あかん、調子に乗ってイタズラに過去と対峙することは危険だ。私の場合自己憐憫が酷くなり不安定になる。酷い虐待を受けた人なら意識を明確化する事で余計に精神が壊れてしまう。
夜と霧の人は実際に体験した過去こそが過去のみがこの世の真実だと書いていた。ご自身はそれでアウシュビッツを生き延びられたそうだ。私はお悟りと違うので混乱してる。
今現在、シリアで理不尽な不幸に見舞われている人はほんの10年前は良かった、とインタビューで答える。例えば売春を強要されている少女が暴力を振るう兄に対し内戦前は優しかったのよ、と微笑む。足を失い日々食べる物に困る男性は、リビアで戦死した弟とプールへ遊びに行った事を懐かしむ。酷い目に合っている人は幸せな思い出を語る時、まるでその場面に居るように幸せそうな顔をする。美しい思い出を糧にして生き延びておられる。
私は人間同士が殺し合う世界の仕組みが理解できない。
そして平和な日本で普通に暮らしている戦地からみれば幸せな人は不幸な過去を思い出して死にたくなる。
生かすも殺すも過去次第という事ならば今は？未来は？何かわからないので寝る。
