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冉雲飛:世界著名「売国奴」言論集

2008-04-25 11:34:46 | 中国異論派選訳
冉雲飛:世界著名「売国奴」言論集

 最近は「愛国」を演じるのが大流行している。義和団のように「愛国」となれば実に勇敢である。私は彼らの「愛国」理念に同意しないが、彼らの権利は尊重する。しかし、一部の面識のない「売国奴」が、世間に埋もれてしまいやすい真相を語っていることに私は心から敬服する。ここに彼らの言論を抜粋して、皆さんの検討のための標的にしよう。彼ら有名な「売国奴」の略歴は、BaiduやGoogleですぐに探し出せる。君が墓を掘り返して死体を突き刺し、彼らの祖先を八代さかのぼって辱めようと思ったら、君たちには人物検索技術はたくさんあるだろうから、自分でやりたいようにやってほしい。たぶん彼ら「売国奴」が迷惑することはないだろう。

 六経が我を注するのか、我が六経を注するのか(南宋の儒学者陸象山が六経が我を注するのであり、我が六経を注するのではないと述べたことから)、それは学者たちが検討する問題である。私はただ、私が見た「売国奴」たちの言論に、すこし私の注釈を加えただけだ。君がどう見るかは、完全に君の自由である。要するに、愛国にも条件があり、愛国主義もまた無条件に受け入れるわけにはいかないのだ。ましてや「愛国」の2文字を見たとたんに、自分の1つしかない多少思考する大脳を質に入れるわけには行かない。このような質入れは非常に危険である。なぜなら君には請け出す機会さえないかもしれないからだ。

1、愛国主義はごろつきの最後の避難所である。―――サミュエル・ジョンソン(イギリスの詩人1709-1784)
 冉注:国内民主化の視線をそらすために、「愛国主義」はごろつき政客の最後の頼みの綱である。

2、愛国主義とは積極的に取るに足らない原因で人を殺したり殺されたりすることである。―――バートランド・ラッセル(イギリスの哲学者1872-1970)
 冉注:このことを私たちは非常に多く見てきた。国共内戦から最近の(チベットでの)殺戮・(胡佳らの)拘禁まで、枚挙に暇がない。

3、愛国主義とは原則を超越したところにある不動産に対する専横な崇拝である。―――ジョージ・ジェーン・ネーサン(米国の劇評家1882-1958)
 冉注:「愛国」の神聖化は一種の思考を経ない神話であり、疑いを容れない、一旦疑ったらそれは漢奸(漢民族の裏切り者)、売国奴である。

4、君が愛国主義を人類から駆逐しない限り、君は永遠に安らかな世界を得られないだろう。愛国主義とは有害な、精神の錯乱した白痴状態である。愛国主義とは君に、君がそこに生まれたがゆえに、その国が他のすべての国よりも優れていると確信させる。―――バーナード・ショー(イギリスの劇作家1856-1950)
 冉注:このような精神錯乱の白痴状態は、中国で特に盛んなようだ。

5、愛国主義:いつでも野心家がそれに火をつけて彼の名前を輝かせることができる燃えやすいごみ。―――アンブローズ・ビアス(米国のジャーナリスト1842-1914?)
 冉注:君を利用したいときは君に火をつけ、必要ないときは暴力を惜しまず使って「愛国」の火をもみ消す。四川方言では、「人が要る時は要るし、要らないときはションベンをひっかけてやる」という。どうも少なからぬ「愛国者」が濡れてもいいと思っているようだ。

6、愛国主義とは認知領域に入って来たら外に捨てさるべきばか者である。―――アルトゥール・ショーペンハウエル(ドイツの哲学者1788-1860)
 冉注:愛国は確かにしびれる感情であるが、この感情は理性の柵を飛び越えないようにしっかり見張っていなければならない。

7、自尊心のない人間でも国を愛することはできる。彼らは少数のために多数を犠牲にすることができる。彼らは彼らの墓の土を熱愛するが、彼らの肉体を生気にあふれさせる精神に対してはまったく心を寄せない。愛国主義は彼らの頭の中のウジである。―――ヘンリー・デービッド・ソロー(米国の博物学者1817-1862)
 冉注:ウォールデン湖に隠棲したソローは陶淵明のような隠士ではなかった。彼は「市民的不服従」を提唱した真実の市民であった。

8、民族主義は我々の近親相姦の形態であり、我々の偶像崇拝であり、我々の精神錯乱である。「愛国主義」は国の迷妄な崇拝である。言うまでもなく、いわゆる「愛国主義」的態度は自らの国を人道より上におき、正義と真理の原則の上におくのである。―――エーリッヒ・フロム(米国の精神分析学者1900-1980)
 冉注:民族主義と愛国主義は尻の割れていないズボン(つながっているということ。中国の乳幼児用のズボンは排便しやすいようによく尻が割れている)だから、錯乱の炎が燃え上がったら、君には逃げ場がない。

9、我々に国を愛させようとするなら、国が可愛くなければならない―――エドモンド・バーク(イギリスの政治家1729-1797)
 冉注:君が何かしたら密告され、出かけたら監視され、異論を発表したら監獄に送られるかもしれない。かくも私たちの国は極め付けに「可愛い」。しかも遺憾なことに、一部の同胞はそうだからこそ「国を愛している」。

10、真実の愛国主義は他人の愛国主義に対する理解を排除しない。―――エリザベス二世女王(1926-)
 冉注:愛国主義の解釈権は中国にあり、しかも当局が独占する洗脳資源である。

11、異議は愛国の最高形式である―――トーマス・ジェファーソン(米国の第3代大統領1743-1826)
 冉注:中国では監獄に入る確率の高い「形式」が「異議」である。

12、こういう連中を、日本ではファシストと呼び、ドイツではナチと呼び、中国では愛国者と呼ぶ!―――王朔(中国の作家1958-)
 冉注:私は朔さんの原文は見つけられなかった。これはネット上で流布している発言である。中国の当局に焚きつけられた「愛国者」が、前二者とよく似ていることは、1949年以降たくさんの実例がある。

13、愛国者の責任は国が政府に侵犯されないように保護することである―――トマス・ペイン(イギリスの政治評論家1737-1808)
 冉注:私たちの国は政府による侵犯を受けているだけでなく、共産党による侮辱も受けている。しかしペインの愛国者に対する要求は、わが国では売国奴とみなされる。

14、祖国にとって、すべてに満足な愛国者ほど怖い敵はいない―――ネクラーソフ(ロシアの詩人1821-1878)
 冉注:彼らは必ずしもすべてに満足しているのではないかもしれないが、当局の人を馬鹿にした愛国主義の宣伝には非常に満足している。

15、君自身の自由を勝ち取ることこそが国の自由を勝ち取ることだ。君自身の権利を勝ち取ることこそが国の権利を勝ち取ることだ。なぜなら自由で平等な国は召使が作るものではないからだ!―――胡適(中国の思想家1891-1962)
 冉注:多くの人が常識はずれの逆ピラミッド教育(原注:荘子が言っていた「逆さ吊り」の人を思い出す。訳注:荘子外篇繕性篇「倒置之民」人と物が逆転していることの風刺)――国家、集団を個人の上におく教育によって、個人がなんだかわからなくなっている。本当の人がわからなくて本当の国がわかる道理があろうか。

16、人権は国の最大のメンツである。……一つの政権が門を閉ざして自国の一般市民の権利さえ守れないのであれば、国際舞台で自国の権利を守る権利がどこにあろう、むしろその合法性が疑われるだろう。―――張思之(中国の弁護士1927-)
 冉注:中国当局の人権に関する二重基準はすでに久しい。中華の物力によって、外国人の歓心を買う(原注:オリンピックブタ、オリンピック水、オリンピック天気などの基準は当局が中国民衆むけに決めた基準よりはるかに高い。しかし、「客人達」が享受できるこれらのことを、中国人は享受できるだろうか?)。当局のメンツ(原注:このメンツの中には彼らの利益がある)は国内の庶民の人権に勝る。人権のない庶民は非常におとなしく砒素の入った愛国主義という毒薬を飲む。違うぞ!国民よ。

17、悪い国は国がないよりひどい。……我々が愛するのは人民のために幸福をはかる国であり、人民が国のために犠牲になる国ではない。―――陳独秀(中国の政治家1879-1942)
 冉注:共産党初代総書記の教えによれば、現在の後任者が統治する国は「悪い国」にすぎないだろう。

18、国の政治、経済が重大な危機に直面すると、いつも愛国主義のぼろ旗が異臭を放ちだす。―――レーニン(ロシアの政治家1870-1924)
 冉注:レーニンは存命中、もちろん人類にとっての福音ではなかった。しかし、彼のこの言葉はあたかも自分を鋭く攻撃するような味がある。彼が権力を握っていたときに取った戦時共産主義政策は、大量の人を殺し、飢え死にさせた。おそらく「ぼろ旗」で「異臭を放つ」愛国主義で民心を篭絡したのであろう。

2008年4月17日 成都にて

原文:http://www.my1510.cn/article.php?1baddad0309b4255

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