乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

釜山の古里原発

2011-08-04 | 韓国
 今回は韓国の原発の中で最も古い釜山広域市(+蔚山広域市)の古里原子力発電所の話です。ここで最初に運転が開始された1号機(1978年に営業運転開始)は設計寿命の30年を過ぎた後に政府の許可とって再稼動している老朽機とのことで、敷地内にはこの1号機をはじめとする4基の原子炉が並び、またすぐ隣には「新古里原子力発電所」が建設され原子炉1基が運転中(さらに増設される予定)なので合計5基がかたまっていることになります。ここの見物に行くことにしました。

 釜山の街中にある釜田駅で東海南部線の列車に乗るとビーチが有名な海雲台を通って50分ほどで古里原発の最寄駅、月内駅に着きます。停まる列車があまり多くない上均等な間隔になっていないのであまり便利ではありません。なお月内にはバスも数路線来ていて、釜山方面からの場合は梵魚寺から高速バスターミナルのある老圃洞を通って月内まで来る37番が15~30分間隔と比較的利用しやすそうです。


 駅を出るとバス通りの国道31号沿いに月内の町が広がっています。釜山広域市に組み込まれているとは言え一番端らしくのんびりした雰囲気です。


 町からテトラポットが並ぶ海岸線に出るとどーんと原発が見えます。暑い夏の日差しの下原発に向かって竿をのばす釣り人もごくろうさんですが、わざわざ日本から見に来た私が言えたセリフじゃありませんね。


 海沿いを東に歩き月川橋を渡ったところが蔚山方面から来る715系統バスの折返場でした。(乗りバスの話はこちらをご覧下さい。)日本でも市境だとかバス会社のテリトリーの端にはこうした「ちょっとだけお隣に入って折り返す」系統があるものですが、こういうバスの境目が好きなのでちょっとうれしくなります。


 ものものしい鉄条網が見えるといよいよ原発です。

 すぐ近くまで民家があっていわゆる原発マネーで作られたらしき小公園があったりもします。



 原発の正門です。日本のように原発PR目的の広報展示館があるというのでそこに向かうことにしますが、それはこの門の中ではなく内陸側の国道から続く原発前の敷地にあります。


 ありがちな地元見返りっぽいスポーツ施設があるのはお約束というべきでしょうか。


 大変ご立派な広報展示館に着きました。


 広報展示館に入ると最初は蒸気機関やらクルマ、スペースシャトルといったでかい模型を並べ、産業革命からとにかくエネルギーが必要になり今や夢の原子力時代に突入、という流れに持っていっています。こういうあっけらかんとした明るい未来を臆面もなく見せられるとただしみじみするほかありません。もっともスペースシャトルも引退だっけとふと思いました。


 生活には電気が必要だね、という顔だけディスプレイという家族の会話です。こういう懐かしい近未来っぽさを感じさせる展示は原発らしい気がしました。


 発電所ですから送電の順番もちゃんとあります。

 これは絶対電車も出てくるはずと思ったら案の定地下鉄を発見しました。でもこれどこの地下鉄がモデルなんでしょうね。


 太陽光と風力発電の間にはさんで原発を仲間扱いしてます。この手の同一化はお約束という感じですね。


 生活の中でも放射線浴びてるんだから原発なんて気にするなの図です。これはもっと基本的なお約束というところでしょうか。


 世界の原発ランキング地図です。日本の原発が54基ではなく56基になっているのは2009年の浜岡廃炉分が反映されていないからかもしれません。


 韓国の原発分布図です。赤の原発4ヶ所21基に加え青の水力発電所もあるのは韓国の原発を運営しているのが「韓国水力原子力」という韓国電力公社の子会社だからですが、そういえば原子力と水力を一緒にした理由もちょっと気になったりします。


 放射性廃棄物のクレーンゲームなどお子様向けゲーム類が充実しているのはやっぱりという感じです。校外学習に来ていた小学生が群がっていました。



 ひと通り見物したあと国道から原発に入る道、つまり表口から出ると「明るい光 澄んだ空気 私たちの原電(韓国では原発ではなく原電と表現します。)」のスローガンに並んで補身湯店が大きな看板を出して建っていました。「45年の伝統 補身湯名家」とあったので原発より古いわけです。土地柄原発で働く人たちがお得意様なのかなあなどと思ったらちょっと食べたくなりましたが残念ながらメシの時間じゃなかったので今回は断念しました。

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