乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

トーチカと茶畑

2015-12-29 | 台湾
 台湾・彰化県の田中駅で台鉄を降り、今年開業した彰化客運バスの赤水・松柏坑経由南投行きに乗りました。八卦山脈に上がって県境を越え南松柏嶺停留所(南投県名間郷)で降ります。
(バスの話はこちらをご覧下さい。)
 この辺りは茶畑とパイナップル畑が広がり見どころが点在しているので見物して行こうというわけです。


 畑にはときどきトーチカの跡が混ざっています。一部は見晴らし台に改装され「七星陣地公園」という名前がついていたりしますが考えてみればトーチカとなると壊すのは大変でしょうから苦肉の策なのかもしれません。とは言えまずは物騒なものがのんきな遊び場になるくらい良い時代になったということなのでしょう。


 このあたりは松柏長青茶というブランド名を持つ茶どころで『茶二指故事館』なる茶がテーマの観光施設があるというので行ってみました。入口では指の看板が迎えてくれます。なぜ指かというとこの施設のオーナーが8歳のとき製茶の手伝いをしていて事故で指2本を失ってしまったことを記念しているからだそうです。不幸な事故を逆手に取り前面に出すとは大したものだと感心させられました。


 茶葉の種類や製茶の方法など「らしい」展示の中に偉人と茶の関係をテーマにしたコーナーがあり、蒋経国総統と毛沢東主席が並んでいて現代らしさを感じました。松柏長青茶という名をつけたのは蒋経国なのだそうです。


 このような展示や茶、茶を使ったお菓子等の販売をしている棟の裏に茶畑を利用した庭園があります。茶畑の観光施設というからちょっと韓国の全羅南道宝城郡を思い出しましたが、冷涼で茶畑が珍しい韓国と違って茶畑がありふれている台湾にこういう施設があるというのはなんとなく面白く感じました。また庭園にある食堂棟ではかつて茶畑での作業の合間に食べた弁当をイメージした弁当を名物メニューとしています。


 という具合に茶関係を見物して改めて南松柏嶺バス停まで戻ると受天宮という廟に向かう参道が伸びているのでそっちも見物しました。土産や食べ物の店が多く並んでいますが一番目立つのはやはり茶葉の店です。受天宮前まで来ると西の海側への見晴らしがききました。


 ちなみに参道の店で行列ができてよく売れていたのはこの辺りが産地だという山薬すなわち長イモを使ったかき揚げでした。私もつられて並び食べてみましたが一見単純そうなものながらなかなかウマくなるほどというところです。


 という具合に茶どころ見物を楽しんだらまた彰化客運のバスに乗り濁水に出ました。濁水は台鉄のローカル支線集集線の沿線、というとなんだか鄙びていそうですがバスで見ると南投・台中方面への路線が頻発している便利な場所です。また枝線に乗る場合幹線から乗り換えるよりも途中や末端の駅にバスや渡船で出て乗るとなぜかより楽しい気がするものでその意味でイイ駅ということになります。暗くなってきたホームでタブレット・スタフの受け渡しを見物しつつ二水行きに乗りました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 富平市場の自家製トンドン酒 | トップ | 将軍漁港でサバヒー尽くし »

コメントを投稿