けんきゅうきろく(と、あともうひとつ)

レアル・マドリー、リーガエスパニョーラ関係の、なんとなく気になるニュース。

優先されるもの

2009-03-13 20:16:05 | football

ポケットに手を突っ込んだまま受け答えする不満顔のモリエンテス


モリエンテスのプレスカンファレンス記事に目を通しましたが……まさかそんな内容だと思わなかった。なんというか、「やっちゃった」と感じるところもあり、ただその言動は支持してやりたくもある。

何があったか、は、las provinciasのこの記事から。「ロッカールームは反抗している」で書き始めてるくらいなので、あまり楽しくない記事ではありますが。モリエンテスに関する内容が、記事の途中から出てきます。そこまでの前フリは、ロッカールームがクラブの干渉に反抗を示し始めていること、例えば、ウニベットのプロモーションの一環でロッカールームを見せることに反対していることとか、2月1日から支払いが止まっている給与を、さすがにもう支払ってもらわないと困るという選手たちが出てき始めているようだとか。で、モリエンテスに関する部分から、冒頭の辺りだけ抜粋。

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クラブに対する不信が存在することの例が、フェルナンド・モリエンテスの口から出ている。モリエンテスは昨日、エストレージャ・ダム(スポンサーのひとつ。ビール会社)のテレビCM(元バレンシアのピオホ・ロペスが出演)のプロモーションイベントに出席するため、パテルナからメスタージャまで移動しなければならず、負傷箇所のケアをする時間を減らさなければならなかった。

「私はこの数日間、チームと一緒にトレーニングできないでいた。しかし今日(12日)は、フィジカル的な負荷の点から言えば特別重かったわけではないが、トレーニングをコンプリートした。ただ、彼らは、このイベントに出席させるために、私を理学療法を受けているベッドから連れ出した。このイベントは、私の回復よりも重要なもののようだから。」

一連の言葉は、スピーチを聞いている人々、この特別な席に出席しているクラブの代表者たちやスポンサーの関係者たちの間に、ピッチャーの冷たい水を浴びせかけたような格好になった。目に見えて不機嫌な様子で、モリエンテスは投げかけられる多くの質問に答えていった・・・
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抜粋終わり。スポンサー様のイベントで、唯一出席している選手が、冒頭いきなりこんな話を始めたというわけですから、そりゃもうどれだけ会場が居心地の悪い沈黙に支配されたか、想像のつくところであります。
珍しいですよね。「温厚な」とか「人の良い」とかいった形容詞がつくことの多いモリエンテスが、公式の場でこんなこと言っちゃったわけですから。ある意味、デルボスケ事件級(2003年、指示に従って試合の前半途中からずっとアップし続けたあげく結局出番がなかったので、デルボスケに向かって暴言)です。
もっと平和で落ち着いた時なら、こんなことを公の、しかもスポンサーイベントの場でぶちまけたりすることはしないだろうとは思います。でも、給料未払い、フロントのゴタゴタ、巨額の借金で先行き不透明、しかも1ヵ月半勝てていない。ロッカールーム、選手たちがどれくらい荒んだ気持ちになっているか、ということの表れだと言えるかも知れません。

ただ、モリエンテスがぶちまけた不満の内容は、いかにもモリエンテスらしくて、そこは非難したくない。年齢のこともあり負傷しやすいこともあり、普段から丁寧に身体のケアはしているだろうし、まして一番気になる箇所の負傷から回復したその日の、トレーニング後のマッサージ。十分に時間をかけたかっただろうし、それがプロフェッショナルとしてのあるべき姿だろうと思います。そこを「スポンサーのイベントに間に合わないから」と、中途半端なところで連れ出された。貧乏なクラブにお金を出してくれるスポンサー様のご機嫌取りも、それは確かに大事だろうし選手の義務のひとつだとは思う。でもモリエンテスは、純粋にフットボールとして「何が大切なのか?」ということにただ忠実であっただけ。間違っていない。不器用なだけで。

と解釈し、支持してやりたいと思うわけです。

というかそもそもこの日のトレーニング自体が、1時間遅れてスタートしたということらしいんですね。理由は「アクシデントで」としか明らかにされてないそうですが、それがなければモリエンテスもこんな態度をとらなくて済んだだろうに。ミゲルが寝過ごしてで遅刻したらしいけど、ミゲル一人のためにトレーニング開始時間が遅らされたりはしないだろうし。選手間、あるいはコーチ陣と選手たちの間で何か話し合いでもしていたんだろうか。

ではそれ以外のプレスカンファレンスの内容を、levante-emvの記事を中心に。
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チームに最大の連帯を求めた副会長のフェルナンド・ゴメス(数日前、選手たちのプロフェッショナリズムに疑問を投げかけるような発言をしたらしい)について、モリエンテスは「一連の発言を気にしていない」「心機一転でいく。何も言うことはない」と述べた。
しかし、フェルナンド・ゴメスのコメントとそれに対するチームメイトたちの姿勢を聞かれた際には、「(フェルナンド・ゴメスの発言を)気にした人がいるかどうかは知らない」と認めた。

「バレンシアのようなプロフェッショナルチームの周辺で起こる、いろいろなコメントや憶測を止めるには、勝つことだ。我々に自尊心や信頼を取り戻させるために唯一できることは、ピッチに出てできる限りの力で自分たちのトレーニングをすることだ。」

モリエンテスの意見では、バレンシアは「トレーニングの際でもプレイする際でも、プロフェッショナリズムを欠くことは決してない」。さらに「それぞれの人生があり、それぞれが自身が望むことをやれる。」と付け加えている。
「もしスポーツ面の問題が続くのなら、今回のように多くの誤解がチームを取り巻くことだろう。しかし、皆それぞれが、手の中にあるもの、将来にあることを理解する大人でもある。」

土曜日の試合、メスタージャの雰囲気については、「何が起きるかわかっている。このチームが戦う準備ができ、勝利への強い気持ちを持っているのをファンが見るまでは、難しいものとなるだろう。」
「引き分けるか、勝利するか、敗れるかで、すぐに事態は変わってくるだろう。しかし私たちは、数分間で空気を変えられるように、ファンを力づけなければならない。疑いを引き起こすことなく、ゴールを決めてスタートすることが必要だ。」
モリエンテスにとって「望ましいこと」は、次の試合でできるだけ早く勝利をつかむことだ。「誰にもとって難しい1週間になった。私たちは、いま存在しない落ち着きを取り戻すため、勝利を考えるだけだ。」

ダビド・ヒメネス・シルバに対し、ユヴェントス・トリノからオファーがあるといううわさについて質問され、モリエンテスは「シーズン当初から今日まで、バレンシアのビッグプレイヤーたちについてそういう話、移籍の話がされている。それは誰にも避けることができない。しかし重要なのは、今だ。」と答えた。
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このイベントを終了した後、モリエンテスは素早くメスタージャを後にした、とのこと。


場合によっては、クラブから説明を求められたり罰則の可能性もあるのでは、なんて報道もありました。罰金かな。何試合かベンチから外されるのかな。FWいないけど。


12日、トレーニングに復帰

予定

2009-03-13 06:39:43 | football
1週間にわたって放置してしまったバレンシア。水曜日の時点では、「エメリは8人を欠く」と記事が出て、ビジャ、ホアキン、シルバ、モリエンテス、アングロ、マルチェナ、マドゥロ、ミゲル、レナン、と全体トレーニングができなかったとのことでしたが、木曜にはもう少し改善したようです。
一番のニュースは、1月18日のサン・マメス以来、2ヶ月に渡って負傷で離脱していたレナンが、通常の全体トレーニングに戻れたということ。レナンかセサルか、エメリはどっちでいくんだろう。

で、公式には載っていないのですが、バレンシア系各紙を見ると、他に、マルチェナ、マドゥロ、モリエンテス、アングロ、シルバは全体トレーニングができたとのこと。モリエンテス、レクレ戦も無理だと言われていましたが、なんとか間に合いそう…かも。なにしろビジャが全治15日でまだ無理なのに、モリエンテスもアングロも負傷で、今度はFW不足。なんとかレクレ戦までにコンディションを整えてほしいところです。
木曜のトレーニングも別メだったのは、ビジャとホアキン、ミゲルで、この3人は週末のレクレ戦は難しいと見られているようです。ミゲルなかなか戻って来れないなあ…というか、これでは右サイドが死んでしまうではありませんか…。パブロ、がんばれ。


で、そのモリエンテスですが、いつもとちょっと違う場所でのプレスカンファレンス担当になってました。現在、バレンシアはクラブ創立90周年の行事をあれこれやっています。その一環で、元バレンシアの選手、クラウディオ・ピオホ・ロペスが出演するテレビスポットの、プロモーションイベントがメスタージャのVIP席にて12日に行われ、選手代表モリエンテス、という…。
時間がないので、プレスカンファレンスの内容は夜に。