ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

「みをつくし料理帖」のお仕事センス

2014-09-16 08:28:34 | きものの本&本

このところハマっている

「みをつくし料理帖」シリーズ。

病院にも持参して読みふけっておりました。

P9155955






きっかけは北川景子さん主演のドラマ。

「北川景子さんの髪型が気になって」 

このシリーズ、

災害で家族を失ったみをちゃんが、

一人前の料理人として切磋琢磨、

一流になるまでを描いています。



愛読者の方は、

作品の面白さはとっくに承知、

ここで述べなくてもいいのですが、

「舌によし」「情によし」「精進によし」

とまさに「三方よし」、

というか、

もっと「よし」あるんじゃないの。

そのなかで、私、

作者のお仕事センスに、

スポットを当ててみました。

「叱られ上手」なことは

先に述べたのですが、

まあ、驚いたのは、

「心星ひとつ」の「しくじり生麩」で、

権威ともいうべき料理人に、

「あなた自身は、料理人失格だ。

とても認められたものではない」

と切り捨てられたとき。

料理ひとすじ、

寝る間も惜しんで精進をしていた料理を、

たった一言で全否定される。

そのときのみをちゃんの心やいかに。P9155957 

澪ちゃん、

「なぜですか」と食い下がるのも立派ですが、

追い打ちをかけるように

「~~あなたがつる屋の料理人でいる限り、

あなたの料理はそこまでだ」と、

夢の広がりをも限定されてしまう。

(あんまり面白くて、初期の同じ本を二冊買ってしまった)


この顛末は、

りうばあさんの一言で、

切って捨てられるのも痛快、痛快。

「~~与えられた器が小さければ、

自分で大きくすればいいことですよ」

「~~ここまでかどうかは、

周りが決めることではなく、

自分自身が決めること」

権威をも恐れぬ頼もしいお言葉。

こんな、人を否定しないセリフは、

作者の高田郁さんが、

苦労を重ねてきたからこそ、

実感としてこちらに伝わってくるようです。

「晴れときどき涙雨」(集英社)によると、

弁護士の資格試験に落ち続け、

塾の教師になるも、その塾が倒産、

阪神・淡路大震災を経験、

その後漫画の原作者に。

このような辛い経験が、

弱いものへの目配りを育てたのですね。


けれど、優しいだけではなく、

ふきの弟が辛い修行を嫌がって、

「帰りたくない」とごねたとき、

主人が「ここに置きたい」

と情けをかけるのを振り切って、

「いえ、いまは戻って修行を~、それに耐えてこそ~~」

とのキビシさも見せる。

私だったら、

主人の「優しさ」に同調、

私っていい人なのね、と自己満足するかも~~。


お仕事に関して

参考にしたいことまだまだあるのですが、

あまり長くなってもナンなので、

このくらいに.

とにかく新人からベテランまでヒント満載。

                                ラストにりうばあさんのこんなP6083611 

言葉をご紹介します。


「~~男も女も人生の仕組みがわかるのは

七十を過ぎてから。

六十代なんざ、まだ青臭い若造ですとも」

と、かっかと哄笑。

これは先の「失格」の烙印を押した人への

言葉ですが。

そうか、私はまだ「若造」なのか、

と喜んだりして~~。

いや、そっちではないでしょう。
最終巻の「天の梯」(ハルキ文庫)は

もったいなくて未読~~。

美味しいものは最後に食べるほうです、

わたし。

次はどんなシリーズ、出すんでしょう、

いまから楽しみ。

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竺仙浴衣・近江上布、芭蕉布、いろいろ麻比べ

2014-09-15 08:16:29 | きもの 美容


病院で着た竺仙の麻浴衣。

あまりに気持ちがよかったので、これまで私が一番肌触りがいいと思っていた近江上布の麻と比べてみました。

これは古い布を仕立て直しそうとしている最中で、今年の夏には間に合いませんでした。

P9145942


近江上布は、艶とはりがあるんですね。

その理由は、前にNHKBSで特集をやっていたときに知ったのですがこんにゃくのり加工。



私のものが、その加工をしているかどうかはわかりませんがーなにしろ古いものなのでー、手触りの優しさ、柔らかさは、小千谷縮や沖縄の上布などとは少し違います。(
越後上布は持っていないのでわかりません。今度入手してみたい)



近江上布は、夏だけではなく秋冬も着られるそうです。

これには驚きました。

麻なのに秋冬と着られるなんて~~。その理由は~~?

NHKイッピン―優しい着心地の近江上布」


で、先日着用した竺仙の麻の浴衣とどう違うのか比べてみました。

同じ麻ですが、竺仙より近江のほうが繊維が細く、竺仙のほうがしゃっきりしているように思います。

近江を浴衣のように、肌に直接当ててみると、肌にぴたりと密着します。

竺仙は、少し空気の流れができるんですね。



なるほど、やはり浴衣は浴衣、上物は上物と、柔らかければいいというものではないようです。



もう一つ、まだ仕立てていないのですが、 P9145933

芭蕉布を持っています。

布の感触を知りたくて入手しました。

芭蕉布は麻とは違いますが、

この布が夏着物として尊重されるのは、「張りがあって肌につかない」せいだとあります。

まだ洗っていないのですが、確かに固い。

壁上布と似ています。

「琉球壁上布・銀座で食事」



襦袢の麻にも、シボの強いもの、柔らかい目のものと、いろいろありますが、やはり肌と肌の間にすき間を作って、空気の通りをよくしているわけですね。



近江上布が秋冬にも着用できるというのは、逆に、肌にぴたりと着くしなやかさのせいかもしれません。絹のように柔らかく、それでいて一本筋が通っている感じ。



もう一つ、白地の浴衣を着て思ったこと。

竺仙の白地、麻の浴衣は、下着が見えるとか見えないとか気にしつつというより、湯上りに縁側で団扇などを持って、

「~~ああ、涼しい」(済みません、季節外れで~~)なんて言いつつ、家族と一緒に着るものなんでしょうね。

湯上りに浴衣を着る習慣も、縁側もなくなってしまった私には、贅沢なものかも~~。



縁側のあるときには浴衣には興味なく、浴衣に興味を持つようになったときには縁側はなく~~。

きものが、浴衣さえおしゃれ着になってしまって、「下着透けてみえない?」なんて気にする自分が少し寂しい~~。

P9145939_2

 

病院の匂いと汚れを取るため、麻の襦袢と竺仙、洗いました。

記念写真です。はい、笑って~~。

この浴衣、入院するとき、あるいは向こう側への旅立つときに着ようかなと、ふと思いました。

気持ちよく、これならテンションあがりつつ(??)、逝けるかも~~。

「願わくば緑の下にて秋死なんその長月の望月のころ」

なんてね~~。

辞世の句くらい、マネではなく、自分で考えたいものです。

はい、そのときまでには。

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竺仙浴衣で検査入院

2014-09-14 08:38:07 | きものと身体


夏の疲れと今後のために、人間ドッグに入ることにしました。

「ドッグ」とは船の点検、修理を行うための設備だそうです。



「人間ドッグ」なんて、あまりいいネーミングではないですね。

それはともかく、夜の食事を抜いたり、朝早くに病院に行くのが面倒なのと、気分転換のため、一晩入院することにしました。


テンションをあげるため、竺仙の麻の浴衣を持参、翌朝まで着用することにしました。

P9095849

白地なので、透けるのではないかと心配で、なかなか着用する機会がなかったのです。

白地の麻の竺仙は珍しいのではないかと、思い切って購入していたのですが、ほかのものとまぎれていて、整理のときに~~。

触ってみると、麻とはいえ、とても柔らかいのですね。

着心地がよさそうなのですね。

だから、整理すると、いいことあるって。



やはり一番柔らかい襟芯を共襟部分に入れます。

これだけで気持ちがしゃんとします。

病院食はあまり好きではありませんが(好きな人、そんなにいないと思うけど)、

検査のためなので、夜の食事はなし~、というのはいいですね。

Rimg20531

夜7時以降は食べてはいけないので、その前に軽く食事。

それから病院に行きます。

P1090757



P1090759sutaba



病院には中庭も、スタバもありますが、検査が終わったあと、ゆっくりしましょうか。







病院に行く前に、少し心配で着用してみました。

麻とはいえ、手触りがとてもいいのです。

それが持参しようと思った理由。

実際に着てみると、寝ても木綿ほどくしゃくしゃになりません。

しゃんとしています。

これは前にはわからなかったことです。

素材より名前で購入したのかも~(汗)。

P9095833_2



帯は半幅かるた結びです。

これいいですね。

ベッドでも楽です。

夜寝るときには、帯は外して、伊達締めだけにしました。

旅館と同じ、感じです。



結果として、人間ドッグさえリゾート気分?

もちろん次の日には、病院のお仕着せですが、一晩、快適に過ごすことができました。



人にはあまり会わないのですが、それでもP9095842chikusenn

透けるのは心配なので、

外光で撮ってみました。

「夏の下着と補正、どうしてますか?」

まあ、ここでは大丈夫、みたいでした(写真では下

は見えませんが~~)。


夜は少しは肌寒いので、先に自分で洗ったカシミアのストールを。

これもとても気持ちがいい。

カシミアって、夏でもいいそうですよ。

P9125865

というわけで、あとは検査の結果を待つばかり。

悪いところ少々、見つかってもそれはそれでよし、

なければないで、安心。

次の仕事に向けて、ギアチェンジ、気持ち切り替えます。

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久留米のうさぎとたくさんのお月様

2014-09-11 09:00:09 | きものコーディネイト

先日の「中秋の名月」

東京はあいにくの曇り空。

お月様は見ることができませんでいた。

でも、次の日には空にお月様が。


P9095856

ドラマチック・モードで撮りました。 



「中秋の名月」 って、満月には少し足りないそうです。

だからこそいいのかしれません。

満を待つって意味で。で、次の日の月です。


その日、近場で知人と食事をする機会があったので、なかなか着用にできなかった久留米のうさぎきものを着ました。

P9095813

久留米ですが機械織りです。

珍しいのと可愛いので反物を購入、自分でチクチク縫いました。

仕立てが悪いので、ちょっと着にくいです。

背中にシワが寄っているのは、もちろん着付けのせいです。

写真を見てあとで直しました。(写真は便利)



帯も、自分で作った二部式です。

前には「秋の雪」とネーミング。

P9095809

月に因んだ黄色。

今回は帯の水玉を、童話「たくさんのお月様」に見立てました。



「たくさんのお月様」という童話は、子どもの頃に読んだ忘れられないお話です。

ある国のわがままな王女が、空にある月がどうしても欲しいとねだる。

困った大臣は、「月とはどんなものですか」と逆に姫に聞くと、

「金貨みたいな大きさかな」と答えたので、金貨を月と称して渡したのです。

王女はたいそうご機嫌です。



ところが、次の夜にも空には、当然お月様が。

「私はお月様を持っているはずなのに、どうしてまだ空にあるの?」と問い詰められたら困ると心配した大臣は、逆に問い返します。

「空にまだ月があるようですが~~、はてさて、どうしたものでしょう」



すると王女、そんなこともわからないのと、得意げな表情で

「まあ、それは当然だわ。花だって取れば、また咲くわ。歯だって抜ければまた生えるわ。お月様だって同じでしょう」



子ども心に、なんてウイットに富んだやり取りだろうと、P9095853

思ったものです。



そこで、私もたくさんのお月様を~~。

P9095831sionn


その日のコーディ。
帯揚げは紫。

帯締めは辛子と紫の格子。

帯留をお団子に見立てて。

可愛い過ぎて着るのをためらっていたのですが、先の「年相応のきもの破棄」で吹っ切れました。

これは娘も「可愛い!」というので、縫いの甘いところを直して、次は娘に。

P9095830danngo

ヘアももちろん、お団子。


食事には残念ながらお団子はなかったの、旅行先の赤福のお団子を。

P8305668P9025690

ああ、美味しそう。

そして旅先で撮ったススキで、せめて遅ればせのお月見を。

そうそう、今の私なら姫に訂正しなくちゃいけないことがあります。

「王女さま、ある程度年を重ねると、歯は抜けても生えくなるのですよ」

「じゃあ、お月様もそうなるの?」と姫は訊くかな~??

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年相応のきものは破棄します。

2014-09-10 08:32:59 | きもの新陳代謝


衣替えに伴い、お手入れに出すものや自分で洗うものなどを分別。

ついでに箪笥の肥やしになっているきものを、断捨離、というか「生前整理」しました。

そのなかで、最初に始末したのは、「年相応」ということで購入したり、買わされたりしたものです。

「年不相応」の間違いじゃないの、と思われるかもしれませんが、いいえ、「年相応のきもの」です。

P9095801_2とてもいいあられ小紋、友人に譲っていただいたものですが、着る機会がないまま数年。

 

P9095804

薄紫の、 紫苑というネーミングと違ってまったく似合わない地味な羽織。

P9095863

きもの着始めの頃、「年にふさわしい落着きある色だわ」と購入したきものなどなど~~数枚。



きもの着始めの頃は、さまざまな掟、決まりごとに縛られておりました。

若い頃、母と一緒に呉服屋に行き「その年でそのきものは~~」と言われたり、年を重ねれば重ねたで「年齢にふさわしい落着きを」なんて、雑誌の特集を気にしたりして~~。

でも私にとってきものは遊び。

仕事で着用することもたまにありますが、そのときでも、やはり遊び。



にもかかわらず、着ていて楽しくないきものは、もう着ている時間はない
と、思い至った次第です。

年齢で着るものを決めるより、好きと似合うかどうかで決めるほうがずっといい。

こんな当たり前のこと、気づいてはいたものの、手放すには抵抗、未練、もったいない、があったのです。

考えてみれば、似合わない、楽しくないのに、持っているからと着るほうが「その時間がもったいない」



それでも派手過ぎると処分したものも数点。

これはやはり着始めた頃のオレンジ系。

2008年頃?

002_img_1014oshougu

 

「明るいほうが似合うよ」と言ってくださる方もいるのですが、着ていて落ち着かないものもNG。

きものは回数を重ねて着るほど、自由に着られるようになると思います。

 

 

初期の頃は、人の視線が「まあ、あの人、着付けが変」、あるいは「まあ、あんなきもの着て」と言っているような気がして、おっかなびっくり。

「あれはいけない」「これはいけない」との決まり事も、単に自分で自分を縛っていただけなのかもしれません。



50代後半、残りの人生がどのくらいあるのかわかりませんが、場所の掟、空気もわずかながらわかるようになったので、その感覚に合わせ、好きなものをチョイス。

それが「その人のセンス」、なのでは?

センスこそを磨きたいと思います。


 

年齢にふさわしいきものがあるのではない。

その人にふさわしいきものがあるのでは~~?

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着物と女の蜜月を描いた物語

2014-09-09 07:52:39 | きものの本&本

 

「花子とアン」の仲間由紀恵さんの白蓮が人気で、

林真理子さんの「白蓮恋々」が売れているそうです。

「~~恋々」のほうはともかく、

かなり前に読んだ同じ作者の

「着物をめぐる物語」(新潮社」を再読してみました。

P8195287
刊行した年を見ると平成12年となっています。

文庫本発行の年ですから、単行本ではもっと前。

きものに興味を持ちつつも、まだ子どもや仕事できりきり舞いをしていた頃です。


再読すると、これが面白い。

というのは、この小説、きものにまつわる人々の裏の世界を描いているのです。



最盛期の銀座で働く女性たち、

芸者さんたちにきものを着せる箱屋、

歌舞伎座に出るという幽霊ーー

こういう話を集めて、

今は滅んでいってしまった

「きもの全盛期」を忍んでいるんですね。

きもの業界や銀座、歌舞伎、映画界などの

裏話を教えてくれる貴重な資料になっているように思います。

 

林真理子さんの文章には独特の匂いがあり、

好き嫌いもあるのですが、

そこを外してながらでも、

資料として読んでおいて損はないように思います。

 

 

最初に読んだときには、

あまり興味を持てなかったのも無理はありません。



だって、きものを着るのもおぼつかないのに、

業界の裏話なんてとてもとても追いつきません。

月日は経ち、少しは着られるようになり、

きもの周辺のことにも興味を抱けるようになりました。

 



その上で映画好きな私にとって面白かったのは、

「お夏」の一章。Yjimage

「ぼっけえ、きょうてえ」(岩井志摩子著・

角川文庫)というホラー大賞を獲った本の

表紙になった怖い絵がありました。

 

この絵、甲斐庄楠音という画家の作品。

私は、この本で初めて知りました。

画壇で注目を浴びたものの「穢い絵」の烙印を押され

「悩んで悩んでとうとう描けんようになってしもうた」

(「お夏」より)

そんな彼を映画界の巨匠、溝口監督

(小説の中では名前は堀口監督となっています)が、

「この人は女と美しさの百科事典のような人だ」と、

女優の衣裳考証を依頼したといいます。

 

 

「女ときものを知り尽くした」画家は、女優の卵に言います。

章の終わりにこんな帯留の写真が添えてあるのも楽しい。

P8195288


「この世のきれいなものはみんな女が

ひとり占めしてしまうもんや。

~~わしは綺麗なべべ着られる女に嫉妬(へんねし)

してたんやないやろか」

いや、ホント、いまさらながらこの言葉が身に沁みます。

 

 



美しい色と模様にあふれたきものの海を前にしたときの女、

役者、着付け師たちの執着は怖いほどですが、

自分のなかにもそんな怖さは潜んでいるのかもしれません。

けれど、やはりきれいなきものを楽しめるのは女の特権。

皆さん、もっともっときれいを、きものを楽しみましょう。

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単衣大島を自分で洗いました。

2014-09-08 07:05:30 | きものを自分で洗う

 

 

 

東京はあいにくの小雨模様ですが、そんなときこそ気分を盛り上げるためお洗濯と、単衣縞大島を自分で洗いました。

P8285529
旅行に行くときに、あまり暑くなければ着ていこうと思い、格子きものと一緒に出しておいたものです。

洗剤はご存じ「オブリージュ」

P9075800

「ブログ村きもの」でも何人もの方が使っていて評判がいいので、お試しで20ミリリットルを購入しました。二本で千円(送料六百円でした! 先に八百円と書きましたが。済みません、あとで気づきました。お詫びして訂正)



買ったからには使いたくなるのが人情。

壁にかかっている大島を見ているうち、まだ一度も洗いに出していない、単衣なので「これを洗おう」と思いついたわけです。

結城や黄八丈、絹芭蕉は洗っていますが、大島は未経験。

ちょうどいいではないの。


この鴇色縞・単衣はお気に入りなので、ダメにしたら惜しいな、もう一回、この秋に着てからにしようかなと、少し迷ったのですが、見ているうちに汚れているような気がしてきました。

まあ、同じ着るならさっぱりしたもののほうがいいなということで。

P9075789

まずサイズを測っておきます。

身丈が155センチ、裄が64センチです。

ぬるめのお湯に液を溶かし、そのまま軽く押し洗い。

何度がゆすいで、バスタオルに包み軽く脱水。



一度は外に干したのですが、小雨とはいえ雨なので、乾燥室に。

さすがにサイズが気になって、測ってみました。

ざっと測ったところ、裄はさほど 変わらないのですが、

身丈が2センチ短くなっています。

「やはり縮んだなあ。着てからにすればよかった」と少し後悔。



しかしですね、少しだけ時間をおいてアイロンをかけます。

縮んだようなので、縦方向に少しひっぱり気味にしてアイロンをかけていると、1センチほどは伸びました。

また少し時間をおいて、仕上げのアイロンをかけます。

すると、縮みも伸びて、それでも全体としては5ミリくらいの縮みです。

P9075797裄は3ミリくらい縮んでいました。

許容範囲だと思います。

 



このオブリージュの良さは、それほどわかりませんでした。

前に黄八丈を洗ったときはエマールでしたが、それほど縮まなかったので。

ただついでに洗ったカシミアのストール。

これは前にクリーニングに出したのですが、驚くほど汚れが出ました。

クリーニングって、きれいになるの?と逆に疑問が~~。

P9075794_2

風合いもそれほど損なわれず、毛玉もできず、きれいになったのではないでしょうか。

説明書を読むと、「カシミアの洗い方」が一番丁寧に書かれています。

あとは丁寧にアイロンをかければ、あと二冬くらいは使えそうです。

 

P9075799

左の写真は半月くらい前に、エマールで洗った木綿の反物。

全体では2センチくらいしか縮みませんでした。

 

 

 

 


次は、結城を洗ってみます。

少し汚れのある母のものがあるので、解いて洗い、自分で単衣に仕立て直そうかなと考えています。

後生大事に残しておいても仕方がないので、どんどん事件、もとい実験したほうが面白いので。
いい紬ほど水に強いのではないかと、これは希望的憶測。

 

その前に、順次夏物を洗っていかなきゃね。

 

旅先で撮った一枚。P8305539

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結城など自分で洗った体験が入れ子になっています。

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同系色コーディで秋気分&

2014-09-07 09:38:36 | きものコーディネイト

銀座散策のときの木綿絞りは、「林芙美子邸」に行ったときと同じものです。

このときは麻の手作り帯。

P9065783



今回も同じ色合いの琉球帯にしようと思ったのですが、軽い紬とはいえ、木綿にこれを締めると、夏気分。

いくら気温30度、蒸し暑いとはいえ、もう季節は秋、気分ではないなということで、

同系色の木綿の菊唐草を持ってきました。




というのは、先に紹介した、秋元洋子さんP9065776

の同系色コーディが頭に残っていたから。

梨花の和生活、もいいけど~~」

格子柄の白がきれいに浮き出た小紋に、

同系色、とはいえ、白と紫の印象が残る帯。

半襟も黒に紅葉の刺繍。帯締めも黒系。

帯留に赤の紅葉を持ってきて、アクセントにしています。

季節感は半襟と帯留。

同系色とはいっても、帯の白と紫で抜け感があります。

まあ、比べようもありませんが、同系色コーディはモダンになるのかな。

P9055723doukei
唐草帯の白で少し抜け感を出し、瑠璃色の帯締め、茶とベージュの入ったスカーフに、同じような赤の紅葉帯留です。

赤は、少し添えると利いてきますね。


半襟を黒にすると、顔色のくすみが目立ちますので、白ベースに鴇色系の花。

この半襟、草木染カレンダーの十月の花です。

花の草木染12カ月、帯を作りたい

P9065785


後ろの部分がカレンダーになっています(笑)。

花の名前はわかりませんが、この草木染カレンダーと友禅を合わせて帯を作るつもり、です。



R子さんは素晴らしい、久留米・雪んこ絣(ですよね?)

P9055750

これは親戚の方にいただいた貴重な反物を、自分で縫ったそうです。

和裁も習っていないのに、エラいよね。




そしていつもながらの手作りバッグ。

P9055729古いジーンズを解いて!!うろこ模様を作っています。

本当は全部をうろこ模様にしたかったのですが布が足りなくて、白を周りにもってきたそうです。

でも、この白があるから、黒いうろこが映えています。

うーん、私も手持ちのジーンズを解こうかな。

きもの、帯、バッグまで全部手作りということです。すごいなあ。



因みに銀座を歩いている人のお着物を拝見したところ、薄物の方はさすがにいらっしゃいませんでしたが、松屋呉服の方が薄物に麻の帯。

「ほんとはいけないんですがね」としきりに仰っていました。

木綿でも蒸し暑かった一日でした。



二人で記念写真、はい、ぱちり。

私のヘアは少しクラシカルに、少しだけ耳隠しです。

R子さん、いつもながら姿勢がいいですね。

Ishoni

P9025697

旅先で見つけた花。なんて名前だろう。


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久留米と綿絞りとジャズと宝石と

2014-09-06 08:27:49 | きものでお出かけ

夏の疲れが出たせいかインプラントの部分の歯茎が張れてしまいました(汗)。

予約まで痛さを忘れたいと?、きもの友達と久しぶりにゆっくりお茶。

銀座の国際ファーラムでやっていたジャズ・フェス&ミキモトホールで宝石を堪能してきました。

P9055775
このイベントは、無料でこの土日にもやっていますので、ジャズ&銀座に興味のあるお方は覗いてみてくださいませ。



会場では、ご夫婦?で来ていた方々が目の前にいらして、旦那さまは前のめりでノリノリ、けれど奥様は付き合っただけなのか、演奏の最中、あの音のなかで熟睡されていて、ときどき後ろに倒れそうに~~。

舞台の真ん前での熟睡~~、演奏より、そっちが気になってしまいました。


P9055734


演奏まで時間があったので、松屋できものを見たりと久しぶりのきもの散策。

「秩父太織」という70万円くらい!の、露草色の紬やら花織ロートン織の帯、久米島紬やらを肩にあてたりさせてもらったあと、「また来ますね」(笑)と、拝見するだけで満足な二人~~。

P8305675

 ごめんなさい、もうすぐ買います~~。

左の写真は伊勢で買ったマイカラーの伊勢木綿。





ミキモトホールでは、賞を獲った宝石を、これまた堪能。

P9055741「愛しい月」という名前の指輪。

「お月見用に、一ついただこうかしら」

P9055748

幸せを宝石の形にしたらこうなるという「幸せの結晶」。新人大賞受賞作品です。

「これは娘の結婚式にどうかしら」

そして、P9055743 右は「日々うごめく生命を表現」したという「そして、生まれゆく」

日々、うごめく命の形。

「日々うごめく命が、こんな風な宝石になって出てくるといいわね」と、元気をいただいたのでした。

宝石には興味はないのですが、ネーミングが面白い~~。


もうそのあとは、交通会館の一番上にある東京会館のスカイラウンジでゆっくり。

ここは、銀座の穴場です。

ゆっくり、ゆっくり、動いているとは気づかないくらいの早さで銀座を展望。

人も少なくて、久しぶりのおしゃべりに花を咲かせます。


P9055752


東京駅も見えます。

おしゃべりに夢中になり気が付いたら全部食べ終えていました。

P9055756



ご一緒してくれたR子さん。

P9055731


帯結びはこの夏、花椿あや子さまに教えていただいた「大人レイヤー」

皆さま、花椿さんのところに直接行って習ってくださいね。



「まあ、可愛い!」「素敵!」という声があちこちからかかってきましたよ。

R子さんも、「半幅はもうこれ!」とすっかりお気に入り。



この帯は、スカートを直したという手作り、というからすごいですね。


P9055738sionn1



それにしても、あ
あ、歯が痛い~~。

心のメンテナンスは先の旅でしてまいりましたが、肝心の身体のメンテがまだでした。

あちこちにガタがきているようです~~。







年齢を、古さではなく、味わい深いビンテージものにするため、身体のメンテしてきます。

それにしても、インプラントの代金できもの何枚も買えるよ~~。

暑さときもので(なんでもきもののせいにするな)油断してしまった。

皆さま日頃のお手入れを大事にしてください。



コーディやらR子さんの素敵な手作り品など、またすぐにアップさせてください。

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伊勢神宮に行ってきました。

2014-09-04 07:58:09 | 旅・少し遠出

 

 

 

念願の伊勢神宮に行ってきました。

伊勢神宮は、今年は式年遷宮、20年に一度、

神様のお住まいをすべて新しくつくり替える、

新しい社殿にお遷しする年だそうです。

P9035709










今年のお正月号の「ミセス」(文化出版社)でも

特集を組んでいて、行きたいなあと思っていたのです。

 

P8305536

 

突然の訪問でしたが、名古屋の知人が気持ちよく

(たぶん)付き合ってくれました。

Hasi1_2






訪れた人を神域へといざなう宇治橋。

 


ミセス」では、満島ひかりさんが、

志村ふくみさんのきもので撮影しています。

赤系が緑を背景に映えています。

 



同じ場所で、「同じように撮影してね」P9035708

と図々しいお願いをしたのですが~~。

P8305569

「モデルが違う」

「カメラマンの腕が違う」

と、揉めたあとは、

すべて水に流し敬虔な気持ちでお参りをします。

 

P8305586

 

 

 

P8305579asi


P8305592_2



かの西行さまが「かたじけなさの
なみだこぼるる」と

おもわずつぶやいたP8305588という伊勢神宮。

まさに、どこにいても神聖なものを感じる空間です。

ここで、これまでの垢を落として、

清らかになりたい~~。




お参りが終わったら、

「赤福」でお団子と赤福氷をいただきましょう。

氷のなかには、かのお団子が入っています。

P8305561aka P8305666



夕食は、はい、もちろん松坂牛でございます。

P8305678

「かたじけなさのなみだこぼるる~~」

のはむしろこっち??

 

P8305629

伊勢神宮の掃除駕籠。

駕籠まで神々しい~~??


翌日、知人は仕事に。

 

ワタクシはテレビもパソコンもない

とある場所で修行??

旅の記事は、これでおしまいです。

あとは、きものも東京も忘れてひたすら食べる、

読む、掃除する、運動する、の五日間でした。

 

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今回は一か所滞在だったので、もちろんすべて宅配です。

もう楽~~。

 

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