ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 93ページ目 タブレットを操るソムリエ 和音は神懸り的? 

2013-05-12 23:25:27 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【93ページ】


 秋月は毎週休日に、マリーナタウンの常連客である食品輸入商社の社長の

滝川の邸宅に呼ばれている。

滝川は秋月の才能に惚れていて、彼のためにプレミアムワインの試飲会を

催しているのである。


「休みの度に呼び出して悪いね?」

「いいえ、いつも滅多に飲むことのできないプレミアムワインを飲ませて頂き

感謝しています。

ところで、社長からのメールで、和音さんの今までのテイスティング対決者の

メンバーと伝説を確認させて頂きました。」

「どんな感想を持った?」


 滝川社長は、秋月の反応を聞きたかった。


「ワイン通倶楽部の対決者は、和音さんの神懸り的なテイスティング力に驚き、

テイスティングにかけては、トップソムリエも敵わいと伝えています。

そしてテイスティングの言葉には、まるでそのワインのエピソードがイメージ

として浮かんでいるかのように感じると言っています。」


 滝川社長は大きく頷いた。


「しかし、真実は違うのです!」

「私がメンバーから聞いた話は本当でないと?」

「メールには、テイスティング対決で使用したワインは伏せて頂きました。

これが私が予想したワインのリストです。」