乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

九龍浦の日本人家屋通り

2011-09-18 | 韓国
 韓国慶尚北道の浦項市は有名な製鉄をはじめ工業や商業が栄えていますが、のみならず市域は農漁村にまで広がっていてなかなか変化に富んでいます。この浦項市の東海岸沿いにある九龍浦という町に「乗りバス」の途中寄って見物しました。ここには植民地時代に主に漁業を目的として住みついた日本人の家屋が今もまとまって残り、観光資源として徐々に整備が進められているので日本人観光客も少なからず訪れているそうです。
(「乗りバス」の話はこちらをご覧下さい。)

 九龍浦には鉄道は通っていないため玄関口は「九龍浦乗り換えセンター(九龍浦換乗センター)」というバス乗り場です。九龍浦から長鬐半島を北上したところにある虎尾串や東海岸沿いを南下した先の良浦へのバスが折り返す場所ですが、浦項市中心部からの200番座席バスはこの乗り換えセンターに入らず2停ほど東で折り返しています。200番バスの乗り降りは乗り換えセンター内ではなくセンター脇の路上です。

 200番バスは浦項の市外バスターミナル(高速バスターミナルとは別のターミナル)前を通るので市外バスとの乗り換えは楽です。この市外バスターミナルから九龍浦に行くときはターミナル正面にある市内バス停留所(道路を渡らないターミナル側)から乗ります。5:30~22:50の間(浦項市街地側にある良徳車庫発車時間基準)11分間隔で運行という頻発ぶりですから大変便利です。

 乗り換えセンターは海岸沿いにあり、そこで山側を向くと左側(西側)のバス通りより1本山側の道に九龍浦市場が広がっています。見てみたら海産物だけでなく野菜雑貨などもあるごく普通の韓国の市場という感じでした。


 市場と並行するバス通り沿いには刺身屋がいくつも並んでいます。九龍浦名物の料理はカニ・刺身(特にムルフェ)・クワメギ・クジラ料理・モリグクス(海鮮煮込み麺)といった魚介類(+哺乳類)とのことで、刺身屋は主にカニ・刺身・クワメギまでをカバーしているようでした。クワメギとは聞き慣れませんがサンマを中心とする青魚の干物で、食堂で食べる場合大皿に切ったのが並び焼肉や刺身のように野菜などで巻いて食べるので1人ではちょっと頼みにくいメニューです。
 今回は1人だったので1人でも頼みやすいムルフェにしました。刺身と野菜や梨をコチュジャン系の味であえて食べるもので、梨の甘さがさわやかでなかなかイケます。ムルフェは麺を入れて食べることも多いのですがここではご飯でした。秋が深まってくるとサンマのムルフェもあるという話でしたからその時期に行くという方は試してみるのもよさそうです。


 腹がくちたらこんどは乗り換えセンターから東側に向かいます。バス通りからちょっと山側に入った裏通りにはクジラ料理の店がいくつか並んでいました。料理は刺身や鍋などとのことでやはり一人では食べづらい感じです。


 さらに東に向かったバス通りの一本山側の通りが徐々に日本人家屋通りになります。

 韓国の通りにしてはなんとなくせせこましく、韓国の町には電柱が少ないこともあって出っ張る電柱がさらに狭さを強調している感じでした。日本っぽいというにはだいぶ変わってしまっている印象ですが、少なくともなんとなく韓国っぽくない雰囲気が漂っているのは確かです。


 元日本人家屋にはそれぞれ植民地時代どんな建物だったのかという案内と当時の写真を記した札が掲げられています。

 新興宗主国様の威厳を見せ付けてやる的な建造物ではなく民間人の建物ともなればそうもつものでもないでしょうからどれもかなり補修されていて元の様子とはだいぶ変わっているようです。


 日本人家屋通りの途中に神社っぽい石段があり、上がると忠魂閣という朝鮮戦争などで戦死した人を祀る一角があります。これは植民地時代の九龍浦神社をそのまま利用したもので神社っぽいというより神社そのままというわけです。


 石段や碑などに彫られていた日本時代の氏名や碑文などはほぼ塗り消されている中、なぜか大正六年とある不動明王がありました。これは仏教ということで消されなかったのでしょうか。


 日本人家屋通りの東端はバス通りにぶつかります。ぶつかったところからちょっと西に戻ると浦項市中心部から来る200番座席バスの折返所(九龍浦6里)があり、この付近にもカニ・刺身屋が並んでいました。浦項市中心部から200番バスに乗ってまっすぐ日本人家屋を見に行こうという場合は乗り換えセンターで降りずこの終点・九龍浦6里で降りると楽なはずです。

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