眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

かけら

2008-01-23 | 
割れた鏡のかけらに光が乱反射した
 磨耗した仲介人の役割は
  その瞬間意識の断絶を容易せしむ
   役割が終わったのだ
    光は四方八方に広がり
     アンテナハもはや情報を入手できない

     チベットのラサに行ったことがあるかい?
      いい所さ
       高山病が難点だけれども
        チベット鉄道も開通したし
         なんてったって
          ダライ・ラマがいる
           そういって同居人は旅立った
      
      家の瓶にジェリービーンズが残った
     赤 青 黄色
    手のひらで転がして庭先の猫にあげた
   残る物は
  結局のところ奇妙に歪んでみせる空虚な空間
 部屋の一室だけを根拠に揺らいでみせる意識のかけら
割れた鏡の暗示
 光が拡散する
  
  空がさ
   やけに綺麗なんだそうだ
    夢見る居心地でソファーに座り
     チベットの寺院に想いをはせる深夜の郷愁
      あんたの帰る場所は案外とこんな所なのかもね

       実際そうなのかも知れない
        現実界への仲介者が役割を失う夕刻の時間
         ラサへ行く君と部屋に残る僕
          日常が続き或いは非日常に精神を弛緩さす

          「界隈は危険でね
            酒をやるなら部屋のほうが良い
             もちろん鍵はかけてね
              葉っぱもあるがお薦めはできないね
               依存性が高いし
                第一祈りのほうが無難なところさ」

          鏡を割って行ったのは君で
         部屋に残された僕は
        破片に写る被写体の如く
       哀しみの虚像を幾重にも重ね
      上手く眠れない夜には人間という役割を放棄するのだ

       僕は瑣末な意識に縛られる存在

        好きなものを好きとも云えず

         青い空を夢見る
        魚の影が泳ぐ鏡のかけら


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする