ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 139ページ目  山道を通るバイパス   

2014-09-09 22:15:05 | あべのハルカズBAR1 四話 完
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 晴数は、ブログタイトル『ちょっよ怪奇なお話』の記事を更新した。

今回のテーマは「真夜中に走った山道を通るバイパスのお話」である。


 大阪方面から高野山に行くのに、371号線で、河内長野から橋本方面

を走って高野山に向かうルートがある。


 私の知人が、真夜中の午前二時にその371号線を走行していた。

河内長野と橋本の間に、山道を通るバイパスができている。

知人の話では、そのバイパスはバイパスの役目を果たしていなくて、

旧道をのろのろ走る車の方が早いそうだ。

そして、スピードが出やすいので、スピード違反の取り締まりが時々されている。

だから、バイパスの利用者はほとんどいない。


 私の知人は、旧道に右折するるところで、自然の流れでバイパスに

入ってしまった。

昼間でも車の通行量が少ない道で、真夜中では一台も走っていなかった。

「山道を走るのは、いやだなあ」とちょっとでも思うと、怖くなってきて、

車のバックミラーを見ることができない。

車の後部座席に、知らない人が乗っていたら・・・・・・。


 山道を切り開いて、バイパスを造っているので、人家は一軒もない。

トンネルが見えたところで、背筋がゾクゾクとする。

「ああ、バイパスに誘い込まれるこうに来てしまった・・・・・」


 彼は、不安な気持ちを抑えて、前だけを見て走った。