思いつくまま

みどりごを殺す「正義」はありや?
パレスチナ占領に反対します--住民を犠牲にして強盗の安全を守る道理がどこにあろう

治安維持法が軍部独裁への道を開いたとすると・・・

2005-05-15 11:22:59 | 雑感
「1925年には、男子普通選挙方が成立し、1928年の衆議院選挙においてはじめて実施されるに至った。・・・しかし、当時の議会政治は、その大道を歩むいとまもなく、軍部の抵抗にあって挫折する。すなわち、元老の影響力が後退する一方で、昭和期に入ると、議会に対する軍部の攻撃が強まった。その遠因として、普選法と同時に制定された治安維持法により、議会政治の前提条件をなす市民の自由な政治活動が封じられてしまったことがあげられる。」(『憲法Ⅰ』有斐閣2001年第三版P51)。
自由な言論の封殺とは、封殺者を直接標的にしない国家主義的言論のみが氾濫することにつながる。とすれば、現在の中華人民共和国(以下中国と略称)は、そのような危険が非常に高いといえる。共産党によるこの国の建国以来「反革命罪」によって、一党独裁に対する批判的言論は厳罰をもって封じられてきた。この罪名は、現在は「国家安全に危害を加える罪」(刑法第2章)と名前を変えているが、実質は変わっていない。現在でも、中国で公開発行されている新聞の切抜きを送っただけで、同章の中のスパイ罪(第110条)で令状なし逮捕が行われている(新疆ウイグル自治区の事例など)。また、治安維持法に規定のあった予防拘禁も、中国では法律の規定もないまま日常的に行われている(直近では、反日デモ後の非党員国家主義サイト主催者の事例など)。
言論の自由が封殺されたまま大国化していく中国は、どこか戦前の日本に似ているような気がする。