ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

美しい切子のワイングラス 113ページ目

2009-05-24 20:49:35 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【113ページ】


先生   その後どうなりました?

社長   本能的に何かおかしいと思ったのでしょう。しばらく迷っていました。

     そして、突然、コルク片が浮かんでいると言って、指で取る仕草をし、

     もう一度テイスティングをしました。

先生   それで?

社長   コルク片を取り除くと、シャトー・ラトゥールよりもメルロ種を強く

     感じるワインだと言いました。

先生   コルク片はたぶん浮いてなかったと思いますよ。

     それに、コルク片を取り除いて、ワインの味が変わったというのも

     変ですよね。

社長   そこなんですよ!

先生   たぶん指でしょう。

社長   指?

先生   指にメルロ種のビロードのようななめらかさを感じたのでしょう。

社長   するとコルク片は、ワインに指を浸ける口実だと?

先生   そう思います。

     さすがうわさ通りのすごい方ですね?

社長   しかし、私も負けて、先生の最高傑作を取られたのはくやしいじゃ

     ないですか!

     最後に和さんに毒矢を放ちました。

先生   毒矢?


114ページに続きます。


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