ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

4 空手家ソムリエ 64ページ目

2010-03-31 05:52:58 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【64ページ】


和音   殺気を正面から受けるのではなく、後に飛び退いた時に、体の向きを少し

     傾けたのです。

     社長、今夜は、楽しいワイン会でした。

     ありがとうございました。

社長   いいえ、こちらこそ!


社長は、和音を玄関まで見送った。


社長   奥山さん、体を少し傾けるだけで、殺気を逸(そ)らすことができるの?

空手家  できないはずですが・・・・。

社長   和さんは、指先でもワインを見分けられると聞いたことがあるが、グラスに

     指を入れてなかったね?

空手家  ええ。

     そうか!

社長   判った?

空手家  殺気を感じて後に飛び退いた時、ワインが零(こぼ)れて、手にかかったのでは

     ?

社長   それで、月のイメージができたと?

     これは我々の推測で、やはりなぞだね?