星降るベランダ

めざせ、アルプスの空気、体内ツェルマット
クロネコチャンは月に~夜空には人の運命の数だけ星がまたたいている

文字文字くん

2009-02-06 | NO SMOKING
毎年、年の初めには、今年こそ美しい文字を書くように心がけようと思っているが、年賀状の返事を書いてる時点で初心をすでに忘れてしまっている。

夫に「くずし字」が読めない」と言ったら、
「自分だって凄いくずし字なのに。君の書いたメモは推理しないと読めない」
と言われた。私の直接的な意志伝達手段は機能的にランクが低いのだ。
そういえば、自分の書いたものでも、何についての記載事かわからないと、判読できないことがある。
それも、たまにある、のではなく、過去の手帳では4分の一くらいの確立だ。
なんと無駄の多い生き方をしていることだろう。
ともかく、このブログが手書きだったら、きっと誰も読んでくれないのは確実だし、自分さえ読めないことになる。

「くずし字の知識と読みかた」(駒井鵞静著、東京美術、1988)によると、

活字体は、文字の正座です。読みやすい文字、楷書は、直線的な線で構成するので、決して楽な作業ではありません。…正座している人に向かって「どうぞお楽に」というのは、膝をくずして楽な姿勢でお座りください、ということです。楽に、自由に書くことが「くずし字」の本来の姿勢。難しく書くことではなく、行書草書は、書きやすさを目的として生まれた書体です。」
とある。

書く時点で楽をしようとするのは、私と同じだ。
書き記すという行為は、後で読むことを目的とするのではないのか。
いや違う。
その時、書くこと自体を楽しんでいることもあるのだ。

初めてローマ字の筆記体を習った時、やたらと、好きな子の名前を綴った記憶がある。
あれは、新しい表現手段を習得した喜びだったのに違いない。
美しい言葉を美しい文字で綴る究極のナルシズムの世界。

学生時代、エジプトに留学していた知人にアラビア語で名前を書いてもらったことがある。
私の名前は、ブタの鼻のような記号になって、少し悲しかった。
その点、縦書きの漢字で書いた自分の名前はとても美しいと、自分で思う。

美術館の書は、書くことを楽しんで書いているから、惹かれるのだ。
書かれたものの動きをとめず、自分が書くつもりでたどってみよう。
正しいくずし方を習得すれば、古い書も解読できるはず。
やってみよう。

さて、この本によると、漢字のくずし方の基本原則は25あるという。

まずは、その一「左方が省略される」
なるほど、フムフム、…おお!その結果は、なんと、

 「しんにゅう」と「えんにゅう」は、ほぼ同じになる
 「サンズイ」「ニンベン」「ギョウニンベン」「ゴンベン」「アシヘン」も同じになる

一字だけでは見分け方はありません。前後関係から判読するほか方法はないのです。

そう、道は遠いことがわかった。でも、道はそこにある。

できることなら、トンパ文字のように、楽しもう。

       ~王超鷹さんのポストカードより
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