ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 145ページ目   アルコール分は缶ビールと同じ

2014-09-16 23:50:48 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【145ページ】



「白濁?」


白濁 ベルギービール 缶 330ml×24本
クリエーター情報なし
日本ビール




 佐藤は、首を傾げながら、ママは何の話をするのだろうと思った。


「これはベルギービールで330mlの缶入りです。

アルコール度数は5%です。

さて、このしろにごりのアルコール分は何mlでしょうか?」


 佐藤は、頭の中ですばやく計算した。


「16.5mlです。」

「そうですね」


 陽菜は、ロイヤルロッホナガー1991 16年カスクストレングス56.1度を開栓し、

メジャーカップで30mlをはかり、グラスに注ぎ、佐藤の前に置く。


「ロイヤルロッホナガー 16年カスクストレングス56.1度の30mlの

ストレートです。

では、この56.1度のアルコール分は?」

「約16.8mlですか?」

「そうです。

このグラスの56.1度のウイスキーをストレートで飲んでも、この缶ビール1本と

変わらないのです。」

「なるほど、飲むスピードと量に気をつければ、アルコール度数が高くても楽しめる

訳だ!」


 陽菜は、にっこり微笑んで頷いた。

あべのハルカズBAR 144ページ目   カスクストレングスの水割りにします

2014-09-16 00:01:25 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【144ページ】


 陽菜は、棚からロイヤルロッホナガー1991 16年カスクストレングス56.1度を

選び出し、佐藤にボトルを見せ、確認させる。


「水割りでお願いします」

「ウイスキーの飲み方には、アルコールを楽しむ飲み方と味わいを楽しむ飲み方

があります。」

「アルコールを楽しむ飲み方って?」


 ママは、このシングルモルトを水割りで飲んでほしくないのだろうと思いながら

佐藤は訊いた。


「仲間同士で、ワイワイガヤガヤ話し、おいしいものを食べ、お酒の酔いを楽しむ飲み方です。

この場合は、酔いを求めるだけなのでポピュラーなウイスキーの水割りで十分でしょうね」

「するとロイヤルロッホナガーのようなプライムなシングルモルトは味わいを楽しむべきだと?」

「お客様が主体なので、水割りをお作りするこも可能ですが、できればストレートで

樽だし本来のロイヤルロッホナガーの味わいを楽しんでいただきたいです。」

「ママからそう勧められるとストレートで飲んでみたいが、アルコール度数が56.1度と

めっちゃ高いでしょう? こんなに度数の高いウイスキーをストレートで飲んだことがないが、

飲める?」

「皆さん、勘違いされているのです。

アルコール度数が高いお酒をストレートで飲むと、一気飲みのイメージで倒れてしまうのでは

と思うのです。」


 陽菜は、330mlの缶ビールを取出し、佐藤の前に置いた。