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浜崎あゆみ 価値構造とブランド価値の違い

2007年02月28日 | 女性アーティストブランド価値評価・構造
 いやぁ~、今日は風も吹いているし、花粉症の身にはキッツイですね(泣)。

 今日(2月28日)は、浜崎あゆみ 『BEST 2 -BLACK-』、『 BEST 2 -WHITE-』の発売日です。

 彼女のベストアルバムは『A BEST』のリリースが2001年3月でしたから、早6年が経過したことになります。

 私の少年時代と違って、物心がついたときから、“消費主体”として自己を確立してしまった10代や20代前半の若年層のCD購入比率が高いことを勘案すると、彼女の「ブランド価値」が高いであろうことは、容易に推察できます。
(その傾向は、水樹奈々と共通するものがあります。)

 よく音楽メーカーや広告代理店の皆さんは、「認知度」「好感度」という言葉を使われます(私もよく使ってますね・・・)。

 一般的な「好感度」では、かつて音楽パッケージ市場のシュリンクにもかかわらず、驚異的なセールス枚数で凌ぎを削られた、この方には敵いませんが、
ユーザーに内在化したブランド価値
において、この方に大きく水をあけているのが浜崎あゆみなのです。

■価値構造

 とても堅い価値構造です。

 「声質」「歌詞」「曲の構成」などの基本価値が、魅力度・好感度・カッコよさに貢献する傾向が強い。
 「当たり前の傾向でしょ?」とお思いかもしれませんが、他のアーティストではなかなかこうはいかないもんなんです。

 「ファッションセンス」「ルックス」などの感覚価値が、魅力度・好感度に貢献する傾向はもっと強いと思っていた(私の仮説)のですが、仮説ほどではなかった。
 もちろん、「ファッションセンス」「ルックス」は魅力度に貢献していますが。

 これは、「ブランド価値評価」と異なり、浜崎あゆみの「認知者」を母数としているからでしょう。

 欲を言えば、“ここ”のスコアが高まればもっと、、、という項目もありますけどね(笑)。

■ブランド価値評価

 基本価値では、「歌唱力」「声質」というご自身の直接的な資質よりも、「歌詞」「楽曲構成」「楽曲の洗練さ」の評価が高い傾向にあります。

 最も大切な観念価値の「生き方への共感」「人に自慢したい」の評価が驚異的に高いのですが、これは「価値構造」と符合することです。
 積極的な口コミを誘発する可能性が高いと推察される「人に自慢したい」では、やはり水樹奈々と同率で高いです。

 やはり“ここ”が高まればさらに、、、という項目はありますけどね。

 感覚価値の「ファッションセンス」も高いですよ。
 おそらく彼女に勝っているのは、日本ではかの方だけでしょう。
 先日、私が記事を書いたあの方に水をあけるように頑張ってほしいものです。

 (注)ブランド価値評価とは、“ユーザーとの結び付きの強さ”ですから、
    テーストの違いは無視しますよ。

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1.ブランド価値をより高める(劣化させない)ために必要な項目は、感覚価値にあります。

 但し、どれがどうとかは、私が言うほどのことではないと思いますので。

2.ファンの底辺拡大(取り込み)の為に必要なポイントは、感覚価値より基本価値にあります(「価値構造」より)。
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 ううん、、、今シーズン初めて飲んだ花粉症の薬が効いてきました。私の場合、1日1錠でもちます。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うーん ()
2007-02-28 18:20:37
とても勉強になりました。
なるほど・・・と。
CDは今、購入しないというのが多いですからねー
・・・という私もあまり購入しないw
水樹奈々という方知りませんでした・・・最近の
音楽事情に疎いので。
最後のあの方は地道に頑張ってますね。昔より
今の彼女のほうが好きです。
返信する
ようこそ (井上秀二)
2007-03-01 12:17:40
>香さん

こちらではお初ですね!
最後のあの方、個人的には好きですし、
やはり今のほうがいいです。
返信する
Unknown (路傍の石)
2007-04-03 20:13:55
価値構造の話、面白いですね。
音楽における価値感の概念をそれぞれの指標で解釈していくと
リスナーがどんな評価で魅力を見出しているのか、
世代による傾向までも説明できそうだなとか、
いろいろと想像を巡らせています。

かつて自分は観念価値だけに偏っていると思ってましたが、
決してそういうわけじゃないんですね。
基本価値、感覚価値、観念価値の相関的なバランスの上に
ブランド価値は成り立っていると。
そう考えていくと、自分のなかでも、
基本価値→観念価値→感覚価値と言った具合にフェーズを経た
ある種のスパイラルが生じていることを感じます。
(言ってることが見当違いかもしれませんが)
このあたり、オフ会で出会う20代の人たちとも話していて
感じることもいろいろあって、
深く考えていくと面白そうです。
きちんとしたサーベイを経て検証されている井上さんの
前でこんなことを申し上げるのはおこがましいことですね。
お許しください。
返信する
コメント嬉しいです♪ (井上秀二)
2007-04-03 22:00:35
>路傍の石(帝熱音盤解放戦線)さん

的確なご指摘、どうもありがとうございます!

私の「ブランド価値評価論」は、関西学院大学の和田充夫先生(関係性マーケティング)の理論をベースに、「アーティスト」のモデルを作ってみようということで構築し始めました。
(飯原経営研究所で一番試みたかったことが、退職間際に実施できたのは幸いでした-笑)

「価値構造」については、今年になってから、データ・マイニング(発掘)を始めました。
性別や世代別の傾向も面白いですよ。

「仮説」から出発しておりますので、色々とご指摘下さると嬉しいです(^o^)。
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