@「オンラインの市場は1割に過ぎないが急伸している」、「オンラインの市場は急伸しているが1割に過ぎない」は、どちらがよりインパクトあるのか。同じ主旨の言葉を使っているが、配列を変えるだけで立場によって相当な違いを感じる。 さて、ここで言いたいことは今後オンラインvsオフラインがどのような形態で顧客獲得をし、またその裏にある顧客データはどのように利用されていくのかである。 まず顧客・ユーザサイドからの立場では、プライバシー保護など合ってないものの世界を企業は取得し、利活用することを常に考えている。 それは、今後個別セキュリティー的に見ても恐ろしいもの・事が起きると予測できる。では企業の立場からではどうか。「人間行動学」であるような個人の思考・行動・趣味・周りの仲間関係等、さらにクレジット情報も独占できることになり、今後の製品紹介、売り込みが物理的に端的に可能となる。 商品の選別、価格、仕様など・・売れるものだけ作る世界になる。 だが人は同じことばかりしないし、したく無いという行動を取る。 そこにマーケティングの難しさが隠れており、いつの時代も新たな「バズワード」を考える人がいる。結局言わんとするところは今も昔も、そして未来も変わらない、「如何に消費者のニーズに追いつき、製品開発に先手を打てるか」だ。 消費者への提言は、いつまでも型にはまった行動パターンはしないほうがいいということだ。 たまには、全く今までとは違ったサイトへ飛び、個人のデータを撹乱させる事だ。 企業の問題点は、「変革を求めて頓挫する最大の原因は、組織内に機能が不足しているからではなく、協業の文化を作れないからだ」。 企業内での説得は、「意外性」かも知れない。
最近ゴルフのドライバーを購入した。まず最初の行動は、オンラインで下調べ(人気度、価格、評価)、そしてオフライン(店舗)に出向いて店員さんに聞く、感触を確かめる。 で結局どうしたか? オンラインで感触の良かった製品をゲットする事に。理由=ブランドものなので品質に差がない事、更にポイント加算より実勢価格の安い方を選んだ。 最近の消費者の心理行動、そのままだった自分にびっくりだ。
『世界最先端のマーケティング』奥谷孝司、岩井琢磨
- 顧客とつながる企業のチャネル戦略
- 「Amazon戦略」オンラインを軸足にオフラインでも顧客確保強化
- 販売の多様化目的=顧客の行動データを掴むこと
- Amazon Dash=Wi-Fi内蔵ボタン型注文機器(スマホ・PC不要)
- Amazon Echo=AI内蔵スピーカー・マイク(音声検索・操作)
- Amazon Go=レジのないリアル店舗
- Amazon Books=レビュー等をその場で入手・購入(同価格)
- 顧客との接点を増やす工夫・400店舗計画
- 高級スーパー=ホールフーズマーケット買収
- 新たな食品との接点を増やす戦略進行中
- 「米国のオンラインVSオフライン市場」
- 2016年Internet Trends報告=90%は未だオフライン
- EC化率=11%(日本は7%)
- 「アパレル業界」
- 国内展開=ユニクロVSゾゾタウン対抗
- 「Le Tote」レンタルレディースアパレル月額$49
- 登録・選択された商品等が宅配され期限無制限で利用
- 「BONOBOS」メンズレンタルアパレル、購入はオフライン
- 来店前に商品選択、現物をオフラインで注文・宅配
- 「ZOZOSUIT」採寸用スーツで測定・試着システム
- 試着をセンサーロボット・オンライン注文・宅配
- 「インテリア業界」
- 「ニトリ・手ぶらでショッピング」ショールーム化
- 現物を店舗で確認、帰りは手ぶら・後日配送・ECアプリ
- 「イケヤ・IKEA PLACE」オンラインで選択・店舗で注文
- AR(拡張現実)で家具の事前に確認し見定め
- 「食品業界」
- 「Amazon Fresh」食品をオンラインで注文・宅配
- 配送での工夫を構築中・配送ORピックアップ
- 「Whole Foods with Instacart」代行者が買い物・宅配
- ECサイトから近くの店舗に注文、宅配
- 受け取りは自らピックアップOR宅配
- 店舗でのセンサー機能で商品情報(栄養成分・価格等)入手
- (店舗での購買動機情報を提供)
- 「タクシー業界」
- 「Uber」予約EC機能搭載配車タクシー・規制問題・組合協定
- ウーバープール(指定場所)
- 「全国タクシー」配車アプリ2017年度5万台
- 支払いは現金・その場の支払い(クレジット等)
- 相乗りタクシーへの実現化模索
- 「チャネル形態の変遷」
- 顧客とのタッチポイントを増やすことで行動履歴を得ること
- (顧客の選択に影響を与える、店舗・アプリ・商品・メディア・SNS・全てが情報であり、チャネルである)
- 「マーケティングの近視眼」セドドア・レビットの論文
- 鉄道会社の思考は強豪(車)を見逃す
- コトラーの指摘「顧客が求めているのは店舗では無い。購買体験における価値である」
- オムニチャネル「時間・空間・連携」
- 「時間」=選択・購入・使用までの一連のプロセス
- 「空間」=チャネルの所在がオンラインかオフラインか
- 「連携」=一体となる購買体験そのもの「良い体験」提供
- 商品購入前の情報検索・選択「ウエッブルーミング」
- スマホからオンラインで購入する「ショールーミング」
- 「4つのタッチポイント」
- 購買前・購買段階・購買後・未来過去経験
- 「THE MELT」グリルチーズサンド専門店
- アプリで注文・店舗でスキャン・支払い・持ち帰り
- 待ち時間を短縮・暖かいサンド・持ち帰り可能
- スターバックスもプレオーダー開始
- 「DIFFERENCE」コナカのスーツストアー
- アプリでスタイル・デザインを事前に選択
- 店舗で確認して注文・2週間後に配送
- 「WARBY PARKER」購入前に使用できるメガネ
- 店舗で相談、サンプルが送付、一定期間使用できる
- 選択・購入・使用から使用・選択・購入とした流れ
- 「アプリ開発」
- チラシ宣伝効果からアプリで利用者の確保・データ入手切替
- チェックイン効果=顧客の能動的行為・行動データ可能
- イベント参加有無等への効果
- 「PDCA効果=KPI」
- 「PLACE」顧客との繋がり多くのタッチポイントを確保
- キンドル効果とは読書で顧客時間を分析できる
- 「PROMOTION」繋がりで販促を変える
- Oisixのショッピングカートには毎週あらかじめ野菜や食材が入っており、顧客はそれを情報により必要・不要の選別をする
- MUJIの「遅得」サービスとは配達時間を選択でき、配送のトラブルを解消、顧客はポイント・価格に反映可能
- (顧客の要望優先は配達時間の指定68%)
- 「PRICE」繋がりが価格を変える
- Amazon Booksオフラインでも価格は同じ
- いきなりステーキの待遇は肉のグラム数で「肉好きの心を燃やす」役割。高い肉、安い肉も同じポイント提供
- 「PRODUCT」繋がりが商品を変える
- 顧客は最適化を求める・プライベートブランドで改良製品化
- MUJIのCランク商品の改良=他の製品とのマッチング
- 「オンラインの市場は1割に過ぎないが急伸している」
- 「オンラインの市場は急伸しているが1割に過ぎない」
- 「往往にして変革が頓挫する最大の原因は、組織内に機能が不足しているからではなく、協業の文化を作れないからだ」