょうど同じころから、万年最下位だった阪神というチームが、少しずつ、でも大きく変わっていった。
元来、打撃のセンスがあった今岡が、シーズンを通してその才能をフルに発揮し始めた。大振りで打率の低い、元四番桧山が打率とホームランを共に大きく伸ばし始めた。
ベテランで影を潜めていた元エース、藪と湯舟が全盛期のような勝ち星を稼いだ。
チーム全体が活気づいて、選手達の能力がフルに発揮されているのをファンは目の当たりにした。
もちろん、それは監督のちから、選手全員の一人ひとりの力が大きい。
でも、赤星の活躍がそれらを後押しし、加速させたように思えてならない。
とにかく足が速い。
スペシャリストだった。
足の速さで、肩の弱さをカバーしてゴールデングラブ賞を受賞した。
シングルヒットや四球で出塁しても二塁を陥れる。長打を打ったも同然だ。
長打力の無さを足でカバーした。
足のスペシャリストとして完璧な1番打者だった。
同じタイプの選手たちのなかの、トップに立てる。歴代の選手達を入れても。
バットを短くもって、シュアなバッティングをするんだけど、それにも関わらず追い込まれてからの球をライト方向へ引っ張る、っていうのを見せてくれる。
これも、赤星じゃなければなかなか見れないものだった。
その象徴的なシーンが、あの2003年の優勝を決めた試合のサヨナラヒットだ。
打席に入る前、星野監督に呼ばれて助言を受け、その直後にライトオーバーのヒット。
あのシーンは阪神ファンが生涯忘れることが出来ないシーンだ。
赤星のあとを継ぐ選手が誰も育っていない。
選手達を挙げれば、葛城、桜井、狩野(捕手兼)、平野(内野兼)と、外野手は多い。
が、
赤星の働きを替わりにやれる選手は、そう簡単には育てられるものではないし、阪神が最近得意なように補強してこようったって、何十億積んだって埋められる穴じゃない。
現実としては、平野がそれを担ってもらうしかないと思うけど。
残念だ。
きっと本人が一番くやしいだろうと思う。
それを思うとこっちも辛い。
なんで、知りもしないプロ野球選手にここまで思い入れるんだろう。
まさしく、9年間は「旋風を巻き起こした」と言える、そんな短い期間で、かつ素晴らしいプレーの連続だったはずだ。
大好きな選手が引退を決めた。
赤星憲広外野手。
首のケガがそうとう悪いらしい。
リハビリをして復帰出来そうだったらしいんだけど、次に同じことをしたら不随の可能性、命を落とす可能性さえあったそう。
それは続けられるはずがない。
引退となってしまった。
2000年のオフというのは、阪神ファンにとっては夢も希望も何もない状況だった。
唯一とも言えるスター選手が新庄だったけど、その新庄がメジャーリーグ挑戦を決めたシーズンオフだった。
プロ3年目だった坪井は、3年目でスランプに陥って、来季もどうなるかわからない雰囲気だった。
今岡も不調だったし、桧山は2000年は4本塁打とかで終わった、ヒドいシーズンだった。
新庄が抜けた来季の四番は、広沢か大豊かっていうそういう終末的な雰囲気が、インターネット上でも漂っていた。
その頃、「赤星というのがそうとう良いらしい、即戦力でどこまでやれるか」
「上坂と赤星で1・2番に定着したら、かなり面白そうだ」
みたいなことが、ほとんど唯一の阪神ファンの楽しみだった。
赤星は事実、2001年からレギュラーに定着し、すべての阪神ファンの想像をはるかに超える働きをした。
新人で盗塁王と新人王。以降、5年連続盗塁王。5度の打率3割。プロ入りからわずか9年間で。
赤星が活躍し始めたのとちょうど同じころから、万年最下位だった阪神というチームが、少しずつ、でも大きく変わっていった。
元来、打撃のセンスがあった今岡が、シーズンを通してその才能をフルに発揮し始めた。大振りで打率の低い、元四番桧山が打率とホームランを共に大きく伸ばし始めた。
ベテランで影を潜めていた元エース、藪と湯舟が全盛期のような勝ち星を稼いだ。
チーム全体が活気づいて、選手達の能力がフルに発揮されているのをファンは目の当たりにした。
もちろん、それは監督のちから、選手全員の一人ひとりの力が大きい。
でも、赤星の活躍がそれらを後押しし、加速させたように思えてならない。
とにかく足が速い。
スペシャリストだった。
足の速さで、肩の弱さをカバーしてゴールデングラブ賞を受賞した。
シングルヒットや四球で出塁しても二塁を陥れる。長打を打ったも同然だ。
長打力の無さを足でカバーした。
足のスペシャリストとして完璧な1番打者だった。
同じタイプの選手たちのなかの、トップに立てる。歴代の選手達を入れても。
バットを短くもって、シュアなバッティングをするんだけど、それにも関わらず追い込まれてからの球をライト方向へ引っ張る、っていうのを見せてくれる。
これも、赤星じゃなければなかなか見れないものだった。
その象徴的なシーンが、あの2003年の優勝を決めた試合のサヨナラヒットだ。
打席に入る前、星野監督に呼ばれて助言を受け、その直後にライトオーバーのヒット。
あのシーンは阪神ファンが生涯忘れることが出来ないシーンだ。
赤星のあとを継ぐ選手が誰も育っていない。
選手達を挙げれば、葛城、桜井、狩野(捕手兼)、平野(内野兼)と、外野手は多い。
が、
赤星の働きを替わりにやれる選手は、そう簡単には育てられるものではないし、阪神が最近得意なように補強してこようったって、何十億積んだって埋められる穴じゃない。
現実としては、平野がそれを担ってもらうしかないと思うけど。
残念だ。
きっと本人が一番くやしいだろうと思う。
それを思うとこっちも辛い。
なんで、知りもしないプロ野球選手にここまで思い入れるんだろう。
まさしく、9年間は「旋風を巻き起こした」と言える、そんな短い期間で、かつ素晴らしいプレーの連続だったはずだ。