美和山吹の川柳ブログ***「川柳歳時記」「川柳画」など。***

このブログを始めてから、11年がたちました。
「川柳歳事記」は、良い川柳を読む機会のない人のため載せています。

「老いて新鮮」  (松ひさし)

2016-11-20 07:20:28 | 

いつかは期限


わが身の賞味期限 字を替えてみよう
そうです 賞身期限がいつかはやってくる
ほめられていた身体が病気や定年になって
働かず稼ぎがなくなるとき
期限切れでも 連れ合いから処分は免れ
部屋の隅に追いやられるくらいは安泰のうち
気候変動の今の世 戸外は激しい風雨や炎暑の日も

我が懐の消費期限 字を替えてみよう
そうです 償費期限はいつかはありそうだ
医療や介護の費用が膨らみ
年金や保険では償えなくなるとき
期限切れは早くからでも遅くからでも苦しい
はて 生活苦にも期限切れがあればいいのに
期限が切れず苦しいまま人生の幕切れなんて

我が心の耐用年数 字を替えてみよう
そうです 太陽年数は人それぞれ心と身体次第
太陽のように明るく輝いているのは青少年期
たいがいは二十歳前後だけれど 若わかしい万年青年も
太陽はまぶしく熱く日焼けが痛い
時が過ぎて 熱くまぶしい太陽よりも
月や星の輝きに感じ入るようになる

「寝言」より   つづく

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