ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 90ページ目 タブレットを操るソムリエ 北部ローヌと南部ローヌ

2013-05-09 22:20:27 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【90ページ】


 秋月が、次にテイスティングしたワインはエルミタージュであった。

エルミタージュをボトルで注文した常連のお客が少し残してくれたワインである。

ラストーは南部ローヌのワインで、エルミタージュは北部ローヌのワインである。


「ゴムが焦げたような香り」と右手でグラスを持ちながら、左手を使いタブレットで

エルミタージュの香りを検索する。

ゴムが焦げたような又は火打ち石のようなといわれる香りを持つと画面に出てきた。


「シラー」とつぶやきながらタブレットでエルミタージュのブドウ品種を検索する。

するとブドウ品種はシラーと書かれている。


「豊かな渋味とおだやかな酸味、そしてかすかな甘味が感じる」と言いつつ、

タブレットを見ると同じようなテイスティングコメントが載っている。


「よし!」ごく少量のエルミタージュで、このワインの評価を完了。


 秋月は、エリミタージュの次にシャトーヌフ・デュ・パフのテイスティングを

行なった。

シャトーヌフ・デュ・パフは南部ローヌで最も有名なワインのひとつである。


「アタックから濃縮された果実味の甘味と酸味の華やかさが感じる」とつぶやき、

タブレットを見る。 

そして「うん」と頷く。


「シャトーヌフ・デュ・パフの中でもグルナッシュのウェートが高い!

90%ぐらいかな?」