ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 81ページ目 お礼のソムリエナイフ 

2013-04-19 21:04:58 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【81ページ】


「こんな高価なソムリエナイフいただけないわ!」


 良子はセパージュ・ラギュオールのブラックホーンを和音に返そうとした。

しかし和音はそれを遮る。


「私の味覚を復活させてくれたお礼に高価すぎるものはないのです。

ぜひ受け取ってください!」


「それでは私の大切な宝物として部屋に飾ります。」

「すると仕事に使わないの?」

「仕事用として使うには高価過ぎるわ!」


 和音はポケットから、別のソムリエナイフを取り出した。


「仕事用にはこれを使って!」

「これはセパージュ・ラギュオールのブロンドホーンね?

柄の部分にはいくつかの小さなブルーとレッドの粒でTRのデザインが・・・・。

この小さな粒も宝石?

TRは私のイニシャル?」


 良子は和音に質問し、彼は頷いた。


「サファイアとルビーで良子さんのイニシャルを表しています。

小さな粒なのでそんなに高価ななものではないですよ!

ぜひ仕事に使ってください!」

「和さん、ありがとう!

明日から早速使わせて頂きます。」