眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

寒い空

2022-10-17 | 
刹那の微笑を想うとき
 君の後姿を想い出す
  それは哀しみであり悔恨であり
   僕自身の欺瞞の様相だった
    愚かだった僕は
     未だに君の影を想っている
      あの揺れていた時代のその風景そのままに
       許されるならきっと

       断罪された余白で物語を描くなら
        僕は奇妙な笑顔を作って
         白紙の散乱を情景に写した
          模写された安寧を
           あのスプリングの飛び出た緑色のソファーに記憶するのだ
            容赦ない日常の羅列の間に間に於いて

             記憶された記号が玉座に趣いた瞬間
              気泡が弾け
               君の永遠を想う
                懐古趣味的なバロックで
                 僕は舞踊曲を弾くだろう
                  あなたの難解な指使い
                   技巧的な運指に隠された感情の慟哭を
                    それは
                     叫びであり微笑であり
                      愛であり孤独であった   
                       

                       おいで

                        スプリンクラーが壊れ
                         水が流れ続けた廃墟の庭園で
                          林檎を齧りながら君は何を想っていたのだろう
                           哀しみの連鎖
                            我々は世界を
                             最果ての国と名付けた
  
                             かりそめの祝賀会
                              用意されたはずの結末
                               水の無い噴水にて
                                僕等はクッキーを齧り
                                 寒さを愛しく感じ
                                  バーボンで身体を暖めた
                                   寒い寒い冬の出来事だった
                                    表層に悔恨はまだ無く
                                     細い糸の様な希望を握りしめていた

                                     おいで

                                    長い前髪を悪戯して
                                   君はフィリップモーリスに灯を点けた
                                  細長い煙が宙空に流れた

                                 ねえ
                                スプリンクラーが壊れているよ

                               僕が呟くと君はくすくす微笑んだ

                              微弱な電波のせいだね
                             星からの打電さ
                            ところであの喫茶店の洋なしのタルトを食べたかい?

                           洋なしのタルト?

                          そう
                         今度のお茶会にうってつけだよ

                        そう云って君は永遠に来客の来ないお茶会の話をした
                       薬が回ってくると
                      君はいつだってお茶会の話をした
 
                     オレンジ色の蛍光灯
                    調弦の狂った楽器
                   僕等は何杯もウイスキーを煽った
 
                  きっと来るよ

                 何がさ?

                パレードだよ

               君はそう云って煙草に灯を点けた

              もし
             もし一週間後この世界が無くなるとしたら
            君は何を弾く?

           僕がそう尋ねると
          君は不遜にギターを構えた

         永遠の歌

        君は楽器を弾き続けた

       永遠に

      空が綺麗だった

     それが最後の記憶だった


    永遠の歌


   それが最後の記憶だった

  酔いが回りろれつが回らなくなった深夜の鎮魂歌

 明日の空は綺麗だろうか

明日の




























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