星降るベランダ

めざせ、アルプスの空気、体内ツェルマット
クロネコチャンは月に~夜空には人の運命の数だけ星がまたたいている

ラーメンズ的日常(14)キタノザウルス

2011-07-09 | ラーメンズ的日常
*以下はフィクションです。

妻:今年も会えなかったね。
夫:7日は一日中ずっと雨が降ってた。
妻:織姫さんと、彦星さん、他の日は何してるんだろ?
夫:そりゃー、一生懸命、機織ったり、牛飼いしたりしてるんじゃないか。
  確か、二人一緒にいるといちゃいちゃして働かないから、別れさせられたはずだよ。
妻:星の名前で言えば、こと座のベガと、わし座のアルタイルだったかしら。
  星の一生の長さからいえば、一年なんて、短いわね。
  人の一生なんて、星の一瞬の瞬(またた)きだわ。
夫:さっき、TVで、星の一生を人間の一生に合わせて計算したら、
  星が1年に一回会うのは、人間の1日に5000回会う事と同じ頻度だって言ってたよ。
妻:エー!!一日に5000回、って、
  1時間に200回以上、ということは、一分間に3回以上会うことになるの?
夫:よく飽きないよね。会いたいと思う前にもう会ってる。
妻:ずっと一緒と同じじゃない。
夫:いや、違う。別れるから、会えるんだ。
妻:嬉しい、悲しい、をずっと繰り返してるのね。
  別れる時は、もうこれで会えないかもしれないって、そのたびに思うのかしら?
夫:星にだって、いつか終わりはくるはずだからね。
妻:七夕こそ、「愛の日」だわ。バレンタイン・デーよりずっとロマンチックよ。
夫:夏はチョコレートが溶ける。
妻:う~ん、星の形…金平糖よ。
  七夕には、二人で金平糖。舌の上で角っこが何個あるか、数えるの。
夫:僕は、断然、チョコの方が好きだ。
妻:七夕金平糖(たなばたこんぺいとう)、いいと思うけどなぁ。
  そう言えば、あの娘(こ)、どうしてるかしら?
  背中に米俵しょって、ず~と、彼を待ち続けている「キタノザウルス」
夫:彼女は宇宙の暦で生きているのかもしれないなぁ。
妻:あの娘(こ)に、七夕の笹持たせてあげたいなー。
夫:今年は、短冊に、何書くんだ?
妻:決まってるじゃない。
  ~福島の原発がどうかおさまりますように!~
 
       

*以下はノンフィクション(?)

背中の米俵、麦わら帽子、前で合わせた手が、とても可愛いこの像は、大阪の北新地駅前地下通路に、恋人達の待ち合わせのスポットに、とJR東西線が開通した1997年設置されたらしい。作者の佐藤邦雄さんのHPに、この娘がここにいる理由が載っていた。

<キタノザウルス伝説>
それはそれは遠い、ジュラ期よりもっと遠い昔、地球にとびっきり美しいキタノと呼ばれる娘怪獣がいました。ある日、彼女は恋人との待ち合わせのため、米俵のリュックを背負い大阪北野の浜にやって来たのです。しかし、約束の彼がなかなか現われません。いまか、いまか・・と待つうちにすっかり首がながーくなってしまい、とうとうそのまま眠ってしまいました。
ところが、1997年6月23日、誰かが眠っている彼女の足をくすぐると「コチョバイ・・」と言いながら永い永~い眠りから覚めました。さあ、約束の彼は来るのでしょうか


2回ほど前を通ったけれど、待ち合わせ人の気配なく、大阪とは思えないくらいあたりはひっそりと静かな空気に満たされていた。きっとここで待ったら、恋人はいつまでも来ない気がするのかもしれない。宇宙暦で生きてはいない、女の子達は、いくら可愛くても、キタノザウルスにはなりたくないのだ。

キタノザウルスに、新しい七夕伝説をつくってあげよう。
コメント
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