ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 76ページ目 3本のコルトン・シャルルマーニュのトリック  

2013-04-06 21:14:52 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【76ページ】


「うーん」


 白庭社長は唸った後、暫く考える仕草をした。


「すると、和さんはラベルの張り替えを見抜いたと?」

「ええ」


 草木は頷いた。


「白庭社長とは対照的に、私が冷静過ぎて見抜かれたのだと思います。」

「ラベルを張り替えずに1996年そのままで出していたら?」

「その時は、和さんの誘いの言葉に白庭社長と同様に表情を隠しきれなかった

かもしれません。」

「そうか、私達は、和さんのトップソムリエに勝ると言ううわさのテイスティング力

の対策を考えていたが、メンタリストとしての対策は抜けていたね?」

「はい、私もそう思います。」

「我々の完敗だ!」


 白庭社長は、晴れ晴れとした表情で負けを認めた。