自選句

おかげさまけんかが出来る妻がいる
細君のメイクにシャックリガ止まる
病室の向こう三軒両隣り
三ツ矢博一

雑詠

蕗のとう口一杯を春にする　　　　K

自選句

傷ついた心にシップ二三枚
雨の日は雨に染まって書に耽る
説得の手紙こんこん母の愛
前川正子

柳誌

歳も歳良い話だけ聞きたがる

自選句

いい暮らし期待させますマニフェスト
痛風に試されたのはねばり腰
ウエストに苦情聞かせているカルテ
久崎田圃

川柳鑑賞

言うだけは言って薬缶に智恵が無い

水を貼って火にかける。暫くするとチンチンと言いだし、たちまちに沸騰する。よく見かける人種で手を焼くが、吹きこぼれる前に立ち止まって、ちょっと考える。そんなゆとりも欲しいものである

＊これを読むと、夜間は瞬間湯沸かし器のたとえとして使われているようである。
智恵が無いの説明がやや不足かな。

雑詠

春が来るきっと良い事ある予感　　　　K

自選句

くるくるとまめな背中を見せた母
DNA掘れば掘るほど亀は亀
裃を脱いで揃った級会
北岡絹子

自選句

どうしても一つの餅が膨らまず
程々の距離を保って風を待つ
丁寧に生きて等身大の夢
香川亮

雑詠

ケータイで密談をする闇サイト　　　　K